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恋愛とビジネスの意外な関係。相手の心に響くコミュニケーションとは?

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コミュニケーション能力が必須と言われる現代において、「相手の心に響くコミュニケーション」とはどんなものなのでしょうか。

先日、スピーチライター・蔭山洋介氏の最新作『なぜ、あなたの話は響かないのか』の出版を記念して、「信頼と価値の時代の『コミュ力2.0』とは?」と題したトークイベントが開かれました。

ゲストは社会学者の宮台真司さん、15歳で起業し現在も経営者として働く正田圭さん、朝日新聞記者の藤えりかさん。著者の蔭山さんをモデレーターに、これからの時代に求められるコミュニケーションについて、ビジネスと恋愛、2つの文脈から意見を交わしました

相手をコントロールしようとしない

恋愛に関する著書も多い宮台さんは、恋愛のコミュニケーションにはビジネスや他のコミュニケーションに通じるさまざまな要素が集約されるといいます。

「ダメなコミュニケーションの典型とは、相手にどう思われるかばかりを気にすること。それは単なる自己防衛です。

『こんなに愛しているのに、なんで僕のことを愛してくれないんだ!』と思うのは、相手をコントロールしようとしているコミュニケーション。自分がどう思われるかというのは結果であって、原因ではない。そこを操作しようとしてもコミュニケーションはうまくいきません」

コントロールしない人ってどんな人?

ここで蔭山さんが正田さんに「社長はモテるのでは?」と質問。ところが正田さんはすかさず、「お金を持っているとモテにくいですよ」と答えます。

「起業家で成功していてモテる人は多いですが、それはお金を持っているからではなく、他の魅力があるからです。一番モテるのはヒモだと思います

お金がある人は、お金でなんでもコントロールする人だと思われるからモテない。ここで言う「ヒモ」とはその逆で、相手をコントロールしようという立場からはまったく逆側に立つ人のことなのだとか。

それではなぜ起業家がモテるのか。起業家とヒモ、両者に共通するのは「自信」

自信があることで、ある程度空気を読まず、自分がどう思われるのかを気にしすぎないコミュニケーションをとることができる。それが相手をコントロールしようという態度を感じさせず、信頼関係を築くことに繋がるのかもしれません。

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相手と良い関係を築くコミュニケーションとは?

では、「良いコミュニケーション」とは一体なんなのでしょうか?

宮台さんは「相手をコントロールしようとすること」の対極に、「相手になりきること」があるのだといい、それこそがコミュニケーションにおいて大事なことなのだと説明します。

「僕には子どもがいますが、彼らのことを僕は子ども扱いしません。『どうせ子どもには分からない』と子ども扱いすると、彼らはそれに気づくんです。

恋愛のコミュニケーションにおいても同じで、恋愛が得意じゃない男性って、最初に「この人は女だ」というところから入るんですよね。男/女というカテゴリーに縛られて、相手に『なりきる』ことができていない

そうではなくて、相手になりきって接すること。相手はなりきってもらったと気づいた瞬間にモードを変えますから」

なりきることでコミュニケーションはうまくいく

藤さんは、読者と語り合うイベントを一昨年から実質的に個人で開催しています。新聞の発行部数が右肩下がりの中、ネットで始めた連載の読者を増やそうとの狙いだったのですが、口コミでイベント参加者は少しずつ増えたそう。並行して、テレビ出演など新たな発信の場も広がっているのだとか。

読者イベントが盛況となった鍵は、藤さんと読者のみなさんがお互いに、「朝日新聞記者の人」「〇〇会社の人」というカテゴリーを取り払ったコミュニケーションをしたからではないか、と藤さんは分析します。

「紙に書き、ネットに書き、Twitterでもつぶやき、リアルなイベントもする。そうすることで読者との距離が縮み、個人としての『藤えりか』を見てくれるようになったと感じています」

「大切なのはスキルではなく、心構え」

みなさんの話から、恋愛とビジネスにおけるコミュニケーションには、意外な共通点があることがわかりました。

「ビジネスにおいても恋愛においても、現代に『コミュ力格差』はあります。しかしどちらにも共通して言える重要なことは、表面的なスキルではなく、心構え

今回のトークセッションをまとめると、究極的には来るもの追わず去るもの拒まずの精神でヒモになれ! ということですね(笑)」と蔭山さんが会場を湧かし、イベントが終了しました。

交渉や営業、恋愛のアプローチでも、つい相手にYESと言ってもらうことに夢中になって、自分のことばかり考えてしまいがち。だけどそんなときは相手をコントロールしようとせずに、相手の立場になってみましょう。そうすることでいろんなコミュニケーションがスルスルうまくいくかもしれません。

なぜ、あなたの話は響かないのか

著者:蔭山洋介
発行:ディスカヴァー・トゥエンティワン
定価:1,620円
内容:なぜ、表面的なスキルだけではもう通用しないのか?なぜ、デキる営業マンほどお願いをしないのか?「論理的な話し方」よりも「雑談力」よりも大切な、相手の心を動かすコミュニケーションの秘密。3000人以上を指導してきた著者が教える、あたらしい「自分ブランドのつくり方」!

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蔭山洋介(かげやま・ようすけ)さん
スピーチライター。パブリックスピーキング(講演、スピーチ、プレゼン)やブランド戦略を裏から支えるブレーンとして活躍。著書に、『パブリックスピーキング、人を動かすコミュニケーション術』(NTT出版)、『スピーチライター言葉で世界を変える仕事』(KADOKAWA)がある。


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宮台真司(みやだい・しんじ)さん
社会学者、首都大学東京教授。東京大学文学部卒。東京大学大学院社会学研究科博士課程満期退学。社会学博士。社会システム理論を専門分野とする一方、性風俗、セクシュアリティなどについての研究も行う。『終わりなき日常を生きろ』『日本の難点』『どうすれば愛しあえるの』など著書多数。


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正田圭(まさだ・けい)さん
TIGALA株式会社CEO。連続起業家。15歳で起業。インターネット事業を売却後、M&Aサービスを展開。事業再生の計画策定や企業価値評価業務に従事。2011年にTIGALA株式会社を設立し代表取締役に就任。著書に『サクッと起業してサクッと売却する』『15歳で起業したぼくが社長になって学んだこと』などがある。


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藤えりか(とう・えりか)さん
朝日新聞記者。経済部や国際報道部などを経てbe編集部兼GLOBE編集部。世界の映画人へのインタビューを通して世界情勢に斬り込む「シネマニア・リポート」をウェブ版「GLOBE +」(http://globe.asahi.com/series/11013176)で連載、その取材をAbemaNews「けやきヒルズ サタデー」でも紹介。著書に『なぜメリル・ストリープはトランプに噛みつき、オリバー・ストーンは期待するのか』。

取材・文/岩澤春香(Cafeglobe編集部)

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