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セックスに「正しい回数」はない。欲望は言葉で伝えて

The New York Times

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Image via Getty Images

セックスレス夫婦やセックスレスカップルにも、いろいろなかたちがあります。去年が一度もセックスをしなかった、過去半年間セックスをしていない、セックスの回数は1年に10回以下——。結婚しているカップルの15%は過去半年〜1年の間に一度もセックスがないという調査結果もあります。

実は、私も夫とセックスレスでした。

このことを私は今まで公然と話してきたのですが、何でも男性優位なこの社会でよく聞く話と自分の体験は少し違うな、と思っています。何故かと言えば、セックスに関心のないパートナーに「お願い」していたのは、女性である私の方だったからです。1年に10回なんて私たちの10倍、という感じでした。

「正しい回数」なんてない

婦人科医として、セックスレスの話題にはよく出会います。そして医者としてよく、1か月に何回くらいが「正しい」回数なのかと聞かれるのですが、正しい回数なんてない、というのが答え。パートナー同士が互いに本当に幸せならば、それがヘルシーなセックスライフと言えるでしょう。

もちろん性欲には浮き沈みがあるし、パートナーの片方が一時的に興味がないという場合もあるでしょう。振り返ると、私の場合、セックスの回数はあっという間に減っていきました。それ以外ではポジティブな関係だったので、これは一時的なことでまた増えるだろうと思っていました。男性の方が性欲が強いものだ、と思い込んでいたのです。

でも、再び情熱をよみがえらせようと、裸になって寝てみたり、夜セックスする日をスケジュールしたりというさまざまな試みがすべて失敗に終わったときには、何とバツの悪い気分だったことか。そして私は、同じように男性パートナーにセックスを拒まれた経験があるかどうか、遠回しに友人に尋ねるようになったのです。でも、彼女たちの答えは「あんまりないわ」でした。

離婚でもめている友人でさえ、まだ夫とセックスをすることがあると言うし、お互い嫌い合っているはずのカップルでさえ私たちよりもたくさんセックスをしていると聞いて、気分はまったく晴れない始末。私とパートナーはセックス的にはミスマッチで、彼はそれを解決することに関心がなかったのです。

悩みをシェアすることの安心感

自分がセックスレスを体験したことにより、診察室でもプライベートでも、私がセックスライフを語る女性たちに耳を傾ける姿勢は変わりました。

セックスライフはどうですか? と質問して、答えるのをためらったり、「まあまあです」といった当たり障りのない答えが返ってくる場合、私は友人でも知人でも、診察に訪れた初対面の女性でも「性欲はたいてい男性の側の問題なのよ」と言っています。

すると女性たちは皆そっくりな反応を示します。ちょっと間を置いてから、自分のせいではないんだという安心感が湧き、すぐにもっと話を聞きたいと言ってきます。多くの女性たちは信頼して話を打ち明けられる相手が見つかったと言って喜び、自分たちのセックスについて赤裸々に語ってくれます。

性欲の増減には様々なことが影響します。気分の落ち込み、薬の服用、ストレス、健康状態、心配事、過去のセックスのトラウマ、ポルノグラフィー、セックスのときに起きる痛み、パートナー関係における不満などなど。男性では、特に40歳を過ぎると勃起不全(ED)も一つの要因になってきます。まだ研究が進んでいない分野では、男性ホルモンの低下についても取りざたされています。片方のパートナーが両性愛者の場合も関係に影響があるかもしれません。

自分の欲求を言葉で伝えて

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Image via Shutterstock

一方で、人は新たな恋愛には文字通り、酔うものです。

MRI を用いた研究によると、新たな恋に落ちると脳の報酬系のスイッチがオンになり、まるで麻薬のような効果が生まれ、痛みに対する耐性が強くなることが分かっています。でも新たな恋がどれほど性欲に影響するのか、私には分かりません。

パートナーの片方が元々性欲が少なかったとすると、「新しい恋という麻薬」の効き目が落ちてくれば、性欲が強い方は不満を抱えるしかないのでしょうか?

私は、セックスを求める側は自分だという女性たちに、あなた一人ではない、と伝えたいのです。

パートナーのことを愛しているのならば、セックスに関する要望についても早く話した方がベター。セックスは気持ちよくできていれば、すればするほど欲しくなるもの。私が試みたように裸で寝てみたり、セックスの日を決めたりしてもいいかもしれません。けれど、あなたが望むように事態が変わらない場合は状況に応じて、カップルカウンセラーやセックスセラピスト、臨床心理士あるいは医師の助けが要るかもしれません。

性の問題とパートナー関係は複雑なものです。性欲が強いとか中くらいだとか弱いといったことに良し悪しはありません。ただ、あなたは自分が欲しているものを望んでいるだけ。自分がどうして欲しいのか、口に出して言うことをしなければ、相手にそれを知ってもらうことは期待できません。

© 2018 The New York Times News Service [原文:When the Cause of a Sexless Relationship Is — Surprise! — the Man/執筆:Jen Gunter](抄訳:Tomoko.A)

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