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45歳過ぎの転職希望者が自信を持っていい、これだけの理由

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45歳を過ぎての転職は、ヨーロッパでも久しく難しいとみなされてきました。しかし、採用を受け入れる企業が近年徐々に増えてきています。働く女性を応援する団体Force Femmes(フォルス・ファム)によれば、フランスでも、スーパーマーケットチェーンCarrefour(カルフール)、ファッションブランドCamaïeu(カマイユー)、コスメ専門店Sephora(セフォラ)、保険・金融グループAxa(アクサ)などの大企業が、45歳以上に雇用の門を開き始めました。公務員公募の年齢制限も徐々にゆるくなってきています。

いったいなぜなのでしょうか。

女性向けビジネス誌のBusiness O Fémininから、フォルス・ファムの起業部門担当Agathe Savioz(アガトゥ・サヴィオズ)と、ヒューマンキャピタルマネージメント専門会社ADPのEMEAマーケティングディレクターChristine Sauvaget(クリスティヌ・ソヴァジェ)の意見を拾ってみましょう。

粘り強く、主体的。

まず、40代半ば過ぎの人材は、これまでの経験からある程度のハードスキルを備えていることが想定されます。即戦力になるというポイントは、当然、転職に有利な点です。

けれども、それに勝るとも劣らぬ利点は、そのソフトスキルにあります。どんな状況でも解決策を見出す粘り強さ年の功の長たるものと言える主体性をアガトゥ・サヴィオズは挙げています。

後ろに引かぬ粘り強さに加え、主体性を持っていることも価値のひとつです。

「Business O Féminin」より翻訳引用

実は若い世代よりフレキシブル?

また、従来はフレキシブルさに欠けるとみなされてきた40代ですが、実際のところは、若い世代よりも、かえって融通が利く世代であると、専門家は明言します。

例えば、クリスティヌ・ソヴァジェは、この年代の人材の長所を次のようにまとめています。

彼らは自分の能力をコントロールでき、チームワーキングの何たるかを知っていて、職場に馴染むのも早いのです。

「Business O Féminin」より翻訳引用

さらに、給与を含む条件についても譲歩するフレキシブルさを持っていると、アガトゥ・サヴィオズは指摘します。

フォルス・ファムの45歳以上の女性のうち73%が、転職に当たり、何らかの譲歩をしました。25%は地理的な移動を受け入れ、10人に7人は給与額ダウンを受け入れました。そのうち35%の人にとっては30%もの引き下げでした。そうして、それらの譲歩にもかかわらず、65%が今のポストに満足していると回答しています。

「Business O Féminin」より翻訳引用

たとえ給与が下がっても、業務の内容が面白ければ転職の意味があると考えられるのは、やはり、人生における価値観がそれなりに確立した大人の見解であるように思います。

職場に与えるこんなメリットも

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転職者自身の能力や長所以外にも、この世代の転職者を受け入れることは、職場へメリットをもたらします。

世代間マネジメント国立センターOMIGの2015年アンケート調査によれば、世代間の交流を円滑にすることで、企業の85%が仕事の効率を上げることができます

「Business O Féminin」より翻訳引用

男女の比率を半々に近くすることで仕事の効率が上がるということについては以前にも紹介しましたが、世代についても同じことが言えます。異なる複数の世代同士が混ざり影響し合うことは、仕事のパフォーマンス向上に役立つわけです。

転職するときは、この2つをアピールして

このように、45歳以上の転職者は、多くのメリットを企業にもたらすことができるのです。クリスティヌ・ソヴァジェは、求職者本人がそれをしっかり意識し、次の2点をアピールすることを薦めています。

これまで様々な変化に適応してきたことと、新しい知識の獲得に意欲的であること。

「Business O Féminin」より翻訳引用

そのためには、例えば、研修を受ける機会は逃さない。また、たとえボランティアでも、積極的にかかわった活動があれば、それを履歴書に書くことを薦めています

そう考えれば、子育てで仕事を中断した時期があっても、その間、PTAで活躍したのであれば、それも立派な履歴のひとつと考えられるということでしょう。

65歳での定年が増えてきた昨今、45歳の時点で、労働年数はまだ20年も残っている計算になります。人生における仕事の価値を熟知している世代だからこそ、身につけている長所の数々を、もっと本人が意識し、アピールしても良いのではないでしょうか。

そういう40代が増えることで、さらに多くの企業が、そのメリットに気づくに違いありません。

Business O Féminin+

Image via Shutterstock

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冠ゆき
山田流箏曲名取。1994年より渡仏。大学院での研究の傍ら、国立大学や専門学校で日本語日本文化講師を勤める。2000年より、ポーランド五年、イタリア三年半、中国四年半の生活を経た後、2013年夏フランスに戻る。旅好きでもあり、今までに訪れた国は約40カ国。六ヶ国語を解する。多様な文化に身をおいてきた経験を生かして、柔軟かつ相対的視点から、フランスのあれこれを切り取り日本に紹介中。

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