1. Home
  2. キャリア
  3. ハンデも逆境も関係なし。自らトップに上りつめた女性投資家たち

ハンデも逆境も関係なし。自らトップに上りつめた女性投資家たち

ハンデも逆境も関係なし。自らトップに上りつめた女性投資家たち

20141118_invest.jpg

女性も男性と平等に活躍しているイメージがあるアメリカですが、企業のトップになるとその数はまだまだ少ないと言われています。

アメリカのトップ1%の富裕層を多く輩出している金融界でもその現状は同様のようです。しかし、そんな逆境をものともせず、投資家として成功した女性たちがいます

Investopedia」で取り上げられていた、並外れた女性の投資家たちの中から3名をご紹介します。

自ら一歩を踏み出し成功を収めた女性

Garaldine Weissは金融界でその名を馳せ、女性も投資家として成功できることを証明した最初の女性のひとりです。投資に関する本を読み、両親の会話を聞き、ビジネスと金融について大学で学びました。

それにも関わらず彼女を秘書以外で雇いたいという投資会社はなかったのです。「男性社会で、女性は応募しないという世界でした」とWeissさんは振り返ります。

そのような拒絶に直面しながらも、Weissさんは1966年、40歳で投資に関するニュースレターを発行します。

Investopedia」より引用翻訳

現在よりもさらに男性支配の世界だったと思われる60年代の金融の世界で、逆境に屈することなく、ニュースレターを発行することで自らの意見を表現する手段を得たのです。どんな困難に直面しても、諦めることなく柔軟に発想することで道が開けることが分かります。

彼女の戦略は、他のニュースレターが進める戦略よりも優れた運用となり、市場が停滞する時も平均以上のリターンを出したそうです。

特に実績が数字になって現れる投資の世界、女性は秘書で良い......と思っていた男性たちも、彼女が運用する平均以上の数字を前にその手腕を認めざるを得なかったことを思うと、女性としてはうれしい限りです。

大学卒業資格を持たず、トップにのぼりつめた女性

大学を卒業することなく、新入社員としてリサーチャーとして金融界で仕事を始めたMuriel Siebertさんは、結果的には会社のパートナーにまで上りつめ、その後自身の証券会社、Muriel Siebert & Coを1967年に設立します。

彼女の会社をNew York Stock Exchangeに登録するにあたっては、男性たちから申請のスポンサーになることを断られたり、参入の為に必要な資金の提供が得られなかったりとの数々の拒絶がありました。

Siebertさんは目的を貫き、NYSEで女性が経営する会社として初めてメンバーになりました。彼女の会社は現在でも、取引所において女性が所有する唯一の証券会社です。

Investopedia」より引用翻訳

男性の中でも特に高学歴の人たちが揃う金融界で、大学を卒業することなく入社し、リサーチャーから会社を経営するまでに至るには、想像を絶する困難があったことと思います。

1975年には、自身の会社をその当時ではまだ新しい概念であった「discount brokerage」へと転換します。

Investopedia」より引用翻訳

「discount brokerage」とは、投資のアドバイスを与えない代わりに、手数料を減額して売買を行う株のブローカーのこと。当時まだ新しいアイデアであっただけに、周囲からの風当たりも強かったことが想像できます。

自分が信じることであれば、周囲の反発をもろともせず進んで行ける強さがあったからこそ、金融業界でもトップまで上り詰められたのでしょう。

中東出身の金融会社CEO

リヤドを拠点にするサウジアラビアでも最大の多国籍企業のひとつである金融会社のCEOを勤めるLubna S. Olayanさんは、40もの製造会社を統括し、フォーブス紙の「最もパワフルな女性」のリストにも名前がのっています。

Olayanさんが家族の経営するビジネスに足を踏み入れた1980年代始めは、サウジの女性がビジネス界で働くことは普通ではありませんでした。というよりも、彼女たちの制限された自由のため、現在でも働くこと自体が普通ではないのです。Olayanさんの会社でさえごくわずかの女性社員しかいません。

Investopedia」より引用翻訳

女性が働くことが一般的でないサウジアラビアにあって、例え家族が経営するビジネスであっても、トップになって男性社員たちを統率することは並大抵のことではないはずです。今後は、彼女の会社が先頭となり、サウジの多くの女性たちが働ける環境に少しずつ変化していくのかもしれません。

積み上げた知識や経験に加えて、絶対に諦めないという意思の強さがあれば、どんな逆境でも大成できるということを彼女たちは教えてくれています。

近年多くの女性たちが投資への感心を高めていることを考えると、この先金融業界で活躍する女性がますます増えていくでしょう。その過程で困難に遭遇することもあるでしょうが、先陣の女性たちのように逞しく前進していってくれることと思います。

Investopedia

Business graph with hand of woman via Shutterstock

(白石里美)

  • facebook
  • X
白石 里美
ニューヨーク在住11年。クリーンな心と体を作るライフスタイルを提案するウェルネスブランド「ANCIENTICS」をNYで立ち上げ、マンハッタンとブルックリンのカフェやストアでスーパーフードや日本の発酵食品をアレンジした商品を販売。日本企業向けのプロデュースやコンサルティングも行っている。 世界最大の栄養学校Institute for Integrative nutritionでホリスティックヘルスを学び、最新のヘルス・ウェルネス・ビューティー・ライフスタイル情報に精通。ウェブや雑誌でもコラムを執筆中。 Blog / Facebook / Instagram

    おすすめ

    powered byCXENSE

    JOIN US

    MASHING UP会員になると

    Mail Magazine

    新着記事をお届けするほか、

    会員限定のイベント割引チケットのご案内も。

    Well-being Forum

    DE&I、ESGの動向をキャッチアップできるオリジナル動画コンテンツ、

    オンラインサロン・セミナーなど、様々な学びの場を提供します。