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インド女性のイノベーションに圧倒。WEF2017レポート

インド女性のイノベーションに圧倒。WEF2017レポート

今、多くのインド女性がイノベーションを起こしているのをご存知でしょうか?

今もなお色濃く残るカーストの差別や政略結婚など、女性に対してクローズドなイメージがあるインドで、ウーマンエンパワーメントをモットーに展開しているWomen Economic Forum(WEF)の総会がインド・ニューデリーで開催されました。つね日頃より女性におけるウェルビーイングに興味を持ち、グローバルカンファレンスを巡っている中村寛子が参加・取材しました。

WEFはインドで発足されたAll Ladies League(国境を超えた世界最大規模の女性コミュニティ)から生まれたグローバルカンファレンスです。世界100ヵ国から2,000名以上の参加者が集結し、今年は、"Creating, Innovating, Understanding and Driving the Future(未来に向けたビジネスイノベーションの創出)"がメインテーマ。過去、今、そして未来に向け、今日の女性が直面している課題や取り組みについて、6日間かけて全498セッションが行われました。

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なぜインドで女性が注目を浴びているのか

私にとってインドは2回目、2013年以来の訪問でしたが、なにより街の変化に驚きました。会場のあるエアロシティは、空港から車で5分ほどのところに新しく作られた"街"。10軒以上のグローバルホテルが建設され、ショッピングモールもあり、海外参加者が多いカンファレンス需要を取り込まんとする、今最も注目されているエリアです。

インド全体が多様に変化するなか、なぜ今、女性が注目されているのか?という疑問に対して自分なりの答えを見つけたいと思い、カンファレンスに参加しました。

初日のセッションは、インド政府機関である情報・放送省の担当大臣、ラジャバジャン・シン・ラトーレ氏が登壇。「インドは変わろうとしています」と、開口一番に話しました。

インドでは昔から母親をもっとも大事にする文化があり、女性へのサポートといえばこれまでは母親に向けたものが多かったのは事実です。ただ、女性は未婚者もいれば未亡人もいる。女性全員に対して国として平等な機会を与えられるようにならないといけません。多くの国民が女性に対する偏見を変えていけるためにも、国として成果を出します」とコメントし、実際に、国として女性の軍隊入隊希望者を受け入れいれるなど、少しずつだが動き出していると述べました。日本同様に男性中心に構成されているインドにおいて、政府組織がどのように女性の活動範囲を広めていくのかは、今後注目していきたいポイントです。

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「イノベーション」とは世の中のギャップを見極めること

また、今回カンファレンスを通してよく考えたのが「イノベーション」の定義です。こんにち"イノベーション"といえば、最新テクノロジーやIoTなどのサービスや商品を想像してしまいがちですが、インド女性におけるイノベーションは少し異なるということがセッションを通して分かりました。

印象に残ったセッション、『イノベーションをどう起こし、推進させるか?』では、80歳の女性が登壇し、彼女がインドのある村で、12年前に始めた女性コミュニティ作りのイノベーション事例を発表しました。

インドの地方の村では衛生環境が悪く、実際に調理している者も食事における衛生知識がないため、問題が絶えずおこるのは当たり前。そこで彼女は女性コミュニティを発足し、衛生問題が引き起こす身体への影響や病原菌に関する講習を行い、除菌や正しい調理の方法を教えるなど小さな改善を試みました。その結果、その活動とノウハウは、隣村から隣村へと次々に伝わっていき、今では、より多くの村にノウハウを共有できるよう、彼女は講師育成に努めているのだそうです。

「あなたとってのイノベーションとは?」という質問を投げかけたところ、「私にとってのイノベーションとは、イノベーションになりえる世の中の"ギャップ"を見極めて突き進むこと」という答えが返ってきました。イノベーションというと強烈なインパクトを想像してしまう自分がいましたが、氏の話を聞いてイノベーションとは、小さくてもこれまでに誰も起こしたことがない行動のひとつがイノベーションとなり、少しずつ影響を与えることなのだと再認識させられたセッションでした。

他にも、サリーを好んで着なくなった若い女性に対して、サリーを着て踊ったらこんなにも楽しいよ! とサリー文化の継承活動をしている女性たちのセッション。市場でのシェア獲得を第一目的ではなく、デジタル市場におけるシニア雇用を多く生み出すことに焦点を当て、3Dプリンティングサービスを開拓している28歳のスタートアップ女性起業家の話など、インドでは女性が中心となって様々なイノベーションを起こしていることがよくわかりました。

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小さくても最初の一歩を踏み出すこと

インド女性におけるイノベーションに共通することは、「小さくてもとりあえず行動してみる」ということです。世の中へのビックインパクトが目的ではなく、小さな単位でも個に与える影響を重要視し、そこから少しずつ大きなインパクトを生み出していくということが大切。そして、やりたいことを始めるのに年齢は関係ないことも共通項としてありました。

ひとつのセッションに参加されていた女性が、「来年は60歳になるので一度仕事を辞めようと思っていたけれど、やっぱり立ち上げてみたかったサービスを始める!」と宣言する出来事もあり、インド女性はアイデアが豊富で、イノベーションを起こすことにとても意欲が高く、とにかく圧倒されぱっなし。私自身も新しいことを始めるスタートラインに立っている今、インドに行けたことは人生の大きな転機かもしれません。

取材・撮影(一部):中村寛子/Reference from WEF 2017 Official Pictures

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