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ちゃんと夜に寝ている人は、オフィスの人間関係が良くなる

ちゃんと夜に寝ている人は、オフィスの人間関係が良くなる

「寝ない自慢はもう古い!」とばかりに、最近はいたるところで睡眠の重要性が叫ばれています。睡眠不足が続くと、判断力が低下したり作業スピードが遅くなるなど、仕事に差し障りが生じるというのはもう周知の事実。

そして、うまくいかなくなるのは自分のするべき業務だけではありません。ある研究結果によると、職場での人間関係にも悪影響を及ぼすのだそう。

睡眠不足だと部下や上司に敵意を抱く傾向

学術誌『Organizational Behavior and Human Decision Processes(組織行動学と人の意思決定プロセス)』に発表された、睡眠時間とリーダーシップの関係に関する研究結果「Lack of sleep and the development of leader-follower relationships over time(睡眠不足とリーダーとフォロワーの関係の経時的変化)」によると、睡眠不足の状態で働いている人は、上司や部下に対して敵意を持ちやすいことが明らかに。

リーダー40名と部下120名を3か月間にわたって調査した結果、リーダーと部下の両方において、睡眠不足が「相手に敵意を抱く」という形で人間関係の質のとらえ方に影響を及ぼす

Science Direct」より翻訳引用

この研究結果で注目すべきは、当の本人たちは「睡眠不足のせいで相手に敵意を持っている」という事実に気づいていないということ。

きちんと充分な睡眠をとっていれば充分仲良くやれたはずの相手に対しても攻撃的になり、「この人とは相性が合わないんだ」「ひどい人だ」と思い込んでしまう......そう考えると、たかが睡眠不足とはもう言えなくなりそうです。

他人をあまり信用できなくなるという研究結果も

また別の研究では、睡眠不足のせいで他人をあまり信用できなくなるなどの弊害も明らかになっています。

英ラフバラー大学の睡眠研究センターでは、一晩まったく睡眠をとらない「全断眠(TSD)」の状態の被験者に交渉ゲームをしてもらうという研究を実施しました。

睡眠不足が判断力や決断力の低下につながることはよく知られているが、社会的コンテキストのプロセスにおいても影響を及ぼすことはあまり知られていない。(中略)

信頼ゲームにおいては、参加者らは、自分たちの匿名パートナーを完全には信頼しない傾向にあった。

NCBI」より翻訳引用

仕事をしていくうえで、仲間との信頼関係はとても大切です。信用できる上司と部下に囲まれているほうが、仕事もスムーズに進むもの。

先ほどと同じく、本当は信用できる上司や部下であるにもかかわらず、睡眠不足のせいで関係が台無しになってしまうおそれもあります。

最近人間関係がうまくいかず疲れているという人は、コミュニケーション・スキルの向上などを頑張るまえに、まずは質の高い睡眠でゆっくりと心を身体を癒してみるとうまくいくかもしれません。

Science Direct, NCBI

photo by Shutterstock

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吉野潤子
ライター・英語翻訳者。社内資料やニュースなどの翻訳者を経て、最近はWebライターとしても活動中。歴史、読書が好きです。

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