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インタビュー/働くあなたに伝えたいこと

エチオピアの職人が最高級の素材で作る、ハッピーでエシカルなレザー製品/andu amet 代表 鮫島弘子さん【後編】

エチオピアの職人が最高級の素材で作る、ハッピーでエシカルなレザー製品/andu amet 代表 鮫島弘子さん【後編】

鮫島弘子さん/andu amet代表
前編はこちらエチオピアでシープスキンを使ったバッグのブランドを立ち上げよう、と決意して勤めていた高級ブランドをやめた鮫島さん。夢は「レザー総合ブランド」と大きかったが、道のりは険しく、くじけることばかり。でも今、販売が始まった。121225Career02.JPG「バッグをつくろう、と起業。エチオピアに工房をつくり、海外協力隊時代に知り合った現地の女性にマネジメントをしてもらうことにしました。大量生産、廃棄への疑問から始まったことですから、エシカル、倫理的に正しいことをしたいと思いました。使う皮革は食用の副産物。革をなめすときに化学薬品を使用するのですが、きちんとした浄化システムを持っている工場だけを選んでいます。革をあますところなく使おうと、ブランドのアイコンであるモザイクレザーは、はぎれを組み合わせたものです」「現地生産にこだわっています。最高品質の革なのに、そのまま輸出されると買いたたかれてしまう。私は、現地の雇用や産業発展に少しでも役立ちたいと思いました。10人ほどに働いてもらっています。121225Career03.JPGといっても、いざ実行するのは大変。デザイン、製造、販売、経理まで日本人は私1人です。やることが1万個、1億個あって、やってもやっても終わらない。現地で甘く見られて素材調達でふっかけられたりしたこともしばしばです。途上国ですから、日本みたいにすべてが効率的ではない。書類を何度も書き直し、出し直すなんて当たり前。事務手続きはネットでぴっと完結、という日本とは対極の世界です」「品質管理も大変です。海外協力隊時代の経験から、相当覚悟はしていましたが......。縫い目がまっすぐでないものが平気で売られている国ですから、いいものを作りたいと思って『まっすぐに切って縫わないとだめ』というと、嫌がらせをしていると思われる。1回注意するときは10倍ほめる。子育てみたいです(笑)。泣きながら『どうしてわかってくれないの』とケンカしたこともあります」「情熱だけで突き進んできました。頭がよかったら始めなかったかも、と思います。最初の1年は、円形脱毛症が治りませんでした。思い通りにいくことなんて何一つない。。それでもなんとかブランドを立ち上げ、販売を開始できました。お客様に喜んでもらえるのは最高にうれしい。いま、六本木ヒルズでワゴンで販売しているのですが、通りすがりの人が、なんとなくバッグにさわっていく。最上質の革ですから、とっても肌触りがいいんです。。二度、三度と買ってくださるリピート率が高いのもうれしいし、自慢です。「現地のスタッフも少しずつ変わってきました。かつてケンカしたスタッフが新しいスタッフに『日本に出しているんだから、見えないところまできちんとやらないとダメ』って指導しているのを見たときは、自分の言っていたことが無駄ではなかった、と胸が熱くなりました」「ぜひ、ブティックやで、『』の製品を見てください。"途上国がかわいそう"ではなくて、。いいものをつくっている、という自負があります」 (取材・文/エンゼルあつみ)
エチオピアでシープスキンを使ったバッグのブランドを立ち上げよう、と決意して勤めていた高級ブランドをやめた鮫島さん。夢は「レザー総合ブランド」と大きかったが、道のりは険しく、くじけることばかり。でも今、販売が始まった。「バッグをつくろう、と起業。エチオピアに工房をつくり、海外協力隊時代に知り合った現地の女性にマネジメントをしてもらうことにしました。。使う皮革は食用の副産物。革をなめすときに化学薬品を使用するのですが、きちんとした浄化システムを持っている工場だけを選んでいます。革をあますところなく使おうと、ブランドのアイコンであるモザイクレザーは、はぎれを組み合わせたものです」「。最高品質の革なのに、そのまま輸出されると買いたたかれてしまう。私は、と思いました。10人ほどに働いてもらっています。といっても、いざ実行するのは大変。デザイン、製造、販売、経理まで日本人は私1人です。やることが1万個、1億個あって、やってもやっても終わらない。現地で甘く見られて素材調達でふっかけられたりしたこともしばしばです。途上国ですから、日本みたいにすべてが効率的ではない。書類を何度も書き直し、出し直すなんて当たり前。事務手続きはネットでぴっと完結、という日本とは対極の世界です」「品質管理も大変です。海外協力隊時代の経験から、相当覚悟はしていましたが......。。1回注意するときは10倍ほめる。子育てみたいです(笑)。泣きながら『どうしてわかってくれないの』とケンカしたこともあります」130109Career06.jpg「情熱だけで突き進んできました。頭がよかったら始めなかったかも、と思います。最初の1年は、円形脱毛症が治りませんでした。思い通りにいくことなんて何一つない。何でこんなことを始めちゃったんだろう、と思いました。それでもなんとかブランドを立ち上げ、販売を開始できました。お客様に喜んでもらえるのは最高にうれしい。いま、六本木ヒルズでワゴンで販売しているのですが、通りすがりの人が、なんとなくバッグにさわっていく。最上質の革ですから、とっても肌触りがいいんです。すると、数日して『あの時の手触りが忘れられない』と戻ってきてお買い上げになってくださる方がいます。二度、三度と買ってくださるリピート率が高いのもうれしいし、自慢です。
122125Career05.jpeg「現地のスタッフも少しずつ変わってきました。かつてケンカしたスタッフが新しいスタッフに『日本に出しているんだから、見えないところまできちんとやらないとダメ』って指導しているのを見たときは、自分の言っていたことが無駄ではなかった、と胸が熱くなりました」「ぜひ、ブティックやオンラインで、『andu amet』の製品を見てください。"途上国がかわいそう"ではなくて、技術を習得した職人が最高級の革で幸せオーラをこめて作っているブランドです。いいものをつくっている、という自負があります」
121217Career05.JPG鮫島弘子(さめじま・ひろこ)化粧品メーカーでデザイナーをした後、海外協力隊としてエチオピアに赴任。帰国後、外資系リュクスブランドでマーケティングを担当。2012年にエチオピアシープスキンを使ったレザーブランド「andu amet」を立ち上げ、「リュクス×エシカル」を掲げてバッグなどを手掛ける。2013年1月14日まで、六本木ヒルズでポップアップブティックをオープン。業務拡大のため、昨年12月から「REDYFOR?」にてクラウドファンディングに挑戦し、異例の早さで目標金額を達成! 2013年2月17日まで引き続き支援を募っているとのこと。支援はこちら(https://readyfor.jp/projects/andu_amet)から
(取材・文/エンゼルあつみ)
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