1. Home
  2. キャリア
  3. 時間の「密度」を高める生活術を編み出す/医師・吉田穂波【後編】

インタビュー/働くあなたに伝えたいこと

時間の「密度」を高める生活術を編み出す/医師・吉田穂波【後編】

時間の「密度」を高める生活術を編み出す/医師・吉田穂波【後編】

2008年8月、医師の吉田穂波さんは、夫と子どもと一緒にボストン空港に降り立った。渡米前に三女が生まれたばかり。3歳、1歳、生後1カ月の3人、そして夫を引き連れてハーバードでの大学院生活が始まった。

【前編はこちら】

131001career0202.JPG

吉田穂波/医師・医学博士・公衆衛生修士

ドイツ・英国・日本での医療機関勤務を経て、2008年に当時3歳、1歳、生後 1ヵ月だった3人の子ども、夫を連れて渡米。ハーバード公衆衛生大学院入学。2年間の留学生活中に第4子を出産。大学院修了後は、同大学院のリサーチ・ フェローとして、少子化研究に従事。帰国後、東日本大震災では産婦人科医として妊産婦と乳幼児のケアを支援。2012年4月より、国立保健医療科学院生涯 健康研究部主任研究官として、公共政策のなかで母子を守る仕事に就いている。3歳から8歳まで4児の母。11月に第5子出産予定。

「自分」にフォーカスするアメリカの女性

勉強は思った以上にハードで「怒涛の勉強漬け」だった。吉田さんが集中して勉強できるのは子どもが保育園に行っている8時から6時までだけ。時間が自由になる独身の大学生をうらやましく感じたが、世界中の優秀な学生に交じって最先端の勉強をしたことは大きな自信につながった。そして2年間の留学生活は、女性の生き方というものを考える上でも貴重な経験だったという。

「(アメリカは)保育料は高いし、有給はないし、けっして女性が働きやすい環境ではない。ただ、皆さん自己マインドが確立されていて、夫のための妻、子どものための母ではなくて自分のハピネスをすごく大事にしている

一時的に育児のためのお金はかかるかもしれないし、保育園も高くて大変だけど、それは自分の経過地点であって、一生涯働く上では一時的な出費はしかたがないと割り切っているようでした。

アメリカで出会った女性たちは、日本なら自分勝手だと思われるくらいに自分にフォーカスしている。彼女たちに比べると私はずいぶん枝葉末節な部分で"自分の役割"――つまり『良い母、良い妻、良い人間であること』にこだわってしまっていたのだと気づかされましたね」

自分を責めるのではなく解決法を考える

2010年に帰国。東日本大震災では現地に入り、妊産婦と乳幼児のケアを支援する活動にも従事した。今年4月からは国立保健医療科学院生涯健康研究部主任研究官として、公共政策のなかで母子を守る施策について考えている。現在も講演活動、そして子育てと忙しい日々だ。そんな吉田さんが日ごろ心がけていることを聞いた。

131001career0204.JPG★自分のための時間を確保する

スケジュール帳を広げ、自分のための時間を先に空けておく。どんなに忙しくても「やりたいこと」を叶えるための時間を確保するようにする。

131001career0203.JPG★細切れ時間を有効活用する

ちょっとした時間もムダにしないよう、いつも頭の中では何かを考えて、気づいたこと、本を読んで気になったフレーズはメモ。移動時間にメールチェックしたり、お礼状を書くための切手を持ち歩いたりして、通勤時間も有効活用。机に向かうときにはデータ解析や資料づくりなど、座っているときにしかできないことに集中する。

★気がかりなことはリスト化

やらなければならないことがモヤモヤして実体がないと、恐れや不安のしわざでささいな気がかりが"モンスター化"する。そうならないために「ちょっと気になっていること」を書きだし、モヤモヤにエネルギーを吸い取られてしまうような状態をつくらないようにする。

★解決法で考える

「時間がうまく使えなかった」と落ち込むのではなく「どうしたら時間をうまく使えるのだろう」と考える。自分を責めるのではなく、解決することを考える。

吉田さんは「時間の長さは変えられないけれど、その密度は変えられる」と考えている。そんな「時間密度を上げる」ための考え方は、著書『「時間がない」から、なんでもできる!時間密度を上げる33の考え方』(サンマーク出版)にまとめ今年8月に出版されたところだ。

131001career0205.JPG

いろんなことを同時にすることで相乗効果が生まれる

子育ても仕事も大変だけど「自分の人生」もあきらめたくない。そんな女性に吉田さんは「自分がやりたいことがあるなら、そこに近づけるよう、飛び込んでいけばいい」とエールを送る。

自分がやりたいことをしている人、やりたいことについて知っている人がいたときにはどんどん『会いたい』とアピールするといいと思います。生で会って話せばその情報量はメールの100倍にもなると思っています。『あなたの話を聞かせてください』と言われて嫌がる人はそういませんよ」

そして最近よく耳にする「ワークライフバランス」についてはこう話してくれた。

「企業側の考え方としては必要なものかもしれませんが、女性の視点からいえばしっくりこない考え方です。そもそも仕事と家庭は対立するものではない。仕事も家庭も子育ても趣味もお互いに相乗効果があって、ストレスを相殺してくれるもの。仕事と家庭の両立は難しい、と、悪い面ばかり感じさせられがちですが、実はプラスの面も多いことにも気づいてほしいですね

(取材・文/金子えみ)

  • facebook
  • twitter
  • hatena
金子えみ
フリーライター。女性警察官→新聞記者という異色のキャリアを持つ。2007年よりライター。女性のライフスタイル、健康などをテーマに記事を執筆。カフェグローブでは、キャリア女性が美しく、しなやかに生きるコツをさまざまな角度からお伝えしていきます。刑事ドラマ好きのリアル40代。ブログ>>

    インタビュー/働くあなたに伝えたいこと

    おすすめ

    powered byCXENSE

    メールマガジンにご登録いただくと、 MASHING UPの新着記事や最新のイベント情報をお送りします。

    また、登録者限定の情報やイベントや座談会などの先行予約のチャンスも。

    MASHING UPの最新情報をご希望の方はぜひご登録ください。