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CONFERENCE:MASHING UP vol.1

「女性のための」プロダクトで社会を変える。NYミレニアル世代の発想 [MASHING UP]

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2018年2月22〜23日にトランクホテルで開催されたビジネスカンファレンス「MASHING UP」。Unleash Yourself (自分自身を解き放とう)のテーマの下、多彩なセッションやワークショップが繰り広げられました。カフェグローブはイベントに密着取材、パワフルな現場の様子をレポートします!

まさに今回のテーマである、Unleash Yourselfなトークからのスタートでした。

私たちが、普段胸の奥深くにしまって、オープンにディスカッションすることもないセクシャリティが、いきなり壇上でおしゃべりの対象になる。リスナーにはちょっとしたカルチャーショックだったかもしれません。

女性をエンパワメントしたい

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Dame Productsのジャネット・リーバーマンさん

MIT出身のエンジニアで、ビジネスパートナーのアレクサンドラ・ファインさんとともにセックストイ・メーカーDame Productsを立ち上げたジャネット・リーバーマンさんが笑顔で語り出したのは、彼女が世の中に送り出したカップルバイブレーターのEVAⅡ。ジェスチャーを使いながら「こうやって陰唇部にあてて使います。ほら、膣口をブロックしないでしょう」と説明。なんとも愛らしい形のEVAⅡは、ウォータープルーフ、非接触誘導充電でとても衛生的。初代EVAは、2014年にクラウドファンディングで57万5,000ドルを集めて商品化されました。

Finというフィンガーバイブレーションも、指にひっかけて使いやすい形になっていると説明するジャネットさん。「手にとって使いやすく、バンドを自由に回転させられる人間工学的なデザインになっていて、片面がフラット、反対側が突起になっています。カップルの間でも、ひとりでも、経験に埋没できるようなつくりなんです」

もともとはフライパンなど日用品、消費財のデザインをしていたジャネットさんが、こういったセックストイを開発しようと思ったのは、女性をエンパワメントしたいと思ったからでした。男性主導のセクシャリティを、女性からみても公平で、女性たちも主導して楽しめる世界にしたいという思いです。

男性主導のバイアスの存在に気づくべき

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東京大学生産技術研究所 RCA-IISデザインラボのスプツニ子!さん

後半は東京大学生産技術研究所 RCA-IISデザインラボのスプツニ子!さんも加わって、エンジニアとアーティストと職種は違うけれど、女性として当たり前のことが当たり前でないという、同じ意識を共有しているということで意気投合。

スプツニ子!さんが、テクノロジー関係のイベントを引き合いに出し「ステージに40人ほどあがっても女性が誰もいない。イベント主催者は、そのことに気づきもしないんです」という、私たちが日常で感じる男性優位な現象を指摘。そのうえで、「ジャネットさん、そんな世界を変えるためのヒントは何かありますか?」と聞きます。

「無意識な心理的バイアスがあるのは事実だけれど、そのバイアスがあること自体を知ることが大事ですよね。もし、男性しかいないパネルがあって、そこで女性がパネルの中に入れば、それまでがおかしかったということに気づきますよね」とジャネットさんが返します。

その意味で、無意識のバイアスはさまざまなところにあるねという話が二人の間で盛り上がりました。たとえば、開発のコードネームを「ティンカーベル」にしたら、男性エンジニアが「それはないでしょう」(女性の名前をコードネームにするなんて変だというバイアス)と言ってしまってから、自分は無意識にコードネームを男性的なものをつけていた、というバイアスに気づいたそうです。

権利のために闘うではなく、知的にオープンに語れる場を

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こんな具合で、世界のあらゆるマーケティングは男性が主な対象であり、そこに男女平等なセックステックを持ち込むことでバイアスを崩していきたい、とジャネットさんは言います。

「この業界で生き残るのは、フェミニスト。だって、アメリカの女性の51%はセックストイを使っているんです。知らないふりをしていただけ(笑)。だってこの問題にはずっと蓋をされてきたわけですからね。だから私たちはいろんな国、地域にセックストイを広げていきます! だって、すべての国、すべての世界でセックスをしているんです。みんながしていること、生活の一部なの」

女性参政権のために活動したスーザン・B・アンソニー、そして、ポルノ業界を根底から変えようとしているシンディ・ギャロップなど先駆者の名前もあがっていましたが、彼女たちも、私たちにとっては「当たり前の権利」を得るために立ち上がった女性たちです。

いまのテクノロジー時代、「闘う」というメンタリティよりも、このように知的にオープンに語られることの爽やかさ、軽やかさが、多くの女性たちが背負っていた荷物をばっさり下ろしてくれそうな気がします。

カフェでEVAの使い心地をワイワイいいながら話せる、そんな風景を当たり前にしていける。それをみんなでやっていこうよ、そうジャネットさんやスプツニ子!さんが後押ししてくれたセッションでした。

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SPOTLIGHT TALK – NYミレニアル世代女子が作った! 社会を変える「女性のための」プロダクト

MASHING UP 2018年2月22日 13:10-13:40 @トランクホテル 1F
Janet Lieberman(DAME Product)、スプツニ子!(東京大学生産技術研究所 RCA-IISデザインラボ)

[Yahoo! JAPAN]

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撮影/YUKO CHIBA、取材・文/Kikuko Yano

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