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パリ、ファッションの殿堂「コレット」が20年の歴史に幕

パリ、ファッションの殿堂「コレット」が20年の歴史に幕

パリ、サントノーレ通り。エルメスやシャネルなど、数々のラグジュアリーブランドが立ち並ぶストリートに燦然と輝くファッションの殿堂「Colette(コレット)」があります。

コレット・ルソーが設立し、娘のサラ・アンデルマンがクリエイティブ・ディレクターを務め、2人のセンスが詰まったコレットはいわばセレクトショップの先駆け。1997年3月にオープンし、ファッション関係者のみならず、世界中の感度の高い人々に支持されたカリスマショップが、2017年12月20日に20年の歴史に幕を閉じます。

思い出の詰まったファッションの殿堂

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コレットといえば、パリを訪れるたびにここを訪れることを「コレット詣で」なんて呼ぶ人もいるほど、モードな人たちの定番のアドレスでした。シャネルやフェンディで活躍したカリスマデザイナー、カール・ラガーフェルドも「パリで唯一訪れるのはコレット」と語っているほど、ファッションからカルチャーまで、世界中のトレンドをキャッチできる貴重な場所でした。

私自身、初めてこのショップを訪れたときの衝撃を今でも覚えています。ファッション、本、CD、雑貨、電化製品に至るまで、ひとめで選りすぐりとわかるセンスが感じられ、輝いて見えました。そのセンスを盗みたくて、パリ滞在中に通い詰めたのを昨日のように覚えています。そのときは、ラッキーにも夏のソルド(セール)の時期だったものの、まだ学生だった私は散々悩んだすえ、当時ステラ・マッカートニーがデザインしていた「クロエ」のカシミアのニットを購入しました。コレットで生まれて初めて手に入れたハイブランドの服は、何年も大切に愛用しました。

その後、パリを訪れるたびに「すごいショップがあるよ」と父やBFまで連れて「コレット詣で」をしました。とはいえ「そんなに興味ないだろうな」と思っていたので、男性陣の食いつき方に驚きました。まるで美術館を訪れた時のように、性別や年齢を問わず老若男女がトレンドに夢中になれる。コレットというカリスマショップのパワーに改めて衝撃を受けました。

最近では「A Bathing Ape」や 「Sacai」など、日本のブランドともコラボして話題を呼んだコレット。ハイブランド、ストリートブランドを問わず、独自の審美眼を持つショップがどう取り上げるかで、そのブランドが世界に及ぼす影響力を知る指針ともなりました。

クローズまであと約2か月。世界中の熱狂的ファンが殺到中

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閉店までカウントダウンが始まった2017年10月初め。カリスマショップの最後を見届けようと、店内には世界中から訪れる熱い人たちでいっぱいでした。

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ショップのテーマカラーであるコレット・ブルーで「Merci Colette(ありがとう、コレット)」や「Colette Forever(コレットよ、永遠に)」と描かれたコラボTシャツは売り切れ。オンラインでチェックしていたブルーのエッフェル塔のスノーボールも既になく、かろうじて残っていた「MIZENSIR」とのコラボキャンドルを手にすることができました。勿論、しばらく使わずにとっておくつもりです。

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世界中の水が飲めて大人気だった地階の「ウォーターバー」は、階段の上までの長い行列ができ大盛況でした。

ブランドがバトンを受け継いでいく「リレー」実施中

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現在、1か月ごとにひとつのブランドがショップの2階を占拠し、コレット最後の日々を盛り上げています。11月はシャネル、そして最後の月の12月はイヴ・サンローランがバトンを引き継ぐ予定だそう。じつは、コレットの跡地はイヴ・サンローランになるということで、新しくなるこのアドレスへの期待も感じさせる、ドラマティックなラインナップです。

コレットの閉店の理由は、コレット・ルソーに「自分のために時間を過ごしたい時期が来た。そしてコレット(ルソー)なしでコレットは成り立たない」ためだとか。「良いものには必ず終わりが来るもの」と、執着せず幕を閉じる姿に、有終の美を感じました。

The Guardian

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神田朝子
NY系東京人のライター/ピアニスト。 立教大学法学部を卒業後、外資系メーカーに勤務。2009年に渡米し音楽修行の傍らライターデビュー。2018年春に帰国。 得意分野はファッションやトレンド。楽しいことを探して東京を漂流する様子はInstagramでほぼ毎日更新中。 英語で学ぶ音楽教室「epiphany piano studio」主宰。

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