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パートナーシップさえ自由。世界の「事実婚」事情

パートナーシップさえ自由。世界の「事実婚」事情

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Romantic senior couple via Shtterstock

4月の月間特集「"NO"は女性を心地よくする」。今回は「結婚」がテーマ。結婚をする自由、しない自由ーー。選択肢が増えた現代に合ったカップルの形を考えてみたいと思います。

静かに広がってきている「事実婚」

「ノン・マリッジ」つまり「事実婚」という選択がどうやら静かに広がっているようです。 2000年に入ってから、日本の婚姻率も離婚率もわずかに下がり続けています。2013年には1,000人当り53人が結婚し、18人が離婚していますが、1970年代前半は100人を超えて結婚していたことを考えると、激減といえます。※「人口動態統計」より

「事実婚」は自分たちの主体的な選択の結果

もちろん、若者人口の減少や晩婚化の影響もあるので,婚姻率の低下をもって事実婚が増えたとはいえません。ただ、その昔は「内縁」と呼ばれ、なんだかコソコソ隠れているような言い方しかなかったのが、いつの間にか「事実婚」という言葉が定着するようになりました。

片方が婚姻関係にあるから法的に結婚できないのではなく、自分たちの主体的な選択として法律婚を選ばない人たちが増えてきたからこそ、事実婚という言葉も市民権を得たのでしょう。

「事実婚」の大きなメリット

20140430_nomarriage_2.jpgCouple Walking Away via Shtterstock

では、なぜ「事実婚」が選ばれるのでしょうか。大きな原因のひとつに、日本では夫婦別姓が認められていないことが挙げられます。

現状、別姓を希望するカップルは事実婚以外に手段がありません。仕事上の通称は旧姓を用いている人も多いと思いますが、生活上は戸籍名を使わざるを得ないことが多く、不便なことが多いのは事実。なぜ片方だけがこれを甘受しなければならないなのか、合理的な理由を見いだすことは難しいのです。

世界的には夫婦別姓が認められる流れに

現在、夫婦に同姓を強制している国は国際的に珍しくなってきています。最近まではトルコやタイも別姓が認められていなかったのですが、法改正により、夫婦別姓が可能になりました。日本の現状は孤立化しているとさえいってもよいかもしれません。

「事実婚」は夫婦がそれぞれの名字を維持できる点では魅力的ですが、子どもが戸籍上婚外子と記されたり,病院等で家族とみなされず困ったりする等の問題に直面することになります。

フランスではパックス(PACS、連帯市民協約)という安定した共同生活を営むための法的枠組みがあり、結婚ではなくパックス関係を結ぶという選択肢があります。これは、性別に関係ないため同性愛者も多く利用している制度です。

結婚も離婚も当事者だけででき、裁判所の関与の少ない日本では、現行法より緩やかな法的枠組みを望む声は少ないのかもしれません。でも夫婦別姓の対策として、同姓婚へ至る道として、また結婚までは踏み切れないと考えているカップルのために、「ノン・マリッジ」を含む新しい関係性を模索する時期に来ているのではないでしょうか。

(文/三浦まり)

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三浦まり
上智大学法学部教授。東京大学社会学科研究所研究員、カリフォルニア大学バークレー校国際経済研究所客員研究員、上智大学法学部助教授を経て現職。政治とジェンダーの関連性を幅広く研究し、『壁を超える:政治と行政のジェンダー主流化』(岩波書店/共著)など著書も多数。一児の母でもある。

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