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エリカ・アンギャルさんが教える、愛情ホルモンとダイエットの意外な関係

エリカ・アンギャルさんが教える、愛情ホルモンとダイエットの意外な関係

大人の女性にはいつまでも、「肌と肌との触れ合い」が絶対に必要。心と体が満たされれば、無理なダイエットをしなくても美しくなれる......。そう説くのは、ミス・ユニバース・ジャパンで8年間にわたり公式栄養コンサルタントとして活躍し、日本人女性の「食」に対する意識を変えてきたエリカ・アンギャルさん。新著の『ラブダイエット スイーツなしで体と心を満たす美の教科書』では「性」をテーマに、スキンシップできれいになる具体策を指南してくれています。

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日本人女性は愛情不足

著書タイトルの『スイーツなしで』という条件に、「どういうこと?」と疑問を感じる方もいるかもしれません。

ダイエットに関する著書がベストセラーとなり、多くの日本人女性から相談を受けてきたエリカさん。女性たちと話をするなかで、甘いスイーツを過剰に欲しがる人が多いのは、お互いに愛情表現が遠慮がちな、日本の男女のあり方に関係があるのではという危惧を抱いたといいます。

誰かにギュッと抱きしめられること、心から褒めてもらうこと。それは人間にとって絶対に必要なことなのに、日本人はシャイな人が多く、ストレートな愛情表現が苦手。そのために日本人女性は、愛情を与えられる機会が他の国の女性に比べて圧倒的に少ないのだとか。

しかも日本人女性は、自己犠牲が大得意。自分が愛情に飢えていることにも気づいていないので、無意識にその飢えを甘いスイーツで代替しようとしてしまう......。

これを改善するには、意識的に「愛情の補充」をして、自分の優先順位を上げることが大切だそうです。そうすればメンタル面ではストレスが減ってバイタリティがあふれ、フィジカル面では肌のツヤが良くなり、自然と適正体重をキープできるとエリカさんは語ります。

愛情ホルモンを味方につける

これは決して精神論ではなく、「愛情ホルモン」と呼ばれるオキシトシンの働きによる科学的なもの。オキシトシンは母子関係だけでなく、パートナーや兄弟、友人、ペットとの信頼関係によって分泌量が増え、メンタル面やフィジカル面にさまざまな恩恵をもたらしてくれます。

アメリカで行われた最新の研究では、鼻にオキシトシンをスプレーしたグループは、オキシトシンの入っていない偽薬をスプレーしたグループに比べ、1食当たり平均122キロカロリー少ない量で満足でき、特に脂肪分についてはおよそ9グラム(約80キロカロリー)少ない量で満足できたというデータも出ています。つまりオキシトシンは信頼関係を築くメンタル面の効果だけでなく、食欲を抑え、美しいボディラインをキープすることにも一役買っているのです。

22ページより引用

残念ながらオキシトシンは年齢とともに減少し、ストレスやライフスタイルの乱れで、その現象にはさらに拍車がかかります。だからこそ、意識的にオキシトシンの分泌を増やす手段を知っておくことが大切。そして、その手段のひとつがスキンシップというわけです。

20秒のハグがオキシトシン分泌に働きかける

外国人の挨拶という印象が強い「ハグ(Hug)」は、様々なスキンシップの中でも特にオキシトシンを分泌させてくれる手段のひとつ。わずか20秒のハグでオキシトシンが増加し、ストレスホルモンであるコルチゾールが減少。恋人同士だけでなく、信頼できる家族、友人、ペットとでもOKだそう。

両手を相手の両肩に置いてみましょう。そして、お互いをそっと引き寄せて腕を相手の背中に軽く置いてその温かさを全身で感じてみてください。ギュッと力を入れて抱きしめるのが恥ずかしいなら、無理にそうする必要はありません。力を抜いて、目をつむり、そのままの状態で深呼吸してみてください。決して構えることなく、自然に相手の体温を受け止められるようになれば、ハグが精神安定剤として効果を発揮しているサインです。

31ページより引用

20秒のハグが恥ずかしければ、まずは5秒からトライしてほしいとエリカさん。また、大阪大学の石黒浩教授の研究によると、人型のクッションを抱きしめるだけでもコルチゾールは減少するとのこと。ハグの癒し効果は、どうやら想像以上に大きいようです。

空っぽのカップからは何も注げない

本著には、ハグをはじめとして「フラート(異性とのアイコンタクトや会話、軽いスキンシップを楽しむこと)」のすすめやキスの効能、女性が誤解しがちなセックスとのつきあい方、セックスレス対策など、女性が生涯を通してスキンシップを楽しみ、自分をもっと大切にするためのアドバイスがつまっています。

ここ40年ほどで、欧米の女性の性に対する意識、オープンさがどんどん変わってきたというエリカさん。その大きなきっかけとなったのが、1998年に放送が開始された「Sex and the City(セックス・アンド・ザ・シティ)」や、イギリスの官能小説「Fifty Shades of Grey(フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ)」の大ヒットでした。

エリカさんによると欧米でも長い間、女性は性に対して消極的であり、男性ほど性欲がないと思われていたのだそう。フェミニズムの影響を受け、1970年代後半から少しずつ始まった変化が、キャリーやアナスタシアのような新しいヒロインを生んだのです。

日本人は「性」をネガティブなものとして捉えがちですが、性欲は健康のバロメーターであり、愛し合うことは食べることや眠ることと同じくらい大切で、自然なこと。

そんなエリカさんの考え方に、解放感を抱く人は多いはず。まずは自分が満ち足りること、「空っぽのカップからは何も注げない」という言葉が強く印象に残りました。

171105_love_diet_prof.jpgエリカ・アンギャルさん

2004年から8年間、ミス・ユニバース・ジャパン公式栄養コンサルタントとして世界一の美女を目指すファイナリストたちに「美しくなる食生活」を指南。栄養学、薬理学、生理学など予防医学における幅広い専門知識を駆使し、"内側からより美しく、心も身体も健やかに輝く"をテーマに、ハッピーな毎日のための食とライフスタイルを発信する。著書「和食の食べ方を知れば、女性はもっと美しくなれる」(学研プラス/2017年6月)、「SUPER BEAUTY SWEETS」(小学館/2015年7月)など多数。

ラブダイエット スイーツなしで体と心を満たす美の教科書

著者:エリカ・アンギャル出版:幻冬舎定価:1,300円(税別)

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