Zara store image via Shutterstock
ニューヨークでもファンが多いスペイン生まれのファストファッションブランドZARA (ザラ)。いち早くトレンドを取り入れたデザインと、手頃な価格で人気を博し、世界88ヵ国に6600店舗以上を展開しています。
そんなザラの創業者であるアマンシオ・オルテガ氏が、あのウォーレン・バフェット氏を抜き、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏に次ぐ世界第2位の富豪となったそうです。その資産額は70.2ビリオンドル。数千円から数万円と価格帯であるアパレル業で、ここまでの資産額を築き上げたとは驚異的です。
1975年に自宅のリビングルームで元奥さんと共に下着とバスローブを作成することでビジネスをスタートし、一代で財を築き上げたオルテガ氏。その成功の秘訣が気になります。
スペイン国内の工場でトレンドをいち早く商品化
オルテガ氏はユニークなビジネスモデルで成功しました。他のブランドがコスト削減の為に工場を中国に移すなか、ザラは工場を同社のベースであるスペインのLa Coruñaの近くに残したのです。これによりトレンドをいち早く取り入れてすぐに店に並べることができました。消費者はザラにいけばいつでもトレンドを取り入れた新しいアイテムを手に入れることができたのです。これは今日でも変わりません。同社では週に2回新しいアイテムを入荷することは有名です。
「Quartz」より引用翻訳
確かにザラは商品の回転が早く、行くたびに商品が入れ替わっています。このため気に入ったアイテムがあればその場ですぐ買う! という消費者が多いようです。一方他のブランドではシーズンを通して同じ商品が並ぶため、セールを待って購入する人も多いのではないでしょうか。
またザラはその店舗の立地に関して並々ならぬこだわりがあるようです。
高級ブランド店のできるだけ近くに出店
「高級な通りはブランドの価値によって分かれているものです。」とファッションブランドのコンサルタントは言います。「プラダはグッチの隣に店を構えがり、グッチはプラダの隣に構えたい。高級ブランドの店舗戦略は高級店通しでかたまり、ザラなどからは遠く離れることなのです。一方ザラの戦略はこれら高級店のできるだけ近くに店を構えることです。」
「The New York Times」より翻訳引用
ニューヨークでもザラは5番街やソーホーなどの一等地に路面店を展開しています。
ケイト王妃もザラを愛用しているそうですが、ニューヨークでも本当にお洒落な人はシャネルやエルメスなどのハイファッションと、ザラなどのファストファッションを上手く組み合わせると言われます。
自宅リビングでビジネスを立ち上げて40年。ビル・ゲイツ氏のように世界を変えたテクノロジーや、ウォーレン・バフェット氏のように天文学的な投資のリターンがあったわけではなく、手頃な価格の洋服を販売することで世界第2位の長者となったオルテガ氏。ビジネスは戦略次第でどんな分野でも大きな成功を収めることが出来ると証明しています。
photo by Getty images
(白石里美)
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