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プラダのアート施設で映画のワンシーンのようなティータイムを過ごす

プラダのアート施設で映画のワンシーンのようなティータイムを過ごす

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Courtesy of Fondazione Prada

デザインの中心地であるミラノに、先日オープンした「Fondazione Prada(フォンダツィオーネ・プラダ)」。名前からわかるように、現代アートを振興する「プラダ」関連の団体です。過去20年にわたり、各地でいろいろな展示やイベントを行ってきましたが、この度南ミラノに展示施設ができました

ウェス・アンダーソン監督が手掛けたカフェ

そこにあるカフェが「バー・ルチェ」。

バーといっても、お酒だけではなくお茶や軽食も楽しめる社交場です。このバーが注目を浴びているのは、デザインを手がけたのが、アカデミー賞ノミネートのあるウェス・アンダーソン監督だから。最新作は、今年2月のアカデミー賞で美術部門賞を総なめした『グランド・ブダペスト・ホテル』です。

監督はこのバーについてこう語っています。

ここはすばらしい映画のセットにもなると思うけど、映画の脚本を書くのにはもっと適していると思うよ。自分が実際に、午後の時間を過ごしたいと思う場所にしたかったんだ。

「Fondazione Prada press sheet」より翻訳引用

50〜60年代のイタリア映画の雰囲気

アンダーソン監督は、2013年にプラダとコラボして『Castello Cavalcanti』という短編映画を作っています。その際にイタリアの古い映画を意識したそうです。

バー・ルチェのデザインにも、ミラノを舞台にしたイタリア映画にヒントを得たそうです。特に戦後のイタリアに起こったネオレアリズモの名監督、ヴィットリオ・デ・シーカの『ミラノの奇蹟』(1951年)と、ミラノ出身の巨匠、ルキノ・ヴィスコンティが監督した『若者のすべて』(1960年)から影響を受けています。

ミラノの名所、ガレリアからもヒント

20150601_barluce_2.jpgCourtesy of Fondazione Prada

バーの天井のデザインは、蒸留所だったこのビルのデザインをそのまま残しました。

ミラノの有名アーケード、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリアのガラス天井を模倣したものです。そして、壁の上半分はガッレリア内のデザインを意識してデザインされました。

レトロなデザインの家具に、ミントグリーン、薄紫、落ち着いたターコイズという色使いもとても個性豊かで気に入りました。

映画のワンシーンにいるかのような気分

アンダーソン監督の作品は、アンサンブル・キャストによる寓話のような物語、そしてモダンとレトロが入り混じった、細部まで凝った美術や衣装で有名です。バー・ルチェの空間では、彼の映画に登場するちょっと変わったキャラクターの気分になれそうです。

クリエイティブな時間を過ごすもよし、カクテルを飲みながら映画談義に花を咲かせるもよし、映画のワンシーンのような優雅なティータイムを過ごすもよし。

想像しただけでも楽しそう。ミラノでぜひ訪ねたい場所が、ひとつ増えました。

Paper, Fondazione Prada

(ぬえよしこ)

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ぬえよしこ
通算21年のアメリカ生活=テキサス居住歴の東京テキサス人。立教大学英米文学科卒、北テキサス大学院映画専攻修了。映画・航空・教育業界で、ずっと日本語と英語を使っています。ほどほどに都会、ほどほどに田舎、なんでもでっかいダラスで、好きなことや興味のあることを書いています。

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