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GWは、感情が揺さぶられる珠玉の3冊を読みたい

GWは、感情が揺さぶられる珠玉の3冊を読みたい

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ゴールデンウィークの真っ只中。のんびり時間があるときは、仕事のことを忘れ、日常から離れて過ごしたくなります。そんなときは読書が有効。

数ある本の中でも昔の日本に浸る珠玉の随筆を読むのも良いかもしれません。若かりし頃に読んだことがあり、随筆を今更、なんて思うかもしれませんが、大人になった今だからこそ、彼らの一言一言に頷いてみたり、反論してみたり。感情が揺さぶられるのは、いろんな経験やたくさんのモノを見てきたからこそ。

今回は昔の日本を感じられ、現代に生きるヒントを見つけられる随筆、3冊を紹介します。

美意識が研ぎすまされる『陰翳礼讃

昭和8年から戦後の23年に書かれた、谷崎潤一郎の随筆。西洋化していく日本を憂うように、谷崎は「日本の美は陰翳の中にあるのだ」と語っています。もし日本が西洋の科学を受け入れることなく、日本独自の発達をしていたのであれば、機械や薬品、工芸品に至るまでどんなものになっていたのか、想像もつきません。

『陰翳礼讃』が書かれてから80年以上もたった今、西洋よりもこうこうと光る蛍光灯に照らされた日本の街を歩いていると、日本人が持っていた美に対する特有の感覚がなくなってしまい、日本らしさを忘れてしまったのではないかとさえ思えてきます。

女性の生き方も大きく変わりました。彼の祖母の時代「堅儀な家の女房と云うものは殆ど一年中日の目も見ないような薄暗い部屋の奥にいて、めったに外へ出ることはなかった」というくだりを読むと、こんなに自由に出歩けるようになった今だからこそ、女性の私たちにできることは何かと思わずにはいられません。

理想の社会に思いを馳せる『人生論・愛について

理想主義的・空想社会主義的と言われた、武者小路実篤。若い時に読んでおくべきだと言われた本の一冊ですが、今読むとさらに人生って何だろう?と考えさせられます。

「新しき村」について語られ、現在その村がどうなったかを鑑みると、理想と現実のギャップに落胆しそうになります。ただ、日本は高度経済成長を経験し、人々が利己的になってしまったのは仕方がないこと。

とはいえ、いろんな歪みが出てきた今だからこそ、彼が唱える『人生論』をもう一度読んで、社会に自分に何ができるのだろう、と思いめぐらせるいい機会になるかもしれません。

幸せな瞬間を愛おしく感じる『林芙美子随筆集

「花のいのちは短くて苦しきことのみ多かりき」の句で知られる林芙美子。自伝的小説の『放浪記』は、第一次世界大戦後の暗い東京で、飢えと絶望に苦しみながらも、したたかに生きつつあっけらかんとした姿が共感を呼び、森光子さん主演で舞台作品でも有名です。

その彼女が「随筆をかいている時は、私の一番愉しいことを現わしている時間です。古里へ戻ったような気持ちです」と言っています。昭和10年ごろの人々や風景が描写されていて、思わずほっこりとしてしまう随筆。

壮絶な人生を送った彼女が、手にした幸せ。『放浪記』を読んでいると、小さいことにこそ幸せが溢れているのではないかと思わずにはいられません。

彼らが生きた昔の日本を感じながら、これからの日本をどのようにするべきか。時間のあるゴールデンウィークにこそこれらの随筆を読んでじっくり考えてみたいものです。

Woman having breakfast via Shutterstock

(福永博子)

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福永博子
フリーランスでライターや、イベント・テレビのプロデュースを行う。ファッションとアートと観劇をこよなく愛し、世界中を飛び回りながら日々起こっていることを徒然に考える毎日。

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