利益優先より、社員の幸福を考えることで、自然と企業も成長していく。そんな理想的なはたらき方を実現するには、どうしたらいいのでしょうか。
前野隆司/小森谷浩志/天外伺朗共著『幸福学×経営学 次世代日本型組織が世界を変える』より、幸福をキーワードとしたコミュニケーション術を実践する企業の実例から、おすすめのヒントを紹介します。
ディスカッションは3、4人で、飲み会は8名まで
『幸せの経営』を称えられ、「ホワイト企業大賞」を受賞した徳島県の西精工。同社で特徴的なのは、毎朝1時間かけて行う朝礼です。
毎朝、3、4人のグループにわかれ、会社のフィロソフィーの中から1項目を選んでディスカッションするそう。お互いを評価し合ったり、抱える課題の解決策をフィロソフィーの中に求めたり。社長や上司が一方的にしゃべるだけではなく、社員一人ひとりが自ら考えることで、やらされている感がなくなり、仕事への意欲や創意工夫、チームワークを発揮するようになるとのこと。
もちろん、立場や年齢に関係なく、誰の意見も否定されることのない雰囲気作りも重要です。日頃から分け隔てない人間関係を作るために行っている、社長と社員との飲み会は、1回に8名まで。それ以上になると、皆で一緒に話せなくなるからです。
ホウレンソウは上司から
東京都のぜんち共済では、社員とその家族の幸せを第一とした経営理念を浸透させたことで、社長がその場にいてもいなくても、社員が自分たちで考え、相談して決めていく土壌ができたとのこと。
その前提となる信頼関係を築くために、日頃から心がけているのは「ホウレンソウは上司から」という考え方。ダイエー会長兼CEOなどを経て横浜市長に転身した林文子氏の持論で、報告も連絡も相談も、まず上司からすることで、社員からも反応が返ってくるようになるそう。それに加えて、個人面談ではひたらすら傾聴に徹し、とにかく社員に関心をもつことで、コミュニケーションが深められるそうです。
上記の2社が試行錯誤の末に辿り着いた、はたらく人の幸福を叶えるコミュニケーション術。まずはできるところから、取り入れてみてはいかがでしょうか。
幸福学×経営学 次世代日本型組織が世界を変える
著者:前野隆司/小森谷浩志/天外伺朗
発行:内外出版社
定価:1,500円(税別)
Image via Getty images, Shutterstock
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