2019年5月、平成は新しい年号に変わります。
このことにより、「平成生まれ」や「昭和生まれ」など、生まれた時代による人々の考え方の違いや感覚の違いが、改めてクローズアップされることが増えそうです。
そこで、何がどれくらい違うのか、この機会に振り返ってみたいと思います。
高度成長期とバブル崩壊後の日本の違い
ソニー生命保険株式会社が実施した「生活意識調査」では、比較しやすいよう20~28歳の男女を「平成生まれ」、52歳~59歳の男女を「昭和生まれ」として調査を行いました。
つまり、平成を迎えた年にすでに若手社会人として活躍していた男女(52歳~59歳)を「昭和生まれ」と設定しているということです。
その人たちが生まれた昭和30~40年代あたりは、高度経済成長期で景気も右肩上がりを続け、三種の神器といわれた洗濯機、冷蔵庫とともに白黒テレビが普及、アメリカをはじめとする海外の文化がたくさん流れ込んできた時代です。
翻って平成生まれの人たちは平成10~20年あたりの生まれ。内閣府景気基準日付では、バブル崩壊のスタートが平成3年(1991年)3月からと認定されているので、今回の回答者は、バブル崩壊後の社会を生きてきた世代といえます。
意外? 人生に夢を持っているのは「平成生まれ」
そんな両者に「人生における夢や目標を持っているか持っていないか」を聞いてみたところ、平成生まれでは「持っている」が55.6%、「持っていない」が44.4%という結果に。一方、昭和生まれでは「持っていない」が54.4%、特に夢や目標はないという人が半数以上を越えています。
ある意味豊かさのピークを経験してしまったという感がある昭和生まれよりも、平成生まれの方がこれからの人生に明るい夢や目標を持ってチャレンジしているということなのかもしれません。
一方、「 給料vsやりがい、どちらが重要か」という問いには、平成生まれは「給料」、昭和生まれは「やりがい」と回答しています。こう聞くと、平成生まれはドライなのかと感じてしまいますが、勤務先でのイベントについて「積極的に参加したいかプライベートを大切にしたいか」を聞いてみると、「プライベートを大切にしたい」は平成生まれは61.5%、昭和生まれは71.3%と平成生まれの方が参加に積極的な傾向が。若い社会人は飲みニケーションに消極的、などと言われることがありますが、本当はそんなこともないようです。
楽観的な平成生まれ
日本経済のこれからについてどう思うかも見てみましょう。「良くなっていくと思う」は平成生まれ42.2%、昭和生まれ31.0%。平成生まれのほうが今後の日本経済を楽観視していることがわかります。
こうやって見ると、生まれた時期によって物事の捉え方はやはり変わってくるようですが、一般的なイメージと異なることが多いことに驚きます。ですが、対象者の年齢による違いも考えると、もしかしたら、平成生まれも昭和生まれも、私たちに大きな違いはないのかもしれません。
最後に「この人は平成生まれだな」と感じる言動を聞いたところ、1位は「すごい、感動などの意味で『ヤバイ』と言う」、逆に「この人は昭和生まれだな」と感じる言動を聞くと、1位は「あたり前田のクラッカーと言う」なのだそうです。ほかにも、「固定電話を持っていない」「上司にタメ口で話す」(平成生まれ)、「カップルのことをアベックと言う」「飲み会の席で頭にネクタイを巻く」(昭和生まれ)など、確かに「あるある!」 と思うシチュエーションが並びます。
来年に控えた新しい年号では、どんなものが流行り、どんな社会になっていくのでしょうか。もしかして「ヤバイってどういう意味ですか?」なんて言われてしまうときが、そう遠くない時代に来るのかもしれません。
Image via Shutterstock

イベント
おすすめ
JOIN US
MASHING UP会員になると
Mail Magazine
新着記事をお届けするほか、
会員限定のイベント割引チケットのご案内も。
Well-being Forum
DE&I、ESGの動向をキャッチアップできるオリジナル動画コンテンツ、
オンラインサロン・セミナーなど、様々な学びの場を提供します。