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#7 人生を一緒に歩く靴【青木貴子のワードローブ】

#7 人生を一緒に歩く靴【青木貴子のワードローブ】

その日の気分やスケジュールを、図らずも人様に露呈してしまうおしゃべりなファッションアイテムがある。それは靴。

綺麗なヒールをチョイスした日は女性らしい気分だったり、大切な誰かと会う約束があるとき。フラットシューズを選んだ日は軽快なムード。またはラクをしたいときだったりするはず(笑)。

靴はパーソナリティを表現しやすく、逆を言えばその日の気分を変えてくれるほどの力を持つアイテム。女性らしくしたいと思ったら華奢なヒールを履けば、自然とそんな気分になれるといった具合だ。

あなたはヒール派? それともフラット派?

どちらかに偏るケースが多く、加齢とともにフラット派が増えていく。「一度低いの履き出すとヒールがきつくて」なんて話も聞く。ヒールを綺麗に履くには適度な腹筋と背筋力がいる。それがないと前かがみのみっともない立ち姿になってしまうし、歩幅も狭まる。美しくあることを願い、鍛えた体でしか、美しくヒールを履くことはできないのだ。意識の高い女性であるために、ため息の出るくらい端正な(そして法外な価格の、笑)ヒールを手に入れるというのも、加齢とともに変わっていくスタイルや意識の変化の抑止に一役買ってくれそうだ。

見え方を意識するということでいえば、靴のメンテナンスにも気を配る必要がある。美しくない靴は確実に女性を美しくなく見せてしまうけれど、手をかけた輝きを放つ靴は、きめ細やかで丁寧な印象の女性であるというオーラを放ってくれる。足元は思いのほか視線を集めるものだから侮れない。

マメにメンテナンスをしていれば靴は驚くほど長持ちする。私は10代の頃の靴を未だに愛用しているけれど、それこそまさに人生を一緒に歩いてきた感じ。最近はさまざまな形状の靴が混在していて、トレンドというよりはテイストが重要視されるようになったので、ちょっと前の靴も遜色なく今の時代に通用する。そんなことを思うとメンテナンスの重要性がまた高まるな、と思う。

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最後に、玄関に靴を出しっぱなしにしないこともおすすめしたい。出しっぱなしにしてあると、出ている靴の中から適当に選び、とりあえず履いてしまうということがおきる。

靴をきちんとしまってあると、さて今日のスタイルにはどの靴がいいかなとちゃんと靴を選ぶので、当然のことながらスタイリングの完成度が高くなるのだ。家に帰ってきたときにスッキリしていて気持ちがいいというメリットもあるし、またしまうときに靴の状態をチェックする習慣がつく。ちょっとした日々の所作に綺麗になれるヒントは隠されている。

撮影/柳原久子

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青木貴子
スタイリスト。ファッション誌、広告で幅広く活躍する。著書に『センスは「ある」ものではなく「磨く」もの おしゃれ方程式』(PHP研究所)、『友だちを呼ぶ日のごはん、わたしのごはん』(扶桑社)が。インスタグラム

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