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セクシーにもロマンティックにも。春夏の流行「レース」の魅力

セクシーにもロマンティックにも。春夏の流行「レース」の魅力

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Cristóbal Balenciaga, robe et manteau de cocktail en dentelle noire, ceinture corselet rose, 1951 © Henry Clarke / Corbis Modèle conservéà la Cité de la dentelle et de la mode, Calais

2015年のファッショントレンドのキーワードのひとつが、ボヘミアンスタイル。さらに春夏コレクションで見られたアイテムが、"レース"です。

特に、白いレースのワンピースで、ロマンティックな側面を強調して見せたのが「クロエ」や「ヴァレンティノ」、「ルイ・ヴィトン」。

そうかと思えば、黒のレースを用いることで、「ドルチェ&ガッバーナ」や「マイケル・コース」は透明なセクシーさも前面に出しました。

涼しげで清楚でもあり、妖艶でセクシーな装いにも合うレース。けれども、どこか高貴なイメージが浮かぶのはなぜでしょう。

レースの始まり

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Cristóbal Balenciaga, blouse et jupe de tailleur, 1965/ Photo de dépôt de modèle avec échantillon© Archives Balenciaga, ParisModèle conservéà la Cité de la dentelle et de la mode, Calais

レースは、もともとは、ルネッサンス期にイタリアとフランドル(現在のベルギーとオランダ、フランス北部にまたがる地域)で生まれたものです。

その後、16-17世紀にはヨーロッパ中に広がりました。手仕事で作る稀少なものであったため、当時は限られた階層の装いにのみ使われていました。その後、19世紀には製造が機械化され、第二次世界大戦後、オートクチュールの世界で人気を呼ぶようになりました。

モード界きってのレースの使い手

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Cristóbal Balenciaga, robe de cocktail en dentelle peinte et brodé, 1953 © Henry Clarke / Corbis Modèle conservéà la Cité de la dentelle et de la mode, Calais

そんな背景があったレースの魅力を知ることができるイベントが、今春4月18日(土)から8月31日(月)までフランス・カレで開催中です。このバレンシアガのレースに焦点を絞った展覧会では、これ以上はないと思われるベル・エポックの優美なドレスが並んでいます。

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今年生誕120年となるスペイン人デザイナーChristóbal Balenciaga(クリストバル・バレンシアガ)が、レースの魔術師として活躍したのは、前述したオートクチュール黄金期でした。クリストバル・バレンシアガは言わずと知れた、"30代からの大人のブランド"として一目置かれる「バレンシアガ」の基礎を築いたデザイナーです。

20150427_cristobal_1.jpgクリストバル・バレンシアガ。パリの店にてCristóbal Balenciaga dans sa maison de couture, Paris, 1959© Gyenes / Fond Gyenes / Biblioteca Nacionalde España

彼は、子ども時代を過ごしたスペインでは、ゴヤやベラスケスの絵に親しんでいたそうで、どうりでレース使いに卓抜したセンスが感じられるはずです。

また"クチュール界の建築家"とも呼ばれたバレンシアガのドレスラインは、バロック期のスペイン画家スルバランの絵画を思い起こさせます。スルバランの絵画の特徴のひとつに、彫刻のような質感のドレスがありますが、それをそのままに布で再現したようなドレスには、一世を風靡した贅沢さが見えるように思えてなりません。

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Cristóbal Balenciaga, robe de grand soir en dentelle de Dognin, 1951 Griffe BALENCIAGA (Paris)© Henry Clarke / CorbisModèle conservéà la Cité de la dentelle et de la mode, Calais(ゴヤの絵を思わせるドレス)

実際、顧客には、スペイン王妃、ベルギー王妃、モナコ大公妃、ウィンザー公爵夫人らがいたそうです

上品さを失わない素材

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左:Cristóbal Balenciaga, boléro du soir brodé par Lesage, 1959© Manuel Outumuro Modèle conservéà la Fundación Cristóbal Balenciaga Fundazioa, Getaria, Espagneビスマルク侯爵夫人所蔵だった作品。同じものをモナコのグレース妃も持っていました。

右:Cristóbal Balenciaga, robe du soir à taille basculée et étole-écharpe en shantung et dentelle, 1958© Manuel Outumuro Modèle conservé à la Fundación Cristóbal Balenciaga Fundazioa, Getaria, Espagne自由自在なレース使いと、スルバランの絵のようなスカートの美しいふくらみに最もバレンシアガらしさが見えるドレス。

そんなレースの背景を知るにつれ、レースをあしらったファッションが、なぜどんな装いにもエレガントなニュアンスを添えるのか、分かるような気がしてきました。ロマンチックでファンシーな路線であれ、妖艶なセクシー路線であれ、レースを加えることで、どこか上品さを秘めた仕上がりになると思います。

コットンレースが流行アイテムのひとつの春夏。見ているだけでうっとりしてしまう貴重なレースアイテムを参考に、お気に入りのアイテムを見つけたいと思います。

La Cité internationale de la Dentelle et de la Mode de Calais, Au feminin mode, 20 minutes, La parisienne

(冠ゆき)

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冠ゆき
山田流箏曲名取。1994年より渡仏。大学院での研究の傍ら、国立大学や専門学校で日本語日本文化講師を勤める。2000年より、ポーランド五年、イタリア三年半、中国四年半の生活を経た後、2013年夏フランスに戻る。旅好きでもあり、今までに訪れた国は約40カ国。六ヶ国語を解する。多様な文化に身をおいてきた経験を生かして、柔軟かつ相対的視点から、フランスのあれこれを切り取り日本に紹介中。

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