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頭痛持ちさんに朗報。もう薬に頼らなくてもいいんです!

The New York Times

もう何年も前のことですが、来客のために料理をしたり家のカーテンを縫ったりという一見関係がないようなことをしていて、ひどい頭痛に悩まされていた時期がありました。ガスや布にアレルギーがあるのかもしれないとも思っていました。そして、ある日気づいたんです。何かに集中しているとき、顔の筋肉が緊張しているということに……。

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Paul Rogers/The New York Times

緊張を感じたら、意識的にリラックスを

それを治すのは驚くほどシンプルでした。体の反応を気にかけるようにして、みずから行動を変えるようにしました。緊張で頭痛を引き起こしそうなタスクに集中しているときには、意識的に筋肉をリラックスさせるようにしたんです

それから約50年後、いまでは急いで料理をするとき(たとえ簡単な食事でさえ)に痛むのは腰になりました。背中の筋肉に緊張が伝わっていると気がついて、また筋肉をゆるめることを学ばなければなりませんでした。何か作業をするときには、もっと時間を取ってゆっくりと終えることにしました。先日は8人分のディナーを準備しましたが、痛みはまったくありませんでしたよ。

心の持ちようで痛みも変わる

自覚して行動を変えれば、どんな鈍痛や痛みも治ると言いたいのではありません。しかし、最近の研究でわかっているのは、心というものは薬以外のほかの治療法とともに慢性や繰り返す痛み、とくに腰の痛みを和らげるのに強力な助けになりうるということです。

神経外科医で疼痛専門家であるジェームズ・キャンベル医師いわく、「ベストの疼痛治療は、鼻のすぐ下(脳)にあるんです」。彼は「必要以上に大騒ぎ」はしないほうがいいと言っています。つまり、痛みイコール破滅だとは思い込まないほうがいいのだそうです。

緊急の痛みは、なにか起こっていて手当てが必要だという自然のシグナルです。しかし、キャンベル医師は、慢性的な痛みはシグナルとしてはもはや役立たないけれど、痛みを恐れる気持ちが苦しみを継続させることにつながりかねないと述べています。

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Image via Shutterstock

薬に頼るより、開き直るほうがいい

「痛みが深刻な状態の兆候でないなら、痛みとともに生きてゆくことが学べます」と、ジョンズ・ホプキンズ・メディカル・インスティテュートの教授でもあるキャンベル医師は言います。「痛みを抱える人は、痛みゆえに動くのをやめようとします、すると筋力が落ちて、痛み関連の問題が増えるという悪循環に陥ることが多い」と説明しています。

慢性の痛みに強い薬を使うのは、状況を悪くする一方になりかねません。どんどん投薬量を増やしていかなければならなくなるからです。それを知っている専門家たちは、薬以外の、また非侵襲性の治療(切開等を伴わない治療)を模索しつつあります。中には、慢性の痛みを緩和するのにかなり効果があるとわかっているものもあります。

慢性の腰痛に悩んでいるなら……

米国内科学会(American College of Physicians)は最近、慢性および繰り返し起こる腰痛を治療するための薬以外の治療法の新しいガイドラインを発表しました。成人の4分の1が腰痛に悩み、アメリカでは1年に1000億ドル(約11兆円)を超えるコストが費やされています。

「治療にかかわらず」腰痛患者の多くが時間の経過にともなって状態が向上することを記しながら、同学会では(患部の表面を温める)温熱療法、マッサージ、鍼、または背骨の整骨(カイロプラクティックまたはオステオパティック)などの治療法を薦めている。慢性の腰痛がある人には、エクササイズ、リハビリ、鍼、太極拳、ヨガ、漸進的筋弛緩法、認知行動療法、マインドフルネスストレス低減法などが提案されています。

腰痛には鍼とヨガ。関節症には太極拳

薬を使わないペインマネジメントは、アメリカ国立衛生研究所の一部門である、アメリカ国立補完統合衛生センターの研究者たちの最優先事項の一つとなっています。腰痛、繊維筋痛症、強度の頭痛、膝の関節痛、首の痛みといった一般的な痛みに対する、薬以外の治療の効果を総合的にまとめたリチャード・L・ナヒン氏とチームによる記事が「メイヨー・クリニック・プロシーディングス」誌に発表されました。

綿密に行なわれた臨床試験からの証拠により、研究チームはこれらの補完的アプローチには「患者が痛みに対処するのに役立つようです。腰痛には鍼とヨガ、変形性膝関節症には鍼と太極拳、首の痛みには適量のマッサージ療法が短期的に効いています。ひどい頭痛や偏頭痛にはリラクゼーション・テクニックが役立つようです」と報告しています。

また、それほど強い証拠ではありませんでしたが、マッサージ療法や背骨や骨の整骨も腰痛持ちの人に効果があることも示されています。リラクゼーション・テクニックと太極拳は、繊維筋痛症の患者が痛みをやわらげるのに役立つこともあります。

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マインドフルネスでストレスを低減

最新の研究のひとつに、ダニエル・C・チェーキン氏とシアトルのGroup Health Research Instituteおよびワシントン大学のチームが行なったものがあります。これによると、マインドフルネスストレス低減法や認知行動療法が、慢性の腰痛の痛みを和らげ機能を回復するのに「従来のケア」よりも効果があったそうです。

CBTと呼ばれている認知行動療法は、問題の捉え方を変える方法を教えるものです。「CBTがいろいろな痛みに効果があるという証拠はすでにありました」とチャーキン氏は言っています。「われわれの研究でわかったのは、機能障害と痛みの強さを緩和するのにCBTとマンドフルネスストレス低減法は同等だったということです」

同チームは、2年後に追跡調査を行ない、マインドフルネスストレス低減法またはCBTを受けた患者は、従来の治療を受けた患者よりも回復する可能性が高かったと、2017年2月に発表しています。

保険が効く治療法を賢く選ぶ

ですが、薬以外の方法で痛みの治療をすることには、大きな問題が二つあります。一つは、補完的な治療法とその施術者に対して保険が効かない場合があるという点です。治療費を自分で負担するとなると、患者の多くは保険が使える投薬治療を選んでしまいます。たとえ、それが悪循環を生む可能性があるとしても。

二つ目の問題点はアクセスです。都市部以外の住民にとって、認知行動療法やマインドフルネスストレス低減法に通じている療法士を見つけられないこともあります。マッサージ師や太極拳の先生、鍼の施術者にでさえもアクセスがないことも。

でも、見過ごされがちなオプションがもう一つあります。それは理学療法。理学療法士には比較的アクセスがあり、また通常保険もききます。適切な理学療法は回復を早めてくれることもあり、また、活動しないことも含めて、痛みを起こしたり悪化させるどんな状況を避ければよいかも患者は学ぶことができます。

© 2017 New York Times News Service[Alternatives to Drugs for Treating Pain/執筆:Jane E. Brody](翻訳:ぬえよしこ)

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