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#9 老後資金は自分で準備するのが当然【NYで生きていく】

#9 老後資金は自分で準備するのが当然【NYで生きていく】

「ボックスでも何でもいいから買いなさい」

化粧品会社で役員をしている50代後半のアメリカ人の知人が、30歳半ばでマンハッタンに初めて小さなワンルームのアパートを購入したのは、会計士から言われたこんな言葉がきっかけだったそうです。

彼女は、その後、数回の買い換えを経て、現在はセントラルパーク近くの豪奢なワンベットルームにひとりで暮らしています。

家は「借りる」より「買う」ほうが得

ニューヨークで一番大変な買い物と言われるのが、「スターターアパートメント」。人生で最初に購入するアパートのことです。

購入金額の20%の頭金と諸経費を貯めて、収入に応じたローン可能額と相談しながら、予算内でできるだけ希望に沿う物件を探すのですが、現実は厳しく、希望通りの物件は予算オーバーが当たり前。たとえオファーを出しても、ほかのバイヤーに持っていかれることも多いのです。

それでも、何とかして買いたい......と思う背景には、NYの不動産が右肩上がりのマーケットであり、家賃は毎年上がる一方という事情もあります。その点、ローンを組んで購入すれば、月々の返済額は数10年間一定です。また、ローンの金利の支払いは、税金控除の対象になるため、節税対策としても有効なのです。1度購入したら、生活の変化に応じて買い換えていくのが一般的です。

物価が年々上がってゆくNY

アメリカはインフレ社会ですので、基本的に毎年物価が上昇します。たとえば、2006年に私がNYに移り住んだときに76ドルだった地下鉄の1ヶ月乗り放題カードの価格は、2016年現在で116ドルになっています。

特に、現在のような低金利では、銀行に預けているだけでは、当然資産は目減りします。加えて、アメリカではソーシャルセキュリティと呼ばれる、日本の年金のような制度があるものの、配給は微々たるものです。このため、アメリカ人にとって老後の資金は「自身で運用して蓄えるべきもの」という意識なのです。

アメリカでは、401k(確定拠出年金)やIRA(個人退職口座)といった個人年金制度を利用するのが一般的で、こちらも税金控除の対象にもなります。これらは、債権や株で運用される訳ですが、ふつうは年齢が若いほどリスクを取りやすいため、リターンの多い株式の割合が高くなり、定年の時期が近づくほど、債権を増やしたコンサバティブなポートフォリオにしていきます。

人気はリスク分散型のインデックスファンド

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アメリカで、資産運用として特に人気が高いのが、インデックスファンドです。こちらは米国のS&Pや日本の東証株価などの指数と連動し、同じ値動きを目指し運用されているものです。ファンドマネージャーを使用せず、指標と同じ銘柄を構成比率に応じて購入するためコストが低く済むことから、近年ファンドマネージャーを使用するアクティブファンドよりも、高いリターンを上げることができると人気の運用方法です。

今世紀もっとも偉大な投資家と言われるウォーレン・バフェット氏も、2014年に自身の運用会社の株主に向けた手紙で、「10%は短期国債に、そして90%はコストの低いS&P500のインデックスファンドで運用すれば、ほとんどの投資家は成功する」と記しています。

このインデックスファンドを毎月一定額購入することで、リスクを分散できますし、長期保有することで経済全体の成長に投資することができます。

実は私自身、日本に住んでいたころは、なんとなく不安を抱えながらも、どうにかなるだろう......とお金のことを曖昧にしてきました。その後、NYで周囲の人が淡々と将来に備える姿を見ているうちに、「不安から目をそらさず現状をきちんと把握して、できる限り備えよう」と思いはじめました。

残念ながら日本でも、貯金と年金に頼れる時代は過去のもの。さまざまな資産運用を取り入れる人が増えています。

日本からでも世界中のインデックスファンドを購入することができますので、手数料を見比べながら、資産運用のひとつとして検討するのもいいかもしれませんね。

image via Shutterstock

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白石 里美
ニューヨーク在住11年。クリーンな心と体を作るライフスタイルを提案するウェルネスブランド「ANCIENTICS」をNYで立ち上げ、マンハッタンとブルックリンのカフェやストアでスーパーフードや日本の発酵食品をアレンジした商品を販売。日本企業向けのプロデュースやコンサルティングも行っている。 世界最大の栄養学校Institute for Integrative nutritionでホリスティックヘルスを学び、最新のヘルス・ウェルネス・ビューティー・ライフスタイル情報に精通。ウェブや雑誌でもコラムを執筆中。 Blog / Facebook / Instagram

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