いま注目しておくべき、世界の先端で活躍中の女性たちとは?
2018年、とあるカンファレンスに登壇した3人の女性たちに注目してみましょう。
「匂い」とテクノロジーの接点を探求
まずは、SSS Labのファウンダー、シセル・トラスさん。彼女は、長年「匂い」を専門に研究を続ける第一人者です。
なんと、彼女が分析する匂いの分子は1万以上。例えば、ガス爆発事件に関連した特定の匂いのコードを与えれば、その事件を匂いにより想起するなど危険察知のケースでも活用できるといった人間の五感とテクノロジーの接点におけるイノベーションを追求しています。
世界を3つの単語でアドレス化
次に、what3wordsのCCO、クレア・ジョーンズさん。
what3wordsでは、地球全体を3m×3mに区分して、単語3つによる新住所を割り当てるシステムを開発しています。これにより住所を持たない約40億人のインフラが格段に向上。遊牧民の多いモンゴル政府や途上国の遠隔地に医療サービスを届けるために、国連でも正式に導入しているのだとか。
前職はCIA。アフリカ系米国人の宇宙飛行士
そして、宇宙飛行士のジャネット・エプスさん。
彼女は、物理学などの専門家で、フォード社で技術スペシャリストとして働いた後、CIAで技術情報担当官として7年間勤めたという異色の経歴の持ち主。アフリカ系米国人では初のISS滞在者として厳しいトレーニングを積み、注目を集めていた人物ですが、急なミッション変更により実現は果たせずに。
ベルリンのイノベーション・フェス TOA
このような仕事も観点の様々な女性たちが、他の登壇者とともにステージに立ったのが、“第二のシリコンバレー”とも呼ばれるベルリンで、7月に開催されたTOA(Tech Open Air)。
TOAは、いわゆるビジネス会議や見本市とは一線を画し、オープンエア(今年からは室内会場もあり)でビール片手に討論やセッション、ネットワーキングを楽しみながら、最新のテクノロジーやアートに触れられるイノベーション・フェス。欧州のみならず米国、中東など世界中のファウンダーや投資家、アーティストといった実にさまざまな領域の人々が、例年2万人以上も集まるイベントです。
TOAが扱う領域は、アートを主軸に、メディア、科学、モバイル、金融をはじめ、政策、ヘルス、教育、意識と多岐に渡るもの。ダイムラーやgoogleなどの大手企業から、小規模なスタートアップまでが一堂に介し、展示やピッチを繰り広げる様子は、かなり“触発的”だったそう。
2018年のTOAは、先ほどご紹介した彼女たちのような女性登壇者たちが多く、ダイバーシティに富む光景に。多彩な領域における課題解決型のスタートアップが幅広く見られました。
ちなみに、「Future Proof」すなわち「未来への備え」が、2018年からのセッションに一貫するテーマに。働き方はどう変わるのか、 都市の交通はどうなるのか、ブロックチェーンはわれわれをどこに運んでいくのか……といった、きたる未来への具体的なアクションや見地を問う機会となりました。
また、2018年は前年に引き続き「ブロックチェーン」にもクローズアップ。 予測市場やアート取引のような非金融系サービスなどにも急速に広がりだしたブロックチェーンに関するカンファレンスは、どこも盛況だったよう。
日本からも視察ツアーが
そんなTOAに日本からも視察ツアーが参加し、7月に報告会が東京・青山で開催されました。
視察ツアーでは、イベントそのもの以外にも、TOAを生んだベルリンという街で今おきているムーブメントや施設を見学。
ベルリンの古株の一つ「Ahoy!」、ブロックチェーンに特化した「Full Node」など、さまざまな志向のコワーキングスペースや、循環型経済の実現を目指すコミュニティ「CRCLR」などを訪問し、ベルリンのエコシステムが育まれてゆく現場を目の当たりにしたそうです。
ベルリンを代表するコワーキングスペース Ahoy!
持続可能な循環型経済を志す企業やプロジェクトが入居するスペース、CRCLR(サーキュラー・エコノミーハウス)。
そもそも、TOA自体が、2012年にクラウドファンディングでスタートし、共同創設者であるニコラス・ヴォイシュニック氏が「ベルリンをスタートアップとイノベーションが生まれる都市にしたい」と願って始めたもの。
まさに、今のベルリンは、イノベーションがとっても元気な街。
未来を考える上でのヒントがたくさん隠れていそうです。
TOA18ツアーのエッセンスが詰まったイラストレーション。いろいろ楽しげな雰囲気が伝わってきますよね! (Copyright 2018 Yumiko.K)
写真:©INFOBAHN Inc. & TOA18 TOUR MEMBERS, All Rights Reserved., Copyright 2018 Yumiko.K, カフェグローブ編集部
*こちらもおすすめ
イベント
おすすめ
JOIN US
MASHING UP会員になると
Mail Magazine
新着記事をお届けするほか、
会員限定のイベント割引チケットのご案内も。
Well-being Forum
DE&I、ESGの動向をキャッチアップできるオリジナル動画コンテンツ、
オンラインサロン・セミナーなど、様々な学びの場を提供します。