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疲れたときって人肌恋しいから。アメリカで「抱擁ビジネス」がブーム

疲れたときって人肌恋しいから。アメリカで「抱擁ビジネス」がブーム

部下からは頼られ、上司からの要求は高まる一方。

毎日の満員電車に耐え、成果を出しつつも周囲とは協調を求められ、残業に締め切り、仕事上のお付き合い......。

日本のワーキングウーマンは大変ですが、ストレス社会に生きるしんどさは、わたしの暮らすアメリカでも同じです。

パッと見は元気でポジティブなアメリカ人ですが、世界中から人材が集まるために競争が激しく、ある日突然やってくる、部署まるごとの大量リストラもしばしば。

人々の抱える不安やストレスは、日本と同じく深刻なのです。

そんななか、アメリカ各地で静かに広がっているのが「抱擁パーティ」

知らない人たちが集まって、添い寝したり、静かに抱きしめ合うという、ちょっと不思議なこちらのムーブメントを紹介します。

知らない大人同士が、抱きしめ合って癒される

Cuddle Party」(cuddle=やさしく抱きしめる)は、人とのつながりや信頼を取り戻し、ストレスを軽減することを目的にはじまったコミュニティ・イベント。活動歴は意外に長く、今年で13年目を迎えます。

まずは「ファシリテーター」と呼ばれる主催者が企画し、場所を決定。人を集め、進行役を務めます。参加者の性別や年齢は問いません。

ルールは、パジャマを着ていくこと。そして、抱きしめ合うことでお互いを慈しみ、安心感をもたらすのが目的なので、性的な接触はもちろん禁止です。

会場は、ヨガスタジオなどが使われることが多く、最初の45分間は、進行役からの説明や自己紹介などのコミュニケーションの時間として使われます。

全米のみならず、イギリスやカナダでも開催

そしていよいよ、抱擁の時間。

静かに抱きしめあう、小さな声でおしゃべりしながら腕を誰かの身体にまわすなど、それぞれがお互いの肌のぬくもりを楽しみます。参加者は30代半ばから50代くらいまでの普通の社会人が多いそう。

大人の男女がゴロゴロ横になって抱きしめ合っている姿は、傍目から見るとちょっとカルトっぽくて異様と言えなくもないですが、ニューヨークやシカゴ、シアトル、ロサンゼルスなど各地で開催されており、最近ではアメリカのみならず、イギリスやアイルランド、カナダにも拡大。

複数の人たちに囲まれているために、身の危険を感じにくく「リラックスできる」と、ヨガや瞑想のクラスと同じ感覚で参加する人が多いようです。

お金を払って抱きしめてもらう「抱擁ビジネス」も登場

一方で、グループで集まるのではなく、お金を払ってプロに1対1で抱きしめてもらうという、ちょっと驚きのビジネスも存在します。

「プロの抱きしめ師と、ピロー・トークしよう」がキャッチコピーの「Cuddlist」では、1時間80ドルで、1対1の抱擁セッションが受けられます。

写真とプロフィールをウェブサイト上でチェックした後に申し込みをすると、プロの抱きしめ師が自宅や指定された場所にやってきて、ひたすら添い寝したり、抱きしめてくれるというもの。

もちろん、こちらも性的な接触は禁止されています。

同様のビジネスを行う「The Snuggle Buddy」では、抱擁サービスの他にも、ひとりで出かけたくない人向けにディナーや映画などに付き添うオプション付き。

孤独な現代人にむけて、きめの細かいサービスが用意されているのです。

やっぱり最後はモノより人肌?

ストレスの解消法は、おいしい食事やお酒、買い物やエクササイズ、趣味に打ち込むなどたくさんあります。でも、心身ともにクタクタに疲れ切ったとき、やっぱり最後に恋しくなるのは人肌。

静かに横たわり、目を閉じて誰かのぬくもりと鼓動を自分の肌に感じるときの至福、安全な場所で守られているという感覚は、ほかの何にも変えられません。

本来なら、パートナーや家族間で行われるはずの「抱きしめる」というシンプルな行為を、見知らぬ人たちに求めたり、お金を払って手に入れようとするのは、どこか不健康で、さびしい感じがします。

でも、心身ともに疲れ果てたときには、かけ引きや嫉妬が絡む恋愛やセックスでは、刺激が強すぎる。

家族にも見せられない、見せたくない弱さを他人だからこそゆだねられる。そんな現代人の思いが脈々と広がるアメリカの抱擁ムーブメントの背景にはあるのかもしれません。

そもそも、他人をハグするという文化が根付いていない日本では抵抗感が強いでしょうが、「性的接触は一切なしでただ人肌に触れる、ひたすら抱きしめてもらう」ことに対するニーズは、日々の荒波をのりきる日本のキャリア・ウーマンのあいだでこそ高いのではないかと、思ったりします。

Cuddle Party, Cuddlist, The Snuggle Buddy

image via Shutterstock

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田上晶子
ライター、コピーライター、翻訳業。東京でコピーライターとしてコスメ・ファッション・食品等の広告制作やネーミング、ブランディングに携わった後、渡米。現在、シアトル在住。海あり、山あり、湖あり、程よく都会でリベラルな北西部で楽しく暮らす。ビンテージドレス、アメリカ文学、音楽、お茶、健康、ヨガ、ランニングと睡眠と冒険が好物。

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