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ついに女性もコンサート解禁。サウジ皇太子の改革すすむ

サウジアラビアはイスラム教国の中でも保守的なことで知られ、とくに女性の権利が非常に限られている国。けれどもここ最近、わずかずつながら内部の改革が感じられるニュースが増えています。

たとえば、「Le journal des femmes」によれば、2017年1月、24年ぶりにポップミュージックのコンサートが解禁されたときは、サウジアラビアの都市ジッダに7,000人の男性客が集まったそうです。また、2018年頭には、娯楽施設である映画館の開館も予定されています。

少しずつ開かれる女性の自由

女性に関する大きな変化としては、2017年9月末に、女性の車の運転が可能になるというニュースが駆け巡り、世界を驚かせました(施行は2018年6月から)。そればかりでなく、スタジアムで女性がスポーツ観戦をすることも可能となるそうです。加えて、さらに驚いたことに、2017年12月には、女性客向けのコンサートまで開かれました。

これは同国では、歴史的な出来事でした。しかも、舞台には、女性のダンサーまで登場したのですから。

Le journal des femmes」より翻訳引用

このコンサートに登場したヒバ・タワジは、私の住むフランスでも2015年歌番組に出演して人気をかっさらった実力派歌手。女優でもある彼女、演技力にも問題はなく、2016年には、ミュージカル「ノートルダム・ド・パリ」のエスメラルダ役に抜擢されました。

聞けばわかるようになかなか官能的な声の持ち主で、彼女のコンサートの許可は、大胆な決断だったに違いないと想像できます。

皇太子ムハンマド・ビン・サルマーン

これらの内部改革を可能にしたのは、32歳のMohammed Bin Salmane(ムハンマド・ビン・サルマーン)皇太子。2017年11月には、王族や現職閣僚を含む数十人を拘束するという、大胆な汚職摘発も行った人物です。

こぼれ話的な余談ですが、「The New York Times」は、先ごろ4億5千万ドルという前代未聞の高値で競り落とされたレオナルド・ダ・ヴィンチ作『Salvator Mundi(サルヴァトール・ムンディ、救世主)』の匿名購入者は、ムハンマド皇太子に近い人物であったことを突き止めており、真の買い手は、皇太子その人であったと考えています。

ルーヴル・アブダビ美術館の最高のプロモート

大きな話題を呼んだこの『サルヴァトール・ムンディ』は、近いうちに、ルーヴル・アブダビ美術館で公開されることが決まっています。


この有名な絵画は、その後MBS(ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子)からアブダビへ友情の印として贈られたのかもしれない。

「Les Echos」より翻訳引用

なにしろ、レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナリザ』を一目見るために、全世界からパリのルーヴル美術館へ足を運ぶ人びとがいるのですから、『サルヴァトール・ムンディ』が鑑賞できると聞けば、アブダビ行きを検討する人は、かなりの数に上るのではないでしょうか。実際、私自身も、思わず真剣にアブダビ行き航空券を調べてしまった口です。

見ようによっては、『サルヴァトール・ムンディ』の落札と、その展示は、これ以上ないほど効果的な、美術館のプロモーション法といえます。 政治的にも、文化的にも、周りの度肝を抜くような大胆な決断をしてみせるこのムハンマド皇太子。今後どのようにサウジアラビアを改革していくのか、非常に興味深いところです。

Le journal des femmes, Les Echos

photo by Gettyimages

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冠ゆき
山田流箏曲名取。1994年より渡仏。大学院での研究の傍ら、国立大学や専門学校で日本語日本文化講師を勤める。2000年より、ポーランド五年、イタリア三年半、中国四年半の生活を経た後、2013年夏フランスに戻る。旅好きでもあり、今までに訪れた国は約40カ国。六ヶ国語を解する。多様な文化に身をおいてきた経験を生かして、柔軟かつ相対的視点から、フランスのあれこれを切り取り日本に紹介中。

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