男性と同じかそれ以上にキャリアを積んできた女性にとって、起業というステップアップはかなり興味深い話題。
実際、日本では女性による起業がブームとなっていますが、ハリウッドでも名立たる女優たちが続々とビジネスを立ち上げています。
火付け役はグウィネス・パルトロー
ハリウッド女優のビジネスブームの火付け役と言われているのが、グウィネス・パルトロー。2008年にライフスタイルサイト「Goop」を立ち上げ、現在ではロサンゼルスとニューヨークに従業員15人を雇うまでに成長しました。
しかしグウィネスが「Goop」を立ち上げた当初は、ビジネスにするつもりはなかったと言います。「The New York Times」によると
グウィネスがサイトを開始した目的は、彼女のレシピや旅行のお勧めなどを楽しむ親しい友人たちとの情報交換の場にすること。「商業的な事業になるとは思ってもみませんでした。」とグウィネスは言います。子供たちと自宅でより多くの時間を過ごす中で「自由でいられる場所だったのです」と付け加えます。
「The New York Times」より翻訳引用
ブログで好きなことを発信するうちにビジネスに繋がる、「ブロガー」というビジネスの形は、ハリウッドでも定着しています。
「Goop」は メディアでもその内容が話題になることが多いですが、必ずしも一致するとは限らないのが注目度とビジネス上の数字。
「Goop」は未だに「投資の段階」、ビジネス的には赤字の状況です。
「The New York Times」より翻訳引用
好きなことをビジネスにして利益を出すのはグウィネスのようなセレブでも簡単ではないようです。
女優たちが続々と起業に挑戦
一方、自分の信念をビジネスにして、成功しているのがジェシカ・アルバ。
ジェシカ・アルバが立ち上げた「The Honest Co.」は70ミリオンドル(日本円で約80億円)の出資を集め、約1ビリオンドル(約115億円)の企業価値となり、株式公開へと向かっているようにもように見受けられます。
エコフレンドリーなベビー製品を扱うこの会社は2年前に設立され、ウォールストリーロジャーナルによると、今年の歳入は150ミリオンドル(約170億円)、2013年度の3倍となっています。
「Fortune 」より翻訳引用
「The Honest Co.」の製品は筆者の周囲でも愛用している人が多く、中にはジェシカの会社と知らずに、品質と値段で選び使い続けている人もいるほど商品自体に定評があります。
ジェシカ自身、妊娠出産を経て、本当に安心して使える商品がなかったことから、自分で作ってしまったという製品は、ケミカル不使用で、値段も手頃。さらにデザインもよく、順調に利益を上げているようです。
また、今年に入ってアメリカ産のハンドクラフトの商品を紹介販売するサイト
「Preserve」を立ち上げたのがブレイク・ライブリー。ドラマ『Gossip Girl』の役柄やハイブランドの広告塔を勤めることからファッショニスタのイメージが強い彼女。
でも、このサイトで紹介されるのはカントリー色の強いアクセサリーや手作りの食品など意外なラインナップ。メディアやファンからはセレクションのセンスや値段設定などに疑問の声が上がっており、今のところあまり好評とは言えないようです。
知名度だけではビジネスは成功しない
次々と登場する女優たちのビジネスですが、やはり「Goop」がきっかけの一つとなっているようです。
「この間ドリュー・バリュモアと話したんだけど、"先頭で矢面にたってくれてありがとう"って言われたわ」、とドリューが2012年に立ち上げた化粧品のライン「Flower」のことをさしてグウィネスは語っています。
「The New York Times」より翻訳引用
良くも悪くも多くの注目を集めるハリウッド女優たち。ビジネスを始めるのに大きなアドバンテージを持っているのは確かですが、長いスパンで成長し利益を生み出せるかどうかは、そのセンスと手腕にかかっています。
それだけにジェシカのように、大きな成功を収めている会社や、常に注目を集めトレンドを発信し続けるグウィネスのサイトからは、ビジネスモデルとして学べることが沢山ありそうです。
一般社会でもハリウッドでも、今後ますます女性たちが形にとらわれず、好きなことをして働ける社会になっていくのが楽しみです。
photo by Getty Images
(白石里美)
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