アレキサンダー・マックイーンの2010年春夏コレクション。深海をイメージした作品群のなかで突出した話題を集めたのが「アルマジロブーツ」でした。先日、この印象的なコレクションピースがネパール震災復興のために開催されるクリスティーズのオークションに出品されることが発表されました。
40歳という若さで去った天才
photo by Getty images
マックイーンといえば、スカル柄のスカーフでその名を耳にした人も多いはず。そもそもスカル柄の元祖といえば彼でしょう。死をもモチーフにする、退廃的でアバンギャルドでありながらもシックな彼のデザインは年齢を問わず多くのファンがいます。
著名人にも愛用者が多く、サラ・ジェシカ・パーカーもそのひとり。同じく英国出身のモデル、ケイト・モスとは、彼女が薬物スキャンダルの渦中にいた際も擁護し、深い友情で結ばれていたようです。2010年に40歳という若さで、最愛の母の後を追うようにこの世を去った彼は、ファッション界に大きな足跡を残した天才デザイナーです。
マニア垂涎、伝説のブーツ
英国ファッションハウスはインスタグラムで新しいヴァージョンのアイコニックなアルマジロブーツが3点、ユニセフのネパール震災支援活動を支援するために製作されたと発表しました。
「fashionista」より翻訳引用
ところで今回出品されるこのブーツ、ヒールの高さが尋常でなく、靴という概念を超えた、まさに動物のアルマジロを思わせるユニークなフォルム。当時人気絶頂であったレディ・ガガが彼女の楽曲『バッド・ロマンス』のプロモーションビデオで着用したことでも話題になりました。
この靴は量産されず、現存するのは21組のオリジナルモデルのみです。いうまでもなくこれは貴重な機会です。
「fashionista」より翻訳引用
これを着用しランウェイを涼しげな顔で歩くモデル達には拍手喝采を贈りたい程、実用とはかけ離れたブーツ。しかし、靴マニアなら喉から手が出るほど欲しい作品であることは間違いないはずです。
没後も衰えぬ影響力に期待
イタリアで木とパイソンの皮を材料に手作業で作られたこのブーツは、クリスティーズのハンドバッグ&アクセサリー部門オークションにて出品され、東部時間火曜日正午から7月23日木曜日に終了予定です。
「fashionista」より翻訳引用
その希少性、またマックイーンという早逝の天才の残した作品ということでプレミア感は抜群です。残念ながら販売はされなかったものの、発表当時から破格の値段が予想されていたこのブーツ。現物を手にすることは難しくても、一体いくらの値がつくのかは興味深いところです。
マックイーンは、死の翌年にメトロポリタン美術館で開催された回顧展でも58万人を超す来場人数を記録するなど、死後なお脚光を浴び続けています。今回のオークションでもその影響力を存分に示し、ネパール復興の大きな支援となってくれることが期待されます。
(神田朝子)

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