春は、人間関係が新しくなる時期。新入社員やスタッフとのコミュニケーションも増えますが、どこか苦手意識や気の重さを感じてしまう人もいるのでは。
JTBコミュニケーションデザインが行った「コミュニケーション総合調査」の結果から、上手にコミュニケーションするためのヒントを探ってみましょう。
「コミュニケーションが苦手」って結構多い
まず、コミュニケーション全般について得意かどうかを問う質問では、全体で「苦手」「やや苦手」が58%と半数以上を占めました。職業カテゴリ別にみると、主婦が63%と顕著に高いですが、会社員も58%、リタイア層56%、大学生54%と続きます。つまり、職場の半数以上がコミュニケーションに苦手意識を持っていることになります。
また、コミュニケーションのうちで苦手なことを聞いてみると「複数の人の前で、発表すること」が75%とほぼ4人のうち3人が、次いで「初めて会う人と話すこと」が63%となっています。
逆に得意なことは「人の話を聞くこと」で77%と、主体的な発信は苦手だけれど、受け身のコミュニケーションは得意だと感じている人が多いことがわかります。
受け身でしかコミュニケーションできていない?
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ちなみに大学生は、会社員より苦手意識を持つ人が少ない傾向にありました。けれども、得意という回答が多い項目を見ると「メールやSNSなどでのやりとり」61%、「雑談すること」62%、「人の話を聞くこと」84%となり、どちらかというと受け身型のコミュニケーションにとどまっていることがわかります。
こうした大学生たちは、いずれ新しい若手社員やスタッフ候補となる可能性が考えられます。コミュニケーションを得意だと思いながらも実は受け身の新入社員と、そもそも苦手意識の高い上司という図式が浮かんできますね。上手にコミュニケーションをとるための課題は、このあたりにありそうです。
場数をふんで、苦手意識をのりこえよう
JTBコミュニケーションデザインによると、コミュニケーションの場数をふみ、スキルが向上すると、コミュニケーションが楽しくなるという「正のサイクル」があるといいます。
リアルなコミュニケーションの場数をふむ
↓
コミュニケーションスキルが向上する
↓
コミュニケーションが楽しくなる
↓
(上へ戻る)
この正のサイクルにうまく乗るためには、最初の「失敗を恐れずに、場数をふむ」というアクションが大事になってきます。
コミュニケーションはデザインできる
またJTBコミュニケーションデザインによると、コミュニケーションの苦手意識を克服するためのポイントは3つあるといいます。
1. 「リアルなコミュニケーション」を意識すること
2. 「憂うつな相手への対処」にも無理なく対処すること
3. 「コミュニケーションスキル」を高めること
あらためて考えてみると、コミュニケーションに対する苦手意識は「楽しいけれど苦手」と感じる、複雑な心情からきていることもわかります。 SNSでのやりとりは楽しくても、人前で発表することになったり、初対面の人と話したりする場面になると苦手意識が芽生えてきて、本来なら楽しく有意義な食事会や飲み会ですら、苦痛になってしまう。慣れていない相手とのリアルなコミュニケーションや、自分のスキルの自信のなさが苦手意識につながり、受け身になってしまうわけです。
でも、アンケート結果から分かるように、苦手意識は多くの人がかかえているもの。もしかしたら自信がありそうに見える相手だって、話すことは苦手だと感じているのかもしれません。最初は少し苦手意識があったとしても、まずはその場のやりとりを自分がデザインするようなつもりで、受け身の態度をやめてみる。場数をふむことで、コミュニケーションのスキルが向上すれば、苦手意識の克服につながりそうです。
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