ちょっとした工夫で、仕事の効率を上げることができるヒントを2つ紹介します。
男女半々のチームだと仕事が進む
ひとつめは、フランスの企業Global Contact(グローバルコンタクト)が発表した、チームの男女比と仕事効率の関係です。
Global Contactは、毎年Gender Scan(ジェンダー・スキャン)と題する国際アンケートを行っています。フランス政府サイトによれば、このジェンダー・スキャンは、UNESCOを含む複数の国際協会の協力を得て行っているもので、科学技術分野における女性の位置を明らかにする研究としては、いまのところ世界唯一のものです。
調査によれば、10人以上のチームでは、男女比が40~60%とほぼ半々のとき、そうでない場合に比べて、仕事の効率が23%も高くなるそうです。
また、仕事に対する満足度にも差が見られます。具体的には、科学技術産業部門では、男女比がほぼ半々のチームは、男女どちらかに偏ったチームと比べ、仕事への満足度が平均10%高いのです。とりわけ、自分の能力が生かされているとか、敬意をもって接してもらっていると感じる人の割合が高く、逆に仕事や職場に苦痛を覚える人はぐんと低いときています。
ある意味、男女半々というのは、自然の環境に近いもの。そういう環境でこそ、能力を発揮でき、精神的満足度が高いというのも、考えてみれば面白いものです。
次に、仕事で新チームを組む時は、この報告を念頭において、男女比をできるだけ40~60%に近づけてみると、好影響が得られるかもしれません。
侮れないオフィスの席順
もうひとつの研究は、ハーバードビジネススクールが、Cornerstone OnDemand(コーナーストーンオンデマンド)社の協力を得て、2年がかりで行ったもの。アメリカとヨーロッパのオフィスワーカー2,000人を対象に、仕事の効率と職場の席との関係を測りました。
研究者たちは、まずワーカーを次の3つのタイプ「生産型」「質型」「標準型」に分けた。(中略)
最初のグループ(生産型)は、他より仕事が速いが、その質がやや劣るタイプ。
2番目のグループ(質型)は、質の高い仕事をするが、手が遅いタイプ。
標準型グループは、速さも質も中くらいのタイプ。
「Widoobiz」より翻訳引用
結論から言うと、「生産型」と「質型」が近くで仕事をすると、前者の仕事の質が向上し、後者の仕事の速度が上がるという相互効果が見られました。また「標準型」は、他のタイプと混ざらず仕事をするのがベストと判明。同研究は、これを採用することで、生産性は13%、効率は17%アップすると見込んでいます。
これを読み、筆者はコワーキングスペースで仕事をしていますが、どんな人が隣にいるかで、仕事に集中できたり、できなかったりと、大きな差がでることを思い出しました。もちろん、その時の自分の体調や精神状態も関係あるでしょうが、もしかしたら、隣や向かいに座っていた人の影響も少なくないのかもしれません。
職場のメンバーを変えずとも、ちょっと席を替えるだけで、明日からのパフォーマンス向上が期待できるこのニュース。試してみる価値は大いにありそうです。
[Gender Scan 2016 by Global Contact, フランス共和国政府オープンデータ, Widoobiz, Planning strategic seating to maximize employee performance]
photo by Getty Images

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