著名なアーティストを両親にもち、ニューヨークのソーホー生まれ、ブルックリン育ち。ドラマ『Girls』で監督、脚本、主演をこなし、エミー賞やゴールデングローブ賞にもノミネートされ、その才能に今最も注目が集まっているのが、Lena Dunham(レナ・ダナム)。
「何をするのも大嫌い」。怠けものだった子ども時代
新世代の『Sex and the City』とも言われ、ブルックリンに住む20代の女子4人を中心に、キャリアや恋愛模様を赤裸々に描き、世代を超えて支持されている『Girls』ですが、そんなドラマを生み出しているレナには、一風変わった子ども時代があったようです。
9歳の頃からセラピスト(精神科医)にかかり、14歳から抗うつ剤を飲んでいたというレナ。アメリカのウェブサイト「The guardian」のインタビューでは、
「私って本当に怠けた子どもだったの。ほとんど家から出なかったわ。週末だってほとんど外出しなかったの。だって公園で遊んだり、スポーツしたり、散歩したり、とにかく何をするのも大嫌いだったんだもの。本を読んだりテレビを観るのが好きだったわ。」
「The guardian」より翻訳引用
と告白。
さらに雑誌『The New Yorker』のエッセイでは、
とその当時を振り返っています。
その後週に数回セラピーに通い、強迫神経症と診断されたという彼女。少し変わった子ども時代を過ごしたようですが、「子どもはこうあるべき」といった既成概念で押さえつけられることなく、何でも話すことができる専門家の力を借りられたのが幸いでした。ありのままの自分を受け入れ、少しずつ世界を広げていったようです。
また高校はブルックリンにあるアートに特化した高校に通い、そこで『Girls』の共演者であるJemima Kirke(ジェマイマ・カーク)と出会ったそうです。
その頃のことについては、
「気まぐれな子どもたちの家のような素晴らしい場所だったわ。 」
「The guardian」より翻訳引用
と振り返り、自身については
「風変わりで、他の子どもたちとは少し違っていたかもしれない。でも悪い子じゃなかったわ。ただ、やれと言われたことを必ずしもその通りにしなかったり、クラスメートたちと完璧につながっていたわけじゃなかったってだけ。」
「The guardian」より翻訳引用
と語っています。
個性を伸ばし成功を収める
アメリカでは、小学校の頃からアート、音楽、演劇、語学などさまざまな特色の学校があります。皆が同じである必要はなく、それぞれの子どもの良いところや興味のある分野を伸ばすという教育方針です。
どんな子どもたちでも、「ここが自分の居場所」と思える学校に通えることは何よりも優れた教育と言えるのではないでしょうか。
今や「The New York Times」で、
レナはおそらく新世代にとって、第二次世界大戦後世代のJ.D.サリンジャーや、ベビーブーム世代のウッディ・アレンのような、部外者として自分のことを語ることで、その世代を代表するような存在なのです。
「The New York Times」より翻訳引用
と評されるまでになったレナ。
「変わっている」というとネガティブに取られるも多いですが、見方をかえれば、それが「才能」となる。そんなふうに自由で個性を重んじる家庭や教育環境も、そんな彼女の感性を開花させる後押しをしたのかもしれません。
先日自身の生い立ちやボーイフレンドの関係などを赤裸々に綴ったエッセイ集『Not That Kind of Girl』を出版し、今後の活躍に益々注目したい存在です。
[The guardian, The New Yorker, The New York Times]
photo by Getty Images
(白石里美)
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