10月に入ると、肌寒さとともに少しずつ年の終わりを意識しはじめる頃。そんななか、今年すべきことはちゃんとできているかどうか不安な気持ちと焦りを感じている人もいるのでは?
とはいえ、季節の変わり目であるこの時期に、「秋バテ」でなかなかヤル気が出ないという人も多いはず。そこで、働く女性たちの活力となる映画としてオススメしたいのが、本国アメリカでもロングランの大ヒットとなった話題作『ドリーム』です。
1961年、アメリカのヴァージニア州にあるNASAのラングレー研究所では、ソ連との熾烈な宇宙開発競争を繰り広げていました。そんななか、ロケットの打ち上げに必要不可欠な計算を行うために集められたのは、優秀な頭脳を持つ黒人女性たちのグループ。歴史的偉業を支えた女性たちの知られざるサクセスストーリーとは......?
ロケット開発を人知れず支えた黒人女性たちの真実!
本作でフォーカスされているのは、実在の人物である天才的な数学者のキャサリン、同僚のドロシーとメアリーという3人の女性たち。コンピューターが開発される以前、これらの難解な計算が人の手によって行われていたという事実だけでも驚きですが、そこに「黒人女性計算手」と呼ばれる女性たちが人知れず活躍していたというのもとにかく興味深いところ。アメリカ人でさえもほとんど知らなかったという実話であり、数々の困難に見舞われながらも、彼女たちがいかにして夢へと突き進んでいったのかが描かれています。
当時のアメリカは人種隔離政策によってバスやトイレをはじめ、あらゆるところが白人用と有色人種用に分けられており、社会が差別と偏見に支配されていた時代。そんななかで、白人男性だけのオフィスへと配属された黒人で女性のキャサリンが抱える苦悩は、いまの私たちとは到底比較できないもの。だからこそ、仕事で行き詰まりを覚えている女性なら、自らの能力を信じ続け、進むことをやめない彼女の姿から「希望の光」を感じられるはずです。
今回、キャサリンとともに戦うのは、黒人でも管理職へ昇進できる権利を訴え続けるドロシーと黒人には難しいと思われていたエンジニアへの夢を抱いているメアリー。3人がそれぞれの方法で不可能を可能へと変えていく姿は、同じ女性としては痛快そのもの。「前例がないから諦めるのではなく、自分が前例になればいい」という姿勢は見習いたいところであり、夢を実現するための秘訣でもあるのです。
働く女性が輝き続けるために必要なものとは?
そんな彼女たちこそが「理想のキャリアウーマン」だと感じさせるのは、仕事に対する思いだけでなく、プライベートへの向き合い方でも同じ。働く女性のなかには、「キャリアを追求すればするほど、プライベートを犠牲にするのは仕方がない」と思う気持ちがつい芽生えてしまうものですが、彼女たちは恋愛することはもちろん、妻であることも、母であることにも手を抜いておらず、その充実感こそが女性として輝ける原動力。
キャサリンの言葉に「同時に複数のことをこなすことは、女性はいつだって男性よりも上手」というのがあります。私たちが忘れてはいけないのは、女性は男性にはない強みを持っているということ。そして、同じ目標を持って高め合う仲間をはじめ、固い信頼関係を結ぶことのできる上司や心から応援してくれる家族の存在。映画を通して、人はいかに多くの人たちに支えられているかにも改めて気づかされるはずです。澄み渡る秋晴れのような清々しい輝きを放つ本作に、こみ上げてくる感動と共感で心を満たされてみては?
シネマから学ぶ一言
自分の能力を信じ続ける気持ちこそが、夢を叶える方程式を解くカギとなる。
ドリーム
監督:セオドア・メルフィ出演:タラジ・P・ヘンソン、オクタヴィア・スペンサー、ジャネール・モネイ、ケビン・コスナー、キルスティン・ダンスト、ジム・パーソンズ、マハーシャラ・アリなどTOHOシネマズシャンテ他、全国公開中!配給:20世紀FOX映画© 2016 Twentieth Century Fox[ドリーム]

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