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中間管理職の悩み、インテル元CEOが答えます

仕事の本棚

中間管理職の悩み、インテル元CEOが答えます

どんなに小さな部署であったとしても、マネージャーという立場は孤独であり、運営に関して何らかの悩みを抱えているものです。

インテル元CEOのアンドリュー・S・グローブが、後進の起業家、経営者、マネージャーに向けて著した、シリコンバレーでバイブルとして読み継がれている一冊があります。ゴーストライターは使わず、彼自身の言葉で綴ったというからさらに驚きです。

マネージャーなら誰もが悩むことに対してシンプルに答えてくれる、実践的アドバイスが満載の経営書、『HIGH OUTPUT MANAGEMENT(ハイアウトプット マネジメント)』をご紹介します。

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上下組織を円滑につなぐ接続ポイントであれ

意思決定をすること、もっと的確にいえば、意思決定の過程に参加することは、あらゆるマネージャーにとって、毎日毎日行う重要、かつ本質的な仕事のひとつである。(中略)

しかし、情報やノウハウの取り扱いを主体とするビジネスでは、マネージャーは新しい現象に取り組まなければならない。

つまり、ビジネスの基礎を構成する知識ベースに急激な変化が起こってきたがために、地位に基づくパワーと、知識に基づくパワーとの間に急速な食い違いが起こってきたのである。

148~149ページより引用

たとえば何かのエキスパートとして、自身が鳴り物入りで入社したとします。しかし、多くの分野において日々、急速な進化をとげている状況で、常に自身が知識の最先端でいられるとは限りません。

役職が上がれば上がるほど、自身の立場と知識の量が比例しなくなる。そんな危機感を感じたことのある人は少なからずいるはずです。そんな現象はどうしたって起きてきます。

アンドリューは、ここでいう成功のカギは、ミドル・マネージャー(中間管理職)にあるといいます。

中間管理職は、命令系統の接合点であるばかりではなく、2つの型のパワー地位と知識に基づく2つのパワーを駆使する存在。中間管理職が、職場全体の物事が円滑にまわるよう目を配っていくことが成功へのポイントのようです。

管理職の仕事とは意思決定であるということは、よく言われる話です。しかし、自身に分からないことは、それが分かる層の見解と意見を吸いあげる、そして自身の地位を飛び越える決断事項については、得た知識を立場のある層に接続する。

簡単なことのようですが、意外にうまく全体をつなぐことができていない組織は多くあります。

自身の知識で決断できる内容、部下の知識を吸いあげるべき内容、そしてそれらを上につなぐ。きちんとすみわけて接続機能を適切にこなすスキルがあれば、おのずとその組織はうまく進んでいくことでしょう。

他部門のアウトプットも視野に入れるべし

だが、今ここで明確にしておくべき大事な点は、マネージャーのアウトプットとは、監督下にあるグループ、あるいは影響力下にあるグループが遂行した成果だということである。

マネージャー自身の仕事がきわめて重要なのは明らかであるが、それ自体はアウトプットをつくり出していない。その組織がつくり出しているのだ。

86~87ページより引用

マネージャーの仕事というと、方向づけや指示、計画の立案などが思いだされますが、アンドリューは、マネージャーのアウトプットはそういうものではないといいます。それはアウトプットではなく「活動」であり、むしろアウトプットをあげるために「なすべきこと」であるというのです。

さらに、「マネージャーのアウトプット=自分の組織のアウトプット+自分の影響力が及ぶ隣接諸組織のアウトプット」であるとも言っています。

たしかに、マネージャー(特に中間管理職)は、部署の目標達成に向けて、その作業自体をこなすことにどうしても目が向きがちです。自分の部門全体と、それだけではなく関わる他部門のアウトプットも視野にいれて動くことが重要といえるでしょう。

そういう意味では、役職が上がるごとに個を離れ、組織を広い視野で見ていく感覚が大切なのかもしれません。

教育訓練はマネージャーの仕事である

すでにスケジュールが満杯になっているマネージャーにとって、きわめて面倒な問題は、誰が訓練をすべきかという点である。たいていのマネージャーは、従業員の訓練は、誰かよその、たとえば教育訓練の専門家に任せるべき仕事だと感じているように思われる。

しかしながら、私としては、マネージャー自身が部下の訓練をすべきだと強く言いたい。

317ページより引用

アンドリューは、こういいます。マネージャーが通常、部下個人のパフォーマンス・レベルを引きあげるにあたっては、2つの方法がある。

ひとつは動機づけ、すなわち各部下がそれぞれの職務をやろうとする意欲を増大することであり、もうひとつは各人の処理能力を増加させることであるが、この後者のところに教育訓練がかかわってくるのだ、と。

インテルにおいて、アンドリューはまず手始めに、自分の部下や自分が預かっている部門のメンバーに対して、これは教えておかなければならないと感じる事柄のリストをつくり、そのリストの項目について役立つ教材探し教えうるひとの在庫調べをしているといいます。

つまり、自分がすべてをなしえるということではないものの、責任をもってその工程や担当者を管理することが大事であるというのです。

新人の教育訓練を若い社員に丸投げしてしまうことはよくある話。教育訓練は会社の未来を育てていくということに等しい。だからこそ重要なマネージャーの仕事であるという認識が大切なようです。

HIGH OUTPUT MANAGEMENT(ハイアウトプット マネジメント) 人を育て、成果を最大にするマネジメント

著者: アンドリュー・S・グローブ発行:日経BP社定価:1,800円(税別)

photo by shutterstock

ナカセコ エミコ

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