心がこり固まってしまった、そんなふうに感じることはありますか。
淡々と日常生活をこなしてはいるけれど、ふと「何かが足りない」と感じたことが一度でもあるなら、ぜひ名作の美しい一節を思い出してみてください。
言葉を反芻すれば、背筋がのび、心の豊かさがよみがえるような気がします。
真の美しさは目に見えない
本当に美しいものは見たり触ったりできません。それは心で感じるものなのです。
ーアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ『星の王子様』
「Thought Catalog」より翻訳引用
不朽の名作『星の王子様』の一節です。若いときも心に刺さるものがありましたが、大人になって改めて読むとその深さに再び心が動かされます。
それは、失いつつある若さに対しての慰めではなく、心で感じる美しさを今の自分は持ち合わせているか、という焦りでもあります。
目に見える美しさは永遠ではないけれど、この名作のように衰えることない「人としての美しさ」をこれからも探し求め続けたいと強く思える一節です。
夢見る心を忘れない
ときには、朝食前にありえないことを6つも信じようとしていました。
ールイス・キャロル『不思議の国のアリス』
「Thought Catalog」より翻訳引用
作者であるルイス・キャロルが、イギリスの名門、オックスフォード大学にチャールズ・ドジソンの本名で数学者として勤める傍ら発表したのが『不思議の国のアリス』。
主人公の身体が大きくなったり小さくなったり、トランプに襲われたり、終わらないお茶会が開かれていたり。個性的なキャラクターと突飛なストーリー展開で、ページをめくるたびにワクワクした子ども時代を思い出します。
アリスのセリフのように、あり得ないことだっていつか現実になるかも、といつまでも夢見る気持ちを持ち続けたいもの。
何事も否定から入るようなつまらない人にならず、小さく固まらず、大きなことに思いを馳せて「ワンダー」な大人でいられたら素敵です。
忘れたいことも人生の教訓
頭に入れたことは永遠、って覚えておいて、と彼は言った。君はそれについて考えたくなるはず。でも忘れちゃうでしょ、違う?
そう、覚えておきたいことは忘れちゃって、忘れたいことは覚えているものだよ。
ーコーマック・マッカーシー『ザ・ロード』
「Thought Catalog」より翻訳引用
2006年にピューリッツァー賞を受賞した『ザ・ロード』からの一節です。さすがに嬉しかったことも多少覚えていますが、同時に嫌な体験も長く覚えていて、ときどき思い出しては嫌な気分になることもあります。
「やってしまった!」というような瞬間は、意外と冷静に頭で次の展開を考えたりするので、いつまでも記憶に残ってしまうように思います。そんな「忘れたいこと」も人生の教訓として自分に必要なことであった、なんて思える人になりたいものです。
現実を一瞬忘れて、美しいものに身を投じる
私たちはみんな、どん底の生活をしている。でも何人かは星を見上げている。
ーオスカー・ワイルド『ウィンダミア婦人の扇』
「Thought Catalog」より翻訳引用
『ドリアン・グレイの肖像』でも有名なオスカー・ワイルドの戯曲からの一節です。ロンドンの社交界を舞台にした作品ですが、複雑に絡み合った人間模様は、現代社会にも通じるものがあります。
息が詰まったときには視点を変えて、美しいものを眺めて現実を忘れる瞬間を持つ。そんなことも、この世界を生き抜くためには必要です。
現実とは別世界の話だからこそ、イマジネーションをひろげてくれる名作の一節。固定概念に縛られたり、もっと単刀直入に言えば「融通の利かない大人」になってしまった気がしたとき。
手帳や携帯にメモしたお気に入りの一節を読んで、心の豊かさを取りもどせたらと思います。
image via Shutterstock

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