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#2 永住権のために結婚する女たち【NYで生きていく】

#2 永住権のために結婚する女たち【NYで生きていく】

どうしてもNYで暮らしたい。

そう決意した時に最大の難関になるのが「ビザ」の取得です。

勉強するためなら学生ビザが出る学校に通うことで解決するのですが、働くとなると事情は複雑になります。

ビザの種類は最重要問題

まず考えられるのは、アメリカの大学や大学院を出て、1年間のOPTと呼ばれるトレーニングビザを得る方法や、インターンとしてのビザを取得する方法。そして、H1ビザと呼ばれる就労ビザを会社からサポートしてもらう方法。日系の企業から駐在員として派遣される方法(この場合ビザは職種等に応じて異なります)。アーティストビザを取得する方法などが考えられます。

アメリカで暮らす外国人にとって、どのビザを所有するかは最重要問題です

企業からビザサポートを受けている場合は容易に転職できませんし、いつビザの更新を打ち切られるかわかりません。また、アメリカで大学院まで出たものの、1年間のOPT ・トレーニングビザが切れた後の就職が決まらず、やむなく帰国する人も少なくないのです。

結婚は永住への最短コース

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高校からアメリカに留学していたある20代の日本人の女性は、大学院を卒業してトレーニングビザで日系企業に1年勤めたのですが、その後、ビザのサポートが出ませんでした。どうしてもNYに残りたかった彼女は、ゲイの友人に頼んで、彼と結婚して永住権を取ろうとしたのですが、土壇場で肝心の友人が怖気づき、泣く泣く日本に帰国しました。

ビザで滞在する外国人にとって、そうまでして手に入れたいのがグリーンカード、永住権なのです。グリーンカードは、一定のビザを経て申請することも可能ですが、会社からのサポートが必要になり、取得まで何年もかかります。そのため、ビザで滞在する女性にとって、ビザが切れるまでにアメリカで結婚することは、永住への最短コースです。私の周囲でも、ビザが切れるタイミングで結婚した女性は数え切れません。

永住権のための結婚

30歳目前にNYに留学、34歳でNYUを卒業した日本人の女性は、OPTで広告会社に就職したのですが、1年後、ビザをサポートしてくれる会社がみつかりませんでした。日本に戻らざるを得ない、というタイミングで、当時付き合っていた8歳年下のボーイフレンドに思いがけずプロポーズされて、結婚を決めたそうです。ビザのことがなければ彼とは結婚していなかった」と彼女は言いますが、今では3人の子どもに恵まれています。ちなみにその彼は、20代前半で北欧からニューヨークに渡り、10歳以上も年上のアメリカ人女性と結婚してグリーンカードを取得。数年後に離婚したのだとか。

また、32歳のときに日本で離婚して、NYに留学したある女性は、渡米後すぐにバーで知り合ったアメリカ人男性と付き合い始めました。彼女は短大を卒業してOPTが切れるタイミングでその彼と結婚できると思っていたのですが、卒業間近に彼が既婚者だったことが発覚したのです。ビザのサポートも出ず、帰国するしかない状況だったときに、 友人であったアメリカ人男性が助けを申し出てくれて結婚しました。

コロンビア大学で美術史を学んでいた20代後半のアジア人女性は、卒業後すぐに20歳も年上で建築家のアメリカ人男性と結婚したのですが、結婚から数か月で、彼の病的に細かい性格に嫌気がさし、離婚を決意しました。しかし、彼女はグリーンカードが正式に承認される2年間、結婚生活を続けたのです。そして、カードが届いた数日後、彼の出張中に荷物をまとめて家を出て、弁護士を通じて離婚を申し立てました。

結婚以外の選択肢

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一方で、男性にグリーンカード目当てだと思われるのが耐えられず、自ら現状を変える女性もいます。

30歳で語学のブラッシュアップのためにNYに来たヨーロピアンの女性は、アメリカ人男性に、グリーンカード目当てで付き合っていると思われるのが嫌だ、とよく言っていました。

あるときは、付き合い始めたばかりの男性から「君がピルを飲むか、僕がコンドームを2枚つけるか、どうやって確実に避妊していくべきか?」と相談され、「計画的に妊娠して結婚を迫るとでも思ってるの!?」と憤慨して大げんかになり、結局別れてしまった、ということもあったのです。

そんな状態が嫌になった彼女は、色々と調べた結果 、博士号を取ると大学からグリーンカードのサポートが受けられると知り、コロンビア大学で博士号を取ろうと決意したのです。そして語学のブラッシュアップから一転、猛勉強して入学が許可されました。

NYは磁力が強く、この街に恋すると「何としてもここに住みたい!」と思う気持ち、私にもわかります 。セントラルパークの木々の隙間からみえるプラザホテルや、チェルシーから見上げるハイライン。この街がくれるエネルギーと引き換えならばどんなことでもする......と思わせる魅力がNYにはあるのです。

birch via Shutterstock, other photo by 白石里美

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白石 里美
ニューヨーク在住11年。クリーンな心と体を作るライフスタイルを提案するウェルネスブランド「ANCIENTICS」をNYで立ち上げ、マンハッタンとブルックリンのカフェやストアでスーパーフードや日本の発酵食品をアレンジした商品を販売。日本企業向けのプロデュースやコンサルティングも行っている。 世界最大の栄養学校Institute for Integrative nutritionでホリスティックヘルスを学び、最新のヘルス・ウェルネス・ビューティー・ライフスタイル情報に精通。ウェブや雑誌でもコラムを執筆中。 Blog / Facebook / Instagram

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