attractive asian woman wearing traditional Japanese kimono via Shutterstock
日本人として何かの折には着たいけれども、何かと敷居が高いイメージがある着物。
「目が飛び出るほど高価」「着付けが自分でできない」「決まりごとがいろいろあってよくわからない」など理由は様々ですが、着物を日常身に付ける習慣がある方は少ないのではないでしょうか。
事実、矢野経済研究所が出している「呉服市場に関する調査結果2013」によると、現在の着物の市場規模は約3000億円程度、ピーク時の約5分の1だと言われています。
しかし、最近は着物を着ることが重要であって、七面倒な決まりごとは緩和されつつあるというのが着物界の一般的な認識です。
着物の師範や着物屋さんに聞いても、「着物を好きということがまず大切」ということをよく言われます。
ただ、そうは言っても、着物の一般的な決まり事を知っておくことで、安心できるのも事実です。ここでは着物の「格」について、簡単にご紹介したいと思います。
シーンに合わせたい、着物の格とは
洋服にドレスやジーンズがあって、シーンごとに使い分けるのと同じように、着物にも「格」というものがあります。
ただ、この「格」の境界線も徐々に和らぎつつあるので、必ずしも守らなければならないというものではなくなってきています。
でも、知識として知っておくのはやはり大切なことですよね。以下に代表的な「格」をご紹介していきます。
礼装:結婚式の列席など
◇洋服でのイメージは、裾の長いドレス
黒留袖
・留袖:ミセスの礼装。黒留袖と色留袖があり、黒留袖の方がより正式です。特徴として、帯から上に柄がなく、模様がすべて、縫い目をまたいで繋がっていて、一枚の絵画のようになっていることが挙げられる
・振袖:ミスの礼装。「振袖」の名の通り、袖丈が長いのが特徴
略礼装:カジュアルな結婚式やパーティなど
◇洋服でのイメージは、豪華なワンピース
左:訪問着 右:付け下げ
・訪問着:ミセス・ミス関係なく着られる略礼装。留袖との違いは、帯から上も柄があること。広げると一枚の絵画のようになる
・付け下げ:訪問着の略式版。縫い目で柄を外している
準・略礼装:略礼装~お洒落着まで帯を変えることで様々なシーンで着られる着物
◇洋服でのイメージは、単色の綺麗めワンピース
色無地
・色無地:模様がない、単色の着物
・江戸小紋:細かい模様を白抜きし単色で染めた着物
お洒落着:カジュアルなパーティ~お食事などのちょっとした外出
◇洋服でのイメージは、小紋はワンピース。紬はお洒落なパンツ
左:小紋 右:紬
・小紋:縫い目で模様が分断されている着物。多くの種類がある。
・紬:紬糸※で織られた着物。白い着物に絵を入れるこれまでの着物と違い、糸を予め染色してから、着物を作る。
※紬糸:糸が引き出せない、くず繭をつぶして真綿にし、真綿より糸を紡ぎだした糸
普段着:家やお食事などのちょっとした外出で着用
◇洋服でのイメージは、ひざ丈スカート・ジーンズ
ウール
・ウールの着物、木綿の着物、御召など
今年こそ着物に挑戦
やはりこう見ると「やはり着物は縁遠い」と思われる方もいるかもしれません。ただ、最初にお伝えしたように、この境界線はどんどん薄くなっています。
さすがに、ウールの着物(ジーンズ)で結婚式に列席ということはしませんが、小紋(ワンピース)で友人の結婚式に列席したり、紬(お洒落パンツ)でパーティに出席したりということは、よく見かけるようになりました。
洋服でも境界線が徐々になくなってきているのと、同じことなのかもしれません。
だからこそ、自分とは縁遠いものだと思わず、少しでも気になったら思い切って挑戦してみるべきです。
今年こそ着物を始めてみませんか?
撮影協力 /ひつじや呉服店
所在地:東京都大田区西蒲田7-65-5
電話番号:03-3731-3554
(鈴木くらら)

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