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かつて砂漠だった街に「美の殿堂」。ルーヴル・アブダビ、オープン迫る

かつて砂漠だった街に「美の殿堂」。ルーヴル・アブダビ、オープン迫る

アラビア半島と聞いてイメージするもの、それは石油。はたまたオイルマネーで潤ったアラブの大富豪でしょうか。そんな産油国の筆頭であるアラブ首長国連邦(UAE:United Arab Emirates)と芸術の国フランスが、力を合わせて一大アートプロジェクトを進めています。

アラブ初の世界的美術館、2015年12月にオープン

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フランスの建築家Jean Nouvel(ジャン・ヌーヴェル) 設計のルーヴル・アブダビ。海に浮かぶ宮殿のようなドームは、灼熱のアラブの太陽を涼やかに遮る仕様。

2015年12月、UAEの首都アブダビに開館予定のLouvre Abu Dhabi(ルーヴル・アブダビ)。2007年の政府間合意を経て、世界中の歴史と文化を俯瞰し、普遍的な知と美を広く分かち合うことのできるユニバーサルミュージアム構想はスタートしました。

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ルーヴル・アブダビ館内

アラブ世界に初めて誕生するこの世界的美術館には、"ルーヴル"という名前が30年間貸与されます。フランスの美術館運営に関する専門力と、国立美術館 (ルーヴル美術館、オルセー美術館、ポンピドゥー・センター、ヴェルサイユ宮殿、ギメ美術館、ケ・ブランラリー美術館、フランス国立図書館、ロダン美術館) に所蔵されるさまざまな作品が貸し出される予定です。

アブダビが莫大な投資をして実現した美術館建設。2012年12月に開館したLouvre Lens(ルーヴル・ランス)のような、別館としての位置づけではありません。

互いに強みを分かち合う。新しい連携のかたち

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"A Young Emir Studying" 1878 オスマン・ハムディ・ベイ©Louvre Abu Dhabi/Agence photo F

計画当初フランスでは、「新興国であるアラブのオイルマネーに、伝統と芸術を売り渡すのか」といった批判的な見方がかなり強かったといいます。しかし、美術館もみずから資金調達に奔走する時代となった今、互いに足りないものを補い、強みを交換する連携の形には、次の世代に繋がる希望を感じます

いつの時代も、政治と芸術は密接に結び合いながら形を変えてゆくもの。かつて砂漠だった街に文化芸術が根づいてゆく過程は、新しい時代の幕開けともいえるものでしょう。

パリのルーヴル美術館でコレクション展を開催中

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左から"Princesse" de Bactriane, Asie centrale, fin du IIIe, debut du IIe millenaire av. JC、Giovanni Bellini, Vierge a l'Enfant,Venise, vers 1480-1485、Yves Klein, Anthropometrie(ANT 110), Paris, 1960©Louvre Abu Dhabi/Agence photo F

現在、パリのルーヴル美術館では、開館前のルーヴル・アブダビが既に収集したコレクション150点あまりを鑑賞できる「ルーヴル・アブダビ 美術館の誕生」展が開催中です。

目玉は紀元前2300年~1700年につくられた中央アジアのバクトリア王妃の彫像。イランの黄金のブレスレットや、唐時代の中国の華麗な装飾箱には目を奪われました。絵画ではイタリアルネサンスからイスラム細密画、印象派、マグリットにピカソ、コンテンポラリーのモンドリアンにサイ・トゥオンブリー、そして日本の抽象画家、白髪一雄まで。時代、地域ともに偏りのない上質でバランスのとれたコレクションに、文化都市を目指すアブダビの意気込みを感じました

アートの島の建築めぐりに大注目

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グッゲンハイム・アブダビ完成後のサディヤット島© 2014 The Solomon R. Guggenheim Foundation (SRGF)

ルーヴル・アブダビ建設中の文化地区サディヤット島には、2017年にグッゲンハイム美術館(ニューヨーク)の別館グッゲンハイム・アブダビも、フランク・O・ゲーリーの設計で開館予定です。その他、安藤忠雄によるアブダビ海洋博物館や、ザハ・ハディド監修のアブダビ・パフォーミングアートセンターなど、名だたる建築家の作品が目白押し。大人のアートをめぐる旅、アラブの国のホットな美術館&建築めぐりに今から大注目です。

Naissance d'un musee universel : le Louvre Abu Dhabi](文/桐島京子)

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桐島京子
出版社社長秘書を経てフリーライター。'04~ワシントンDC、'06~東京、'12~パリ在住、'15〜大阪在住。ライフワークは「アートをめぐる旅」。各地の歴史・文化・芸術・建築を旅するブログ好評配信中。

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