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高級ホテルのマーケティング部長は元軍人

The New York Times

ニューヨーク・タイムズの人気コラムVocations。さまざまな職業に就く人にインタビューし、一般に知られていない仕事の内容を紹介します。

ローズウッド・ホテル・グループの米州・欧州地域販売営業部長 キャロライン・マクドナルドさん(54歳)

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ローズウッド・ホテル・グループの販売営業部長を務めるキャロライン・マクドナルドさん。2018年2月28日ビバリーヒルズにて撮影(Melissa Lyttle for The New York Times)

──始めから今の仕事に就くことを予想していましたか?

全く考えていませんでした。動物好きだったので、獣医に憧れていました。初めて働いたのは15歳の時で、母がロサンゼルスで経営していた小さな電話代行サービス会社でアルバイトをしました。クライアントのために伝言を受け付け、クライアントから連絡があると、リアルタイムに伝言を伝えるというビジネスが存在した頃の話です。高校卒業後は、進路や方向性が定まっていませんでした。なので、1984年に空軍に入隊することにしました。

──なぜ空軍に入ったのですか?

学費補助があり、専門性をつけさせてくれると思ったからです。それに、旅がしたかったんです。募兵事務所での面接では、「異国に旅して異文化に触れ、海外で働きながら大学に行きたい」と夢見がちに語ったくらいで、さながら映画『プライベート・ベンジャミン』の一場面のようでした。

二等軍曹からホテル業界へ転身

──空軍に入ったことで、どのようにキャリアが拓けましたか?

軍では事務職や指揮官の適性が高いと評価され、ドイツに派遣されました。平時の役割として事務職に就きました。その後、戦時に備え、核・生物・化学兵器の副次的影響のプロット図を作成するための訓練を受けました。等級にして二等軍曹にまで昇進しました。それから再入隊した際にはスペインに派遣され、メリーランド大学のシステム管理の学位を取得しました。軍隊経験のおかげで論理的、合理的、多角的に物事を評価する力と、指導力が培われ、規律やチームワークを学ぶこともできました。

──放射性降下物のプロット図を作成する仕事と、高級ホテルの販売営業戦略を策定する仕事にはかなりギャップがありますが、どんな経緯でキャリアチェンジしたのですか?

兵役を終える頃には、自閉症の娘を持つシングルマザーになっていました。家族のいるカリフォルニア州カーメルに戻ったものの、プログラミングの仕事はほぼ皆無だったので、隣町モントレーの小さな独立系ホテルの営業事務アシスタントの仕事に就きました。

それから半年もしないうちに営業マネージャーになりました。その後、2001年に高級ホテルチェーンのオーベルジュ・リゾーツに入社し、昇進を重ねて2013年には最高マーケティング責任者になりました。同じ時期にペパーダイン大学のMBAも取得しました。2016年に米州・欧州地域の販売営業部長としてローズウッド・ホテル・グループに採用されました。ローズウッドは26軒のホテルを傘下に置き、2018年3月にラオスでホテルを開業したほか、16拠点のオープニングを計画しています。

夫とのツーリングが気分転換に

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キャロライン・マクドナルドさん

──高級ホテルの謳い文句には「知る人ぞ知る」だとか、「オーダーメイド」「匠」「魅惑的」と言った使い古された言葉が並んでいます。どのような工夫をしていますか?

確かに、ありふれた表現になりがちであることは否めません。ローズウッドは1980年に最初のホテル「The Mansion on Turtle Creek」をダラスで開業しました。それ以来、「a sense of place(土地に根ざしたユニークな体験)」というキャッチフレーズを打ち出しており、2000年には商標登録もしました。とはいえ、どのホテルも細部にまでこだわったおもてなしをお客様に提供することで、差別化をはかっていると思います。こだわりのおもてなしこそ、ありふれた水準を超えるサービスにつながるプラスアルファの要素です。

──高級ホテルチェーンの仕事と、プライベートの生活や価値観をどう両立させていますか?

家族とボランティア活動のおかげで、広い視野が維持できています。娘のケイシーは高機能自閉症ですが、31歳になり、活発で充実した生活を送っています。娘や夫のボブがいるからこそ、地に足をつけ、現実離れした感覚に陥らないですんでいます

毎週金曜日の夜には、家族3人でロサンゼルスのダウンタウンに行き、Share a Mealというボランティア団体の活動に参加して、できたてのブリトーをホームレスの人たちに配っています。また、ホームレスを対象とした職業訓練や就労支援を手がける非営利団体のChrysalisの理事も務めています。気分転換をしたくなると、夫婦でバイクに乗って、カリフォルニア沿岸を疾走しています。

© 2018 New York Times News Service[原文:Her Start in the Air Force Led to a Surprising Place/執筆:Perry Garfinkel](翻訳:Ikuyo.W)

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