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岡本太郎が共鳴した1万年以上前の美。「心身がひっくり返る」ような衝撃を体験

美術品と認知されるようになった縄文土器・土偶

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重要文化財 遮光器土偶 東京国立博物館蔵 青森県つがる市木造亀ヶ岡出土 縄文時代(晩期)・前1000~前400年

この縄文土器。長らく「工芸品」カテゴリーに属していたのですが、これを「美術品」だと位置付けた人物をご存知でしょうか。かの岡本太郎です。

1950年代初頭、東京国立博物館を訪れた岡本太郎は縄文土器に衝撃を受けます——「なんだこれは!」と。

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国宝 火焰型土器 新潟・十日町市蔵(十日町市博物館保管) 写真:小川忠博 新潟県十日町市笹山遺跡出土 縄文時代(中期)・前3000~前2000年

その時の気持ちを、1976年、読売新聞で次のように語っています。

「戦後のある日、わたしは、心身がひっくり返るような発見をしたのだ。偶然、上野の博物館へ行った。考古学の資料だけ展示してある一隅に、不思議なものがあった。ものすごい、こちらに迫ってくるような強烈な表情だ

この出会いの後、彼は縄文土器について調べまくり、1952年、自ら『縄文土器論』を発表するに至っています。

彼をここまで惹きつけた魅力とはなんなのか。

その答えは、今夏開催される特別展「縄文−1万年の美の鼓動」に行けば見出せるかもしれません。

なぜ、衝撃を与えたのか。その魅力とは

観覧の参考にもしていただけるよう、僭越ながら、筆者の私見を交えて縄文時代の出土品のすばらしさについて簡単にまとめます。

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重要文化財 土製耳飾 江戸東京たてもの園蔵 東京都調布市下布田遺跡出土 縄文時代(晩期)・前1000~前400年

その1つ目は、造形美です。

日本には侘び寂びの文化があり、日本美術には引き算の美学、ミニマルな美しさが漂います。にもかかわらず『火焔型土器』を代表に、縄文土器は非常に装飾的。同時期の世界の土器と比較しても、このダイナミックなデザインはかなり独創的です。

効率よく食物を摂取すべく、煮炊き用の道具として生まれた土器。機能性を保ちつつ、そこにデザインの要素が足されたのには、土器にも土偶にも、呪術的な意味が含まれているからと言われています。

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国宝 土偶合唱土偶 青森・八戸市蔵(八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館保管)青森県八戸市風張1遺跡出土 縄文時代(後期)・前2000~前1000年

魅力の2つ目は、この祈りの美

祈る気持ちを表したデザインからはその時代を生きた人の思いや習慣を類推でき、とても面白い。たとえば祈りの姿そのものを象った『土偶 合掌土偶』を見ると、「数千年も前から、人は祈る際に胸の前で手を合わせていたのか!」との事実に気づきます。

なんだか不思議に思いませんか? そもそも、1万年以上前から人類が「ただ使えるだけでなく、美しいもの、心安らぐものを作ろう」としてきた、創作心の芽生えや意欲に筆者は感銘を受けてしまいます。

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重要文化財 ハート形土偶 個人蔵 群馬県東吾妻町郷原出土 縄文時代(後期)・前2000~前1000年

華やかな色が施されているなど、見た目が派手な展示品ではありません。ですが、「芸術は爆発だ!」で有名な岡本太郎が共鳴した、思わず叫びたくなる凄みや芸術の本質のようなものが感じられるはずです。

全国から国宝がそろいぶみ。派手でなくとも、眼福の展示品

これまでに9万件超が確認された縄文時代の出土品のなかでも、国宝指定されているのは6件のみ。縄文文化は日本列島全土に広がっているため、各所から出土し、各地で所蔵されています。その国宝6件が、一堂に会します(うち2件は7月31日から展示)。こんな機会はめったにありませんので、この夏は必ずや縄文展へ!

会場は、岡本太郎が縄文土器に出会った場、トーハク(東京国立博物館)です。1万年前の人類のすごさに、そして、これに芸術を見出した岡本太郎に。いろいろなものに思いを馳せる場となりそうです。

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重要文化財 人形装飾付有孔鍔付土器 山梨・南アルプス市教育委員会蔵 山梨県南アルプス市鋳物師屋遺跡出土 縄文時代(中期)・前3000~前2000年

特別展「縄文−1万年の美の鼓動」

期間:2018年7月3日(火)〜9月2日(日) / 場所:東京国立博物館 平成館(上野公園内) / 時間:9:30〜17:00(金土〜21:00、日および7/16〜18:00)※入館は閉館の30分前まで / 休館日:月、7月17日(火)※7/16、8/13は開館 / 観覧料:一般1,600円(前売券1,400円)

読者プレゼント ※終了しました

「縄文 - 1万年の美の鼓動(縄文展)」のチケットを5組10名様にプレゼントいたします。

【応募方法】件名を『カフェグローブ「縄文展」読者プレゼント応募』とし、お名前を明記の上、下記メールアドレスへご応募の旨をお送りください。当選者の方には後日、お届け先などをおうかがいするメールをお送りいたします。【応募メールアドレス】info_cafeglobe@mediagene.co.jp(@は半角に置き換えてください)【応募締切】2018年5月31日(木)23:59まで

縄文−1万年の美の鼓動

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多田亜矢子
編集&ライター。2006年、マガジンハウスに入社。雑誌『Hanako』『GINZA』編集部に勤務し、ビューティ、ファッション、グルメなどを担当。現在はフリーランスとして「Hanako.tokyo」や「FUDGE.jp」などで活動中。

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