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男女の賃金格差は「大学の専攻のせい」?

男女の賃金格差は「大学の専攻のせい」?

男女の賃金格差は、日本のみならず欧米でも根深い問題。

これについてはさまざまな議論がされてきましたが、最近、就職情報サイトを運営する米Glassdoor社が発表した興味深いレポートが、主要メディアに取りあげられ注目を集めました。

男女の賃金格差に大学の専攻が関係している

同レポートの内容は、大学の専攻と男女賃金格差との関係について。

卒業後の平均年収が多い機械工学やコンピュータ・サイエンスなどの専攻学科は男性の割合が圧倒的に多く、反対に平均年収の低い学科は女性が選択しているという傾向が指摘されています。

大学の専攻学科の多くは、性別で分かれています。さまざまな理由により、男女は異なる分野に集まる傾向にあります。たとえば、2014年には米国におけるすべての学士号の57%を女性が取得しましたが、建設管理の学位を取得した女性はたったの9%でした。

反対に、 作業療法の学位取得者の89%が女性で、男性は11%しかいませんでした。(中略)

専攻学科の選択が、卒業後の職業予想や、さらにその後の給料にも影響をおよぼすことから、学問分野は個人的な好みの表れというレベルをはるかに超えています。つまり、専攻の判断は、米国の根深い男女の賃金格差にも関わってきます。

Glassdoor Economic Research」より翻訳引用

さらに同レポートによると、たとえ男女が大学で同じ専攻学科で学んだとしても、卒業後には、同じ分野のなかでも男性はより収入の高い職業へ、女性はその真逆の方向へ振り分けられる傾向にあり、その結果、同じ専攻学科のなかでも男女で賃金格差が生じてしまうとのこと。

米CNNでも同レポートを取りあげ、「Women who want to outearn men should choose their college major carefully(男性よりも多く稼ぎたい女性は、大学の専攻を慎重に選びましょう!)」というタイトルを掲げ、稼げる学科選びの重要性を強調しています。

女性が増えるとその職業の年収が低くなる傾向

しかし、「ハーバードビジネスレビュー」のシニア・エディターSarah Green Carmichael氏は、「そんな表面的な問題ではない」と一石を投じました。同氏によると、「特定の職業の収入が低いのは、女性がその職業を選んでいるから」。

つまり、いままで平均年収の高かった職業であっても、女性の割合が増えると年収が低くなってしまう傾向があるというのです。

同氏が指摘するのは、男らしさを尊ぶ世間一般の価値観との関係

わたしたちの社会では、男らしさと威信がセットになっていることが多いのです。なんとなく男性的だとされている職業にはステータスがあり、女性的とされる職業よりも多くの報酬が支払われる傾向にあります。

Harvard Business Review」より翻訳引用

男性がやる仕事とされている職業の方が、立派であり、尊敬されるという価値観が世の中にまん延し、根深く残っているのです。

女性は男性にくらべて評価されていない可能性

2016年3月18日付のニューヨークタイムズでも、以下のような研究結果を紹介しています。

コーネル大学の新しい調査では、男女間で選択する職業や業界に差があることが、最近では男女賃金格差の唯一かつ最大の原因となっていると判明しました。その割合は、半数以上におよびます。

実際、別の研究では、ある分野に大勢の女性が進出してくるようになると、その分野全体の報酬が低下することが明らかになっています。以前は男性が多くを占めていた、まったく同じ職業で比較した場合の話です。

The New York Times」より翻訳引用

この背景にあるのは、やはり世の中の多くの人が、男性にくらべて女性をあまり評価していないことだ、とCarmichael氏は結論づけています。

最近では、女優やミュージシャンなどの有名人も、フェミニストであることを公言して積極的に活動しています。

ビヨンセの #BanBossyという活動は、「リーダーシップを発揮している積極的な女性を"威張っている"ガキ大将的"と揶揄するのはやめよう!」というキャンペーン。

エマ・ワトソンの #LeanInTogetherキャンペーンは、「夢を持っている女性たちが目標を達成できるよう皆でエンパワーしていこう」というもの。

絶大な影響力を持っているセレブたちがこうして声を上げることで、世の中にいるたくさんの人びとの心を根本から揺さぶって少しずつ変えていくことができるかもしれません。

Glassdoor Economic Research, Harvard Business Review, The New York Times,The New York Times

image via Shutterstock

吉野潤子

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    2019.04.13.Sat

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