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ダイエットのリバウンドの悪循環を断ち切る。医学が教える脳と体の関係

ダイエットのリバウンドの悪循環を断ち切る。医学が教える脳と体の関係

いつにも増して体型が気になる私。今度こそ痩せたい! と決意を新たにダイエットに取り組もうとしていたのですが、それは無意味かも、と思える記事を「New York Times」で読んでしまい、考えが変わりました。

神経科学者のサンドラ・アーモットさんは、体重がなかなか減らない理由減ってもほぼ必ずリバウンドしてしまう理由を膨大な研究結果から解説しています。

体重は減らないもの

まずアーモットさんによれば、体重を減らすことがそもそも無理だといいます。

たとえば米国国立衛生研究所による最新の研究では、「一見ダイエットに成功した人たちが、その後カロリーを消費しにくい身体になっていた」とわかっているそうです。

その研究では、米国のダイエット企画TV番組「The Biggest Loser」に参加して平均60キロ近く痩せた人たちを分析しているのですが、彼らは同年代・同サイズの人に比べて1日500キロカロリーも低燃費な身体になっていたんです。

結果、痩せた体重の70パーセントは元に戻ってしまったのです。

といわれると、急激に痩せたからでは? とか、運動しながら痩せればリバウンドしないんじゃ? という疑問がすぐにわきます。

でもアーモットさんいわく、「体重減少にかかった期間や運動の有無は、リバウンドとは関係ない」そうです。

裏側にあるのは、体重を一定範囲に保とうとして脳が代謝を抑制する仕組みです。その「一定範囲」は人によって違っていて、それを決める要因は遺伝子や人生経験だとされています。

つまり、意志の力で体重を変化させようとしても、脳があらかじめ決められた体重に戻すべく働いてしまうんです。ダイエット産業向けのある報告によれば、「2002年にヨーロッパでは2億3100万人が何らかのダイエットを試みたが、恒久的に体重を減らせたのはたった1%だった」のだとか......!

それでも、米国でよく見るような大きすぎる人は不健康だし、痩せるべきでは? と思ってしまいます。

でも、アーモットさんに言わせれば、医学的に適切な体重かどうかにかかわらず、脳が「一定範囲」を保つべくあらゆる手を尽くしてくるんです。

そして複数の研究が、体重減少によって健康状態が改善するわけではないという考えをサポートしています。

ダイエットするとかえって太る!?

さらに体重を減らそうとする試みは、無意味というよりはむしろネガティブな影響があることが多いようです。長期的に見ると、ダイエットをした人たちはダイエットをしなかった人よりも肥満になりやすいという研究結果も出ていて、それも「普通の体重なのにダイエットをした人」においてその傾向が強いそうです。身につまされます。

ダイエットの有害性に関しても、アーモットさんはいろいろな研究結果を紹介しています。

たとえばある実験で「食事制限を5日間、オレオ食べ放題を2日間」という食生活を数週間続けたネズミは、ストレスを受けたときに食べるオレオの量が他のネズミの2倍になったそうです。

食べたいものが食べられない状態が繰り返されると脳におけるドーパミンなどの神経伝達物質の分泌が変化して、食べることへのモチベーションが上がってしまう、と説明されています。

じゃあどうすればいいの?

では、どうすればいいかというと、アーモットさんは「Mindful(配慮ある)」な食べ方をすべきだと言っています。具体的には、まず「お腹が空いたら食べ、満腹になったらやめる」ということです。

たしかにダイエットを繰り返していると、「食べること=うれしいこと」になってしまい、それほど食べたくもないのに「今日は疲れたから、ケーキ買っちゃお」という発想をしてしまいます。

ネズミの実験に即して言うと、ダイエットをやめることで、こういう不自然な食べ過ぎを減らせるはずなんですね。アーモットさん自身もかつてはダイエットを繰り返していたそうですが、現在この考え方にたどり着き、以前よりずっとハッピーだったと言っています。

また運動も、体重を減らすという目的ではなくおすすめされています。ダイエットによってコレステロールや血糖値などの数値が改善されたとするケースについて、アーモットさんは体重減少の効果というより運動の効果ではないかとしています。また肥満の人であっても、「運動し、十分野菜を食べ、喫煙しない人なら、同じ習慣を持つ普通体重の人より若くして死亡することはない」としています。

ここ数年、ファッションの世界でもプラスサイズモデルが人気を博しつつあります。たとえばサイズ19号のモデル、アシュリー・グラハムだって、痩せてはいないけれどとてもきれいです。ドラマ「ガールズ」でぽっちゃりヌードを頻繁に披露しているレナ・ダナムも、自信に満ちて輝いています。

「標準体重」は身長から単純計算されますが、ひとりひとりが美しく健康的であるための体重とは一律に求められるものではないということではないでしょうか。

といっても、プラスサイズのきれいな人たちは何もしていないわけじゃありません。

アシュリー・グラハムもレナ・ダナムも、それぞれ運動をしっかりしていて、肌にハリがありますね。自分をもっと良い状態にするためには、食生活を我慢するのをやめて、ウォーキングでも簡単なワークアウトでも、運動を習慣づけることが第一なのかもしれません。

New York Times

photo by pixta

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福田ミホ
ライター、翻訳者。アパレル企業、IT企業を経て、フリーランスに。ギズモードで翻訳、ItMamaでライターを担当し、読者の方が前向きになれる情報発信を心がけています。ブログでは、ファッションや語学、ライフスタイルについての情報を共有しています。ニューヨーク郊外在住。

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