「若手は、まずオフィスの掃除ができてこそ」。私たちが入社した頃は、当たり前に上から言われていたものです。
当時は疑問すら感じていませんでしたが、最近の新人からは速攻で「何でですか?」と、真顔で聞き返されます。はて、何と答えたら良いものかしらと途方に暮れることもしばしば。
島田慎二著『オフィスのゴミを拾わないといけない理由をあなたは部下にちゃんと説明できるか』より、リーダーとしてあるべき姿勢をご紹介します。
部下を引っ張る上司になるには?
著者は、30歳で海外出張専門の旅行代理店を立ち上げ、大手がひしめく旅行業界で年商40億円企業に育て上げた人物です。その後、存続の危機にあった千葉ジェッツの再建を担う形で社長に就任。売上高・集客力ともにトップクラスの球団へと再生させた実績を持っています。
経営理念は会社の在りようとして大切なのはもちろん、ビジネスで結果を残すために大事なのです。(中略)そんな失敗と成功から確かにつかんだのは、やはり経営は人がすべであり、どれだけ人の心を一つのベクトルに向かわせられるかで勝負が決まるということです。そしてそれは、一朝一夕にできることではなく、魂のこもった理念をあらゆる活動に落とし込んでいくことでしか成しえないのです。
14ページより引用
著者は、これまでの経営者人生を通して、大事なのは経営理念であると語ります。その経営理念に基づいて、著者は以下のルールを社内に設定したのだとか。
残業は原則禁止。
会議は15分まで。
就業時間中の喫煙は禁止。
デスクにはスマホを置かない。
オフィスは毎朝掃除して整理整頓する。
たとえば、オフィスのゴミを拾うことは、生産性を高めるため。掃除がその会社の経営理念にしっかりと紐づいていれば、リーダーとして説明もできて納得もできるというものです。
いまさらながらの経営理念、侮りがたいものがあります。
部下からの尊敬に値しない“KYリーダー”って?
いくらすばらしい経営理念であっても、隅々にまで浸透させていくには、中間にいるリーダーが部下に対してしっかりと説明し、説得し、納得させることが不可欠でしょう。
リーダーは、部下に求める以上に厳しく自己管理を行わなければ、その活動成果は弱まると著者はいいます。
組織でリーダーとしての立場が与えられたからには、リーダーシップを身につける必要があります。そのリーダーシップの中でも、絶対欠くことのできない要素、それは人間的な規範となることではないかと私は思っています。(中略)なぜなら、尊敬できないリーダーから教育される人たちは「あの人がああなのに、どうして自分がこうしなくてはならないのか」という理屈が成り立つからです。
166・167ページより引用
飛び抜けた業績を上げるという観点ばかりではなく、何より自己管理の点で優れているリーダーであることが大事なのだとか。
部下からの尊敬に値しないリーダーは、「KYリーダー」。空気や状況を読めず、的確な判断ができないにも関わらず、それを意に介さずに強引に自分の裁量でことを動かそうとする……。
そうならないためには、「まず自分が動く」という姿勢を常に持つことが大事なのだそうです。
部下は想像以上に、良くも悪くも上司の言動をチェックしているもの。行動できて、説明できるリーダーを目指していきたいものです。
オフィスのゴミを拾わないといけない理由をあなたは部下にちゃんと説明できるか
著者:島田慎二
発行:アスコム
定価:1,500円(税別)
Image via Getty Images

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