キャリアを持つ女性にとって、最も大事な決断のひとつと言える「出産のタイミング」。そんな女性たちに、会社が卵子凍結の費用を負担すると申し出たら、状況は変わるのでしょうか?
卵子凍結をサポートするAppleとFacebook
先日、AppleとFacebookが、女性社員の卵子凍結のサポートをすると発表。「NBCNews」によると2社とも最大で2万ドル(日本円で約210万円)まで負担するそうです。
一般的に出産適齢期とされる年齢は、やりがいのある仕事を任され、責任あるポジションにつくタイミングと重なることが多く、いつのまにか年月が過ぎていた......という女性も少なくありません。
また、仕事上で大事な時期に産休を取ったことで、キャリアチェンジが必要になったり、スローダウンしたと感じている女性もいるでしょう。
優秀な女性のリーダーを確保するために
FacebookのCOOである Sheryl Sandberg(シェリル・サンドバーグ)は、TED「何故女性のリーダーは少ないのか」のなかで、
女性は子どもを持つことを考えたその瞬間から、その子どものためにゆとりを確保することを考えはじめます。「その他のことと子どもを持つことを、どう両立すればいいの?」と。そしてその瞬間から、彼女たちは積極的に手を挙げて出世を望んだり、新しいプロジェクトに取りかかったり、「私にやらせて下さい」と言わなくなるのです
「TED」より
と語っています。
近年シリコンバレーでは優秀な人員を確保するために、各社が躍起になってさまざまなベネフィットを提供しているそう。シリコンバレーでもトップに君臨するAppleとFacebookが先陣をきった、卵子凍結のサポート。才能豊かな女性たちへのアピールとして、今後他社が追随する可能性も高そうです。
キャリアと出産の選択肢
何歳で子どもを産みたいのか、そもそも子どもが欲しいのか、仕事と育児をどう両立するのか。女性にとってのキャリアと育児の捉え方は千差万別です。
過去に「卵子凍結した女性の声を聞く」で紹介したように、筆者の周囲でも、卵子凍結を考え始めたり、実際に凍結した女性が増えてきました。安定した仕事につき、早朝出勤や出張など多忙なスケジュールをこなし、転職を繰り返してキャリアアップするうちに、いつのまにかアラフォーになっていた......という女性たちです。
そして、出産適齢期という言葉が気になり始めた時、生涯を共にするパートナーがみつかるまでの保険として卵子凍結を考えるようです。
すべて計画どおりに進まないのが人生ですが、選択肢は多い方がいいというのは誰もが思うところ。日本でも認識が広まってきた卵子凍結制度を利用するか否かは、当然ひとりひとりの考え方次第。ですが、 女性たちに新たな選択肢を与え得る手段である、というのは歓迎すべき事実ではないでしょうか。
イベント
おすすめ
JOIN US
MASHING UP会員になると
Mail Magazine
新着記事をお届けするほか、
会員限定のイベント割引チケットのご案内も。
Well-being Forum
DE&I、ESGの動向をキャッチアップできるオリジナル動画コンテンツ、
オンラインサロン・セミナーなど、様々な学びの場を提供します。