夫婦揃っての外食、コンサート、記念日のお出かけ。そういう時は、どうしたっていつもより念入りにおしゃれをするもの。鏡で確認して、よし、と振り返れば、そこには、いつものシャツ、いつものセーターの夫の姿が......。
服装に無頓着なのはデキる男の証?
落胆のため息をつく前に、この記事を読めば、見方が変わるかもしれません。
というのも、彼らが服装に無頓着なのは、「デキる男」の証かもしれないのです。
フェイスブックの創設者Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)とアメリカ合衆国大統領バラク・オバマに共通点を見出したのは、Julien Neuville(ジュリアン・ヌーヴィル)。文化・スポーツ・モードを専門とするフリージャーナリストです。
マーク・ザッカーバーグといえば、どんな場面でも、グレーのTシャツを着ている姿しか思い浮かびません。オバマ大統領も、紺かグレーのスーツ姿ばかりが思い出されます。
些細なことであれ、決断は疲労を引き起こす
2人の共通点はその「代わり映えのしない服装」と、それについて語った内容。曰く、「日常生活の些細なことに気をとられて、仕事で下す重大な決断に影響を及ぼさないよう、仕事以外で決めないといけないことはできるだけ減らすようにしている」という主旨の発言です。この2人にとっては、何を着るかということは「些細なこと」になのでしょう。
ヌーヴィル氏によれば、彼らの考えを裏付ける心理学理論を説く専門家も複数いるとのことです。例えば、フロリダ大学の社会心理学者ロイ・バウマイスターは次のように言っています。
「決断というのは疲労を引き起こすものだ。(中略)成功を収める者が、良い決断を下すことができるのは、彼らの意思によるものだが、それだけでなく、そのほかの決断、つまりストレスを軽減する習慣を身につけているからでもある」。
『ル・モンド』紙2014年11月28 22面より翻訳引用
いつも同じような服を着ることにより、それを自分だけのユニフォームとして定着させるのに成功した人もいます。イッセイ・ミヤケの黒のタートルを愛用したアップル社設立者のひとりSteve Jobs(スティーヴ・ジョブズ)や、ほぼ白のスーツ姿でしか人前に出ないアメリカの小説家Tom Wolfe(トム・ウルフ)がそれに当たるでしょう。
面白いことに、ヌーヴィル氏の観察によれば、この「ユニフォーム」が定着したあとは、メディアや人々の注意も、より一層、スピーチの中身、行動、仕事内容に向かうのです。
同じ服を着ることは、服装のような表面的な部分にとどまらず、ちゃんと中身を見てくれという意思表示にも一役買っているのかもしれません。
つまり、服装に無頓着な男性は、その分大切なことに精神力を集中させている可能性が高く、見た目ではない聞くべき何かをちゃんと内に持っている確率も高いと言えます。
そう考えれば、不思議と昨日と同じ服を着ている夫が、急に「デキる男」に見えてくるかもしれません。似合う「ユニフォーム」を決めて、専用の「ユニフォーム」を複数そろえておくのも良いと思います
[Le monde]
Happy man lying on floor surrounded by his things at home in the living room via Shutterstock
(冠ゆき)

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