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胸のすくような潔さ。フランス元文化相フラール・ペルランの転身

胸のすくような潔さ。フランス元文化相フラール・ペルランの転身

毎日の仕事に、やりがいは確かに感じる。でも「もし別な道を選んでいたら......」とか「方向転換するタイムリミットはいつ?」など考えることもあるこのごろ、同年代の女性の転職話には、つい耳もそばだちます。

閣僚からCEOへ

最近のニュースであっと驚いたのは、43歳になったばかりの元閣僚Fleur Pellerin(フラール・ペルラン)氏の転身です。

一言で言えば、公職を退いて、私(わたくし)の企業を立ち上げるという発表。そこまでなら、とくに珍しい話ではないかもしれません。では何が世間の耳目を集めたのか?

それは、起業のために、公職をすべて辞した彼女の潔さです。

きらびやかな公職履歴

飛び級により、ペルラン氏は、わずか16歳でバカロレアを取得。続いて、グランゼコールの中でも難関であるエセック・ビジネススクール(ESSEC)、パリ政治学院、フランス国立行政学院(ENA)を次々に卒業したエリートです。ENA卒業後は、26歳の若さで、権威ある機関「フランス会計検査院」のメンバーに選ばれました。

閣僚であったペルラン氏は、高級官僚として公務員の地位ももちろん持っていましたが、それに加え、このフランス会計検査院メンバーの地位も持っていたわけです。

今回彼女が辞したのは、この2つの地位、両方でした。もし起業に失敗しても、公職には後戻りできない道を選んだのです。

自ら退路を断つ勇気

その決心は、オランド大統領にあてた辞職理由を説明する手紙にも表れています。

これまでのキャリアの中で、いつもそうであったように、この新たなプロジェクトにも、全精力を注ぐつもりです。この新プロジェクトへのコミットメントの強さは、公職に戻る可能性を残しておくことで得られる快適さとは、相いれないように思うのです」

Fleur Pellerin氏のFacebook 2016年8/21投稿より

要するに、みずから退路を断って、全身全力を傾けますという声明文でもあり、その勇気と潔さは、今現在5万件を超える「Like」を集めています。

2つの祖国を結ぶ仕事

それほどの心意気で手掛ける新企業の名は、Korelya。LCIニュースサイトによれば、「フランスのニュー・テクノロジーへの韓国からの投資のコンサルティング」の会社だそうです。

ペルラン氏は、現内閣で2016年2月まで文化・通信大臣の任についていましたが、それ以前は、中小企業・イノベーション・デジタル経済担当大臣を務めており、高い評価を得ていました。ある意味、フレンチ・テクノロジーは、同氏の得意分野とも言えるでしょう。

また、じつは、フラール・ペルラン氏の生まれは韓国のソウルです。捨て子だった彼女は、生後6カ月でフランスの養父母に引き取られました。教養高い養父母の教育に加え、本人の素質もあったのでしょう。成長とともにめきめきと、頭角を現したことについては上に書いた通りです。

ただそういう経緯ですから、出生が韓国と言っても、メンタリティは100%フランス人でしょうし、何よりも、韓国に楽しい思い出があるわけでもないでしょう。それにもかかわらず、起業にあたり、韓国にターゲットを置いたのも、また別な意味で勇気あることに思え、感心しました。

特権に甘んじず、新境地へ全力で向かう決心をしたペルラン氏。胸のすくような決断に、元気をもらうとともに、彼女の勇気が実を結びますようにと、素直に祈りたくなったニュースです。

本人Facebookに公表されたPellerin氏の手紙,LCI

Frederic Legrand - COMEO / Shutterstock.com

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