お味噌汁、うどん、だし巻きたまご......。これらの和食には欠かせない「出汁」ですが、自宅で和食を作るときに昆布や鰹節からじっくりと取る人は少ないのではないでしょうか。市販されている「出汁」風味のものを使ってもおいしい料理ができますが、自分でとった出汁で作る料理は格別の味がします。
うまみたっぷりの「出汁」を手軽にとる方法を「FOODIE」から紹介します。
出汁と出汁風調味料の違い
「出汁がきいている」とは、どういうことなのかというと......。
「効いている」とは、味が濃いというわけではありません。「うまく素材の味を引き出すのが良い出汁」と小林さんが言うように、主張するわけでなく、お味噌汁のおいしさ、風味がぐっとアップしているのです。
「FOODIE」より引用
昆布と鰹(かつお)からとった出汁で作ったお味噌汁は、出汁風の調味料を使ったものとは違い、お味噌汁のなかで合わさっている具材の味と調和して、お互いを引き立てるんですね。
昆布出汁の「煮出し」と「水出し」
昆布出汁には、2通りのとり方があるそうです。
<昆布出汁の取り方>
- 煮出し......60℃〜80℃の温度で20〜30分ほど煮だす。
- 「あまり強く煮だすと磯臭さが強くなり、ぬめりが出るので、温度を上げすぎず最終的に味をみながら煮出すのがコツです」
- 水出し......一晩(約10〜15時間)ほど浸けておく。
- 「夕食の後、ボールに水をはって昆布を入れておくと、翌朝にはおいしい出汁ができています。冷蔵することですっきりとした、雑味の少ない出汁になります」
- ※水(軟水) 1Lに対して昆布10gが目安です。
「FOODIE」より引用
鰹出汁には「荒節」と「本枯節」がある
<鰹出汁の取り方>
- お湯を火にかけ沸騰させたら、火を止めて薄削りの鰹節を入れ1〜2分おく。つづいて、ざるにシートやキッチンペーパーなどをしいて漉す。
- 「長く浸しすぎると、出汁が濁り、雑味もでます。さっと1分から2分くらいがベストです」
- ※水(軟水) 1Lに対して鰹節20gが目安です。
「FOODIE」より引用
鰹出汁には荒節と本枯節(ほんかれぶし)の2種類があるそうです。燻製にしてから1か月くらいした荒節は、水分量が多めで渋みやコクがあります。そんなパンチのきいた味は、うどんなどの麺類にぴったりです。
荒節にカビづけをしたものは、「本枯節(ほんかれぶし)」と言います。こちらは水分量が少なく、凝縮されたうまみからは雑味のないクリアな味になり、お吸い物や素材の味が強い料理にはおすすめだそう。どちらも料理や好みによって使い分けます。
昆布と鰹を組み合わせる一番出汁
昆布出汁、鰹出汁を単体で使うよりも、ふたつを組み合わせた「一番出汁」を使うとうまみの相乗効果が生まれるそうです。昆布には植物性のグルタミン酸、鰹節には動物性のイノシン酸が豊富。ふたつが合わさることでうまみは、7倍から8倍にも感じられるそう。
一番出汁の取り方は、昆布出汁と鰹出汁の取り方をプラスするだけ。つまり、昆布で取った出汁を、一度沸騰させ、火をとめてから削り節を入れ1〜2分おき、ザルにセットしたシートなどで漉せばOK。
「FOODIE」より引用
これからの寒い時期は、おでんやお雑煮など出汁の活躍する料理がおいしい季節。お味噌汁はもちろん、時間があるときは、いつもよりちょっと時間をかけて、出汁のきいた料理を楽しみたいと思います。
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=シェフズセレクション/神宗グロッサリーで取扱いがあります。
[FOODIE]
top image, miso soup, japanese soup stock via Shutterstock
文/高山江梨
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