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精神科医が教える「レスにならないための寝室」

精神科医が教える「レスにならないための寝室」

セックスレス。これってアラフォーだけに起こる現象でも、アラフォーだけが持つお悩みでもない。20代、30代でも「長年のつきあい」をしているカップルには、結構な確率で身に起こっている。

交際3年目、結婚を前提として一緒に住みはじめて1年目のわたしと同居人も、今年に入ってからはすっかり「プチ・セックスレスカップル」だ。

以前の記事にも書いたことがあるけれど、「セックスレスの定義」は、性的なふれあいが1か月以上ないことを言う。この性的なふれあいには「セックスそのもの」だけではなく、手をつないだり軽いキスなどのスキンシップも入るとのこと。わたしと同居人は軽いスキンシップくらいは毎日あるので、厳密にいえばセックスレスの定義には当てはまらない。

しかし。「結合」としてのレスの期間は結構ある。正直いうと、今年に入ってから、フルコースでいちゃいちゃしたのなんて、たぶん片手でもあまるくらい。

......という話を、この記事に再三登場している友人の精神科医に、先日ちらっとこぼした。

「うーん。キスやハグをしているんだったら、たしかに『完全にレス』ではないね。無理やりカテゴライズするとしたら『仲良しさんのプチ・セックスレス』。キミたちがそれで問題ないならば、いいんじゃない」

結構クールな反応が返ってきた。

「いやいや、別にわたしだって『性欲が満たされなくて悶々!』みたいな感じは全然ないんだけど、でもねー、こうやって単なる家族、まるで兄妹みたいになっていき、仲はいいけど『異性としてはまったく反応しない』状態になるのは、なんだか悲しい。だって交際してまだ3年だもん」とわたし。

すると精神科医の彼は「あなたたちの寝室はどんな感じ?」と唐突に聞いてきた。「アメリカではセックスレスは、離婚の大きな原因となるから、夫婦で『セックスレス解消カウンセリング』を受ける人が多いんだよね。よく海外ドラマや映画でそういうシーンあるじゃん。そんなカップル・カウンセリングを行っている精神科医はみんなこう言うね。『寝室は、寝るかセックス、これだけをする場所にしろ』と」

寝るかセックスか。まあ、そりゃそうだ、ベッドだし。そのうえでごはん食べたりトランポリンごっこしたりするわけじゃないし。

「いやいや、これ本気でカウセリングでカップルに守らせてるんだってば。つまり、寝室にはベッド以外のものを置くなってこと。テレビも、携帯電話も、パソコンも、本や漫画も、とにかくベッド以外のものは並べるなってことだよ」。

彼が言うには、「ベッドだけ」が置かれた寝室では、やることはふたつのみ。「寝るか、セックスするか」しかなくなる。まず環境づくりから始めることが肝心らしい。

「ベッドでごろりとなりながら、ダラダラとテレビを観たり、スマホを触ったり、または読みかけの本をベッドサイドに積んで置くなんてもってのほか。寝るかセックスするか以外の行動は物理的に無理なくらい、ベッド以外のものを置いちゃダメなんだよ。あ、そうそう、極端な話、ゴミ箱もダメ。当然ながら、寝室に洗濯ものが干されたままとか、服がメチャがけハンガー状態になってるのもNG。お宅はどう?」と精神科医の友人。

ゴミ箱もだめなのか。

「そうだよ。寝るかセックスしかしないんだから、そんなにゴミは出ないでしょ。そういう生活感のあるアイテムが視界に入るのも良くないの」。

我が家は、寝室が狭いのにかなり大きめのベッドを入れているため、もともと「ベッド以外、モノがおけない」状態になっていた。出窓があるので、そこにテレビを置いていたのだけど、友人のアドバイス通り、テレビを他の部屋へと移動させた。寝室にあるのは、ベッド、サイドテーブル(お互いのサイド脇に配置)、スタンドライト。これのみ。まさに「寝るかセックスするか」しかない完璧な寝室

「スタンドライトがあるのはいいね。間接照明はカップルの寝室にぜひ置いてほしいアイテム。ダウンライトや間接照明は、眠りを誘うと同時に、セクシーな気持ちも高まりやすいアイテムだから一石二鳥」とは友人の彼。

一番「ダメ寝室」なのは、「シーリング照明だけの寝室」とのこと。彼いわく

「シーリングもいろんな調光を演出できるけど、一番小さな灯でムーディに演出しても、上からの照明って全体を照らすから、影ができにくい。そうなるといくらムーディ仕様の灯だとしても、なんだかセクシーな気持ちにはなりにくいんだよね。ましてや「真昼のような明るさ」の煌々としたシーリング照明は、セックスどころか眠りスイッチも入りにくいしで、これはダメ。夕方18時以降は、寝室だけでなく、どの部屋もダウンライトにすること。夜、きちんと眠りのスイッチが入りやすくなるので、不眠症の人には必ず『18時以降は、蛍光灯や昼間のような灯はNG』と伝えているよ」。

セックスも、一部では「煌々とした灯のなかでいたすことが好き」な殿方もいるので、相手次第なところがあるけれど、普通は「間接照明で、陰翳礼讃的な空間を演出するほうが、気分が盛り上がるんじゃないの」と友人の精神科医は語った。うむ。きっと彼は陰翳礼讃的エッチが好みなのだろう......。

「あと、生活臭が視界に入るのもダメ。たとえばさっきも言ったように洗濯ものの山とか、壁やハンガーに服がたくさんかかってるとか。セックスって一種の麻薬みたいな快感を求める行為で、その最中に『現実』が目に入ると、急に男は『しおしおしお』となってしまうんだよね。そこ、注意だよ。香りも大事かもなあ。ゴミ箱に、ベッドでごろりとしなが食べたお菓子の空箱が入ってたり、そしてそこからかすかな食べ物カス臭が立ち込めたり。これは超現実なので、ゴミ箱自体、ベッドルームには不必要」

アドバイス通り、今、我が家の寝室は完璧な「寝るかセックスか部屋」になっている。サイドテーブルにはアロマディフィーザーも配置。毎夜、アロマテラピーサロンのような香りを立ち上らせて、寝る準備をしている。

ところが......。

我が家はそれでも「レス」なのだ。最初に書いたように、軽いキスやハグ、手つなぎは日常的にやっているので、正式には「セックスレスカップル」ではないのだけども、結合はほとんどしない。せっかく精神科医アドバイスで「セックスのための寝室」に仕上げたのに! とにかく寝る。瞬時で爆睡。睡眠の質だけはふたりとも向上した。

寝室だから「良質な睡眠環境」になったのは嬉しいけれど、そもそもの目的だった「レス解消」にまではまだつながっていない。彼がベッドに入ったら、「おやすみ、ちゅっちゅっ」のあと、あまりにも速攻で眠るので、「うっふん」なギアがどちらも入らないのだ。

今年に入ってとくにその傾向が強く、わたしは次第に「ああ、こうやって、本当の意味でのセックスレスカップルになっていくんだろうな」とやや諦めにもにた現実を毎晩知ることになる。

問題は、わたしから「ねーねー、いちゃいちゃしようよ」と言えないこと。なんだかちょっと恥ずかしい。とはいえ、何度か寝そうな彼を揺り起こして伝えたことがあるのだけど「うーん、今日はもう無理。眠い。明日ね」といなされてしまうのだ。

隣で高いびきをかいて寝る同居人の体温を感じながら、なんだか「こっちだってしたくて声かけたんじゃないんだけど」と舌打ちしつつ、背をむけるのだった。そう、わたしだって別に性衝動が抑えられなくて「いちゃいちゃしたい」と言っているわけではないのだ。「セックスレスカップルにならないように、そろそろ準備体操でもしませんか」、そんな軽い提案をしているに過ぎなかった。それなのに、拒否。腹たつわー!

こんな日々が結構、澱のようにつり積もったのかもしれない。ある日、わたしは夜中、ベッドの上で「むきーーーーっ!」と切れて、彼を揺り起こした。

この時のエピソードは次回でご紹介する。とにかく私のフラストレーションが一気に「寝るかセックスかの部屋」で大噴火してしまったのだ。

photo by Getty Images

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