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人はなぜ怒るのか? 人生とキャリアを守る「怒り」コントロール術

人はなぜ怒るのか? 人生とキャリアを守る「怒り」コントロール術

怒りのあまり、思わず口にしたひと言が、積み上げてきたキャリアや信頼関係を台無しにしてしまうことがあります。

「自分のなかの怒りの感情を認めて、それを上手にコントロールすることはとても大切。なぜなら、怒りは人生を壊す唯一の感情だから」と語るのは、日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介さん。怒りの感情の本質を知り、上手につきあうコツをうかがいました。

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アンガーマネジメントは「心の筋トレ」

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アンガーマネジメントというと、一般的には怒らない人になれる、イライラしない方法と思われがちですが、そうではありません。

問題は、怒ってしまうことではなく、怒りをコントロールできないこと。1970年代にアメリカで始まったアンガーマネジメントは、怒りの感情と上手につきあうための方法論で、心理教育や心理トレーニングとして体系化されたものです。今では大企業のエグゼクティブや、アスリートのメンタルトレーニングにも使われています。

安藤さん自身、昔は怒りっぽくて同僚との衝突が絶えず、自分はなんて嫌な怒り方をするんだろう......と悩んでいたと言います。そんなときにアンガーマネジメントを知り、怒りの感情に振り回されなくなった。ちょうど会社を辞めて事業を起こすタイミングでしたが、ストレスに負けずに軌道に乗せることができたのは、アンガーマネジメントの力が大きかったと実感しているそう。

アンガーマネジメントはいわば「心の筋トレ」。重いベンチプレスがいつの間にか軽く感じられるみたいに、やり続ければ必ず成果が出る。「怒りっぽいのは仕方ない」とあきらめずに、ぜひトレーニングしてみてください。

怒りの感情は、生存本能

そもそも、人はなぜ怒るのか――。怒りとは、専門用語でいうと「防衛感情」。生き物は敵が現れたとき、アドレナリンを分泌して体を緊張・興奮状態にして、相手を襲うか逃げるかの究極の判断をします。その命令を体に下すのが、怒りという感情。生存本能に組み込まれたとても原始的なものだから、絶対になくすことはできません。

とはいえ、現代では命の危険に晒されることはまれですから、そこまで強い怒りは必要ないはずです。それなのに、激しい怒りを抑えられない人がいるのはなぜか。理由のひとつとして、怒りに対する耐性の差があると考えられます。

心のコップからあふれると「怒り」に変わる

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じつは怒りというのは、第二次感情。怒りを直接感じるわけではなく、悲しい・寂しい・苦しいといった第一次感情が許容量を超えたときに、怒りとなって表れるんです。

心の中にコップがあると考えてみてください。そこにいろんなネガティブな感情がたまって、いっぱいになると怒りとなってあふれ出す。よく怒っている人に「怒ってる?」と聞くと、「怒ってないよ!」と余計に怒り出すことがあるけれど、あれは怒りの元である第一次感情をわかってくれていない、という憤りからきているんですね

「わかってほしい」から怒りが高まる

心のコップの大きさや、怒り方の癖は、だいたい思春期までに決まります。アンガーマネジメントの考え方でいうと、子どもの感情表現というのは、基本的には親のコピー。幼い子どもにとっては親がすべてなので、親の世界に入りたくて、親の真似をするんです。ですから、ひんぱんに怒る親の子どもは、怒りやすくなる傾向がある。怒り方の癖も、気づいたら親にそっくりだったというのはよくあるケースです。

アンガーマネジメントは、会社よりも家庭、遠い人よりも身近な人との間のほうが難しい。なぜかというと、怒りの感情は身近な相手にほど強くなるからです。身近な人には甘えもあるし、変わってくれるんじゃないかという期待や、自分のことを理解してくれるはずだという思い込みもある。わかってほしいという思いがあるからこそ、余計に怒りが高まるのです。

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安藤俊介さんに聞く「アンガーマネジメント」、中編はいよいよ実践編。怒りを上手にコントロールする3つの基本をご紹介します。

201710_anger_profile.jpg安藤俊介(あんどう・しゅんすけ)さん

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事。日本における「アンガーマネジメント」の第一人者。日本人としてはじめてのナショナルアンガーマネジメント協会、アンダーソン&アンダーソン、MFTNY公認のアンガーマネジメントファシリテーター。ナショナルアンガーマネジメント協会では、1500名以上在籍するアンガーマネジメントファシリテーターの中で15名しか選ばれていない最高ランクのトレーニングプロフェッショナルに、アメリカ人以外では唯一として登録されている。『はじめての「アンガーマネジメント」実践ブック』など著書多数。

イラスト/古荘風穂、取材・文/田邉愛理、企画・構成/寺田佳織(カフェグローブ編集部)、photo by Getty Images

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