スタートアップ(最小限の資金や人員で起業すること)ブームのアメリカでは、アイデア次第で投資家から多くの資金を集めて、事業が始められるとあって次々と新しいビジネスが生まれています。
女性による女性起業家への投資が増えている
そんななか、今注目を集めているのが、女性による女性起業家への投資です。「ブルームバーグビジネスウィーク」によると、
2013年にエンジェルキャピタルからの資金提供を求めた起業家のうち、女性の割合は2009年の5%から23%にアップしました。2005年には女性のエンジェル投資家は2万人に満たなかったのが、昨年までに5万8千人に増えました。
「ブルームバーグビジネスウィーク」より翻訳引用
エンジェル投資家とは、個人資産が1ミリオンドル(約1億1,500万円)以上で年収が20万ドル(約2,300万円)以上ある個人投資家のこと。スタートアップの株式などを受け取る形で融資をするのが一般的です。
近年のシリコンバレーでは、スタートアップにベンチャーキャピタルから数十億円の融資が集まることも珍しくないようですが、個人が起業して数千万円程度の資金を集める際などに、エンジェル投資家に融資を求めることが多いようです。
そして最近では、女性のエンジェル投資家も増えています。
女性の投資家グループの先駆けでもあるGolden Seedsは9年前に設立されました。マネージメントディレクターのAnn Corkranさんは、グループの300人の投資家のうち72%は女性だと言います。同グループは管理職の中に、株式の多くを所有し、決断を下す権限を持っている女性が少なくともひとりはいる会社に投資をしています。
「ブルームバーグビジネスウィーク」より翻訳引用
企業のトップとなると女性の数はまだまだ少ないと言われているアメリカですが、女性が経営を左右する力を持つ会社に、資金力を持つ女性が融資するという図式が増えてきているようです。
投資家になるための女性向けプログラムも
投資をすると言っても、ただ資金を提供するだけでなく、その事業の将来性や経営者の能力を見極める力も必要です。エンジェル投資家には、自身が引退した経営者である人も多いそうですが、弁護士や医者などのさまざまな職に就く人も少なくないとのこと。
そこで近年では、エンジェル投資家になるためのブートキャンプなども開催されています。Pipeline Fellowshipは女性のためのブートキャンプとして2011年にNatalia Oberti Nogueraさんにより設立されました。
キャンプのアイデアはNatalia Oberti さんが24人ちかくの投資家のうち女性は自身ともうひとりしかいない集まりに参加した時に生まれました。「投資家たちは"妻と彼女の友人たちはこう言っていた"、"僕の彼女はこう言っている"などと言いながら、投資すべきかどうか決めていました。そしてその時、女性たちが会議の席にいないことに気がついたのです。」
「ブルームバーグビジネスウィーク」より翻訳引用
家庭で物を購入する決断は女性がすることが多いですし、トレンドにも敏感です。そんな女性の視点は、ビジネスや投資でも役に立ちます。日本でも今後女性の投資家が増えれば、女性の起業ブームと乗じて、ますます女性が生き生きと活躍できる社会になりそうです。
handsome woman using a smartphone in a cafe via Shutterstock
(白石里美)
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