母親としての自分に、なんとなく違和感を感じたり、家族のなかにいると、自分の存在を見失うような気持ちになったりすることがあります。
きっと、全世界の母親たちが感じているそんな暗い感情を写真で表現しているアーティストがいます。
母親がもつ「ダークサイド」
子どもの肩に手をそっとおき、優しく微笑む父親と母親、ドレスアップして笑う娘たちーー。家族写真と聞いて思い浮かべるのは、そんな温かい家族の肖像だと思います。でも、アメリカ・ニューヨークに住むスーザン・コピッチ(Susan Copich)さんの撮った家族写真は、朝の食卓の風景に、首を吊るための縄がぶらさがっています。
スーザンさんはふたりの娘をもつ、一見とても明るい母親です。しかし、彼女には「別の側面」があり、そこでは憂鬱や不安といった暗い感情を感じていたそう。
何年も、それらの感情を小さなボールのなかに押し込めてきました。今回、思い切ってそれらを探索してみることにしたのです。
「TAXI」より意訳引用
そして、彼女がいままで目を向けなかった自分の「ダークサイド」とも言える部分を表に出して撮影されたのが、「家庭の至福(Domestic Bliss)」と名付けられた、これらの家族写真です。
センセーショナルなシチュエーション
狂気、絶望、倒錯.....。一般的な家族像とはかけ離れたシチュエーションには、誰もが驚かされると思います。しかし、これらはすべてスーザンさんの「リアルな内面を映し出した」もの。
押し込めてきた感情を表に出して光に当てるということを、とても楽しんでいます。
「TAXI」より意訳引用
そう語るスーザンさんにとって、これらの作品を生み出すプロセスがまさに、カタルシスとなっているそう。撮影することを通じて、自分の「ダークサイド」を浄化できるのです。
世界中の母親の想いを代弁する作品
これらの作品は彼女の個人的な感情から生み出されたものですが、見る側にある種の共感をもたらします。果たして、母親は常に明るく、健全でなければいけないのでしょうか。誰もが母親である前にひとりの女性であり、さまざま不安や欲望を抱えています。スーザンさんのように、自分の見たくない側面と向かい合い、よりリアルな自分を模索することで、より生き生きと輝けるのかもしれません。
[TAXI](メーテル徹子)

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