ネット婚活市場に自ら潜入し、調査を進めるあたし。前回、婚活サイトでは、メッセでのやりとりが、いかに重要か書いた。しがし、本当の勝負はその先なのだ。そう、「リアルで会う」こと......。大人になったからこそ語れる女の本音と、大人だからこそ迷走する日々を語るシリーズ vol.6。
女性の場合、こちらからアプローチしなくても日々男性からメッセが届く。だからこっちは来たメッセを(送ってきた男を)好みや条件でふるいにかけたり、ふるいに残った男に返事を出すだけで話は進む。
メッセだけの交流ならば、いつでも縁を切ることができる。面倒ならスルーしてしまえばいいだけのこと。そのステップを経てリアルに到達してからが、本当の「出会い」である。
ネットの出会い系は常に女性上位。これはエッチ目的の軽いサイトから本気の婚活系まで、すべてに共通した構図のような気がする。
そもそもリアルな出会いで満たされているならば、ネットに出会いは求めない。男女とも、婚活サイトにいる中心層は、異性の少ない職場だったり、リアルでモテない(失礼)だったりだ。
たとえリアルの出会いが少なくても、今はネットでさまざまな人と知り合える。自分の生活圏に好みの異性がいなくても、世界のどこかには相性ぴったりの人がいるかもしれない。そのような考えで出会いを求めているのか、婚活サイトにはポジティブな人が多いように感じた。
メッセの数や頻度だけでは、相手の好意は図れない
ネット婚活調査を開始した当初、あたしはメッセのみのやりとりで誰とも会わずにいた。その半年間、相手から「会いましょう」というメッセがゲームオーバーの合図。返事は簡単だ。「〆切がたまっているので、終わったらお知らせします」
そのまま返事を出さなければジ・エンド。
こちらの嘘がバレていたのか、断る代わりに社交辞令的な返事をしたと解釈されたのか、後追いで催促がくることはほとんどなかった。皆複数の女性とコンタクトを取っている以上、レスポンスが途切れた女を追い続けるより次へ行くのが定石なのだろう。
半年が経過し、あたしは「リアルでも会ってみよう」と決意した。それからは、メッセの返事もフィルタリングも変化した。
あたし目線のフィルタリングで残った男は「あとちょっとここを直せば」な惜しい系だったり「異性から安全パイにされてしまう"いい人"」系が多かった。
前者は「会ってから改善が見られれば及第点になるかも」という伸びしろ基準、後者は単純に個人的な好みだ。
1通目から「会いましょう」と単刀直入なアプローチをしてくる輩もいたが、多くは3~10通、期間にして1週間~1ヵ月でデートの申込をしてくるのが定番だった。逆に途中で「合わない」と判断し、どちらかがフェイドアウトする顛末も半分くらいあった。
多忙で週イチくらいしかログインしない相手なら、メッセの往復もスローペースになる。マメで気の合う相手なら、1週間で10往復くらい会話が進む。しかし、メッセの頻度が熱意に比例するとは限らない。
結婚への本気度が高いからこそ慎重に言葉を選び、返事が遅くなるという男だっている。
むしろチャット状態にメッセが弾む相手というのは、趣味もなくアフターを持て余している暇人という可能性もある。
会えなければ始まらない。出会いはいつだってリアルの中にある
誰とも会わない期間と、積極的にリアルで会うようにした期間の両方をやってみて、わかったことがある。
男たちは皆「簡単に会える」女を好む。「なかなか会えない女」だからといって、価値が上がることはない。
そりゃそうだ。会わなければ関係は進展しない。プロフィールや写真やメッセだけでは実態がつかめない。サクラやネカマという可能性だってある。
会うことを先延ばしにしていた期間のあたしは、相手から高嶺の花どころか「駆け引きしてるつもりかよ」と呆れられていたかもしれない。
だが恋はタイミング。リアルで会いたいと思うほどテンションが上がらなかったのだから、その男たちとは縁がなかったのだ。
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