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だから、働くひとの「幸福」をベースに考える/幸福学×経営学

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会社は社員の幸せのためにある。そんな考え方が、少しずつ浸透してきました。

きれいごとではなく、社員の幸せを追求することこそが、会社の存在意義や利益につながる。そんなうまい話が、実はあるのだと、前野隆司/小森谷浩志/天外伺朗共著『幸福学×経営学 次世代日本型組織が世界を変える』は指摘します。

利益優先では、真の「幸福」は生まれない

会社と社員の幸福を考えるとき、「会社が儲からなければ、社員を幸せにすることもできない」と考えるのはひと昔前の話。

もちろん、会社が利益を上げ、給料が上がったり、昇格されたりすれば、社員は単純にうれしいでしょう。ただ、その喜びは長続きする性質のものではありません。

長続きするのは、一時的な喜び(happiness)ではなく、人生における充足感といった幸福(well-being)のほう。

昇給も昇格も、一定以上達成すれば、人の充足感を上げることにはならないことが証明されているのです。

では、後者の幸せを感じている社員は、会社に何をもたらすのか。海外の研究データを要約すると、以下のようなことがわかってきたそう。

幸福度の高い社員ほど、創造性が高く、仕事の効率も高く、求められた以上の働きやソーシャルサポート(困っている同僚などへの手助けや食事に誘うなど物質的・心理的支援)を惜しまない。欠勤率や離職率は低く、上司や顧客から高い評価を受ける傾向がある。
52ページより引用

たとえばクリエイティビティについていえば、「幸せな人はそうでない人に比べて創造性が3倍高い」とか。

確かに、自分自身を鑑みても、何かに不満をもっていたり、悩んでいたりするときよりも、心身共に充実して、リラックスできているときのほうが、実力を発揮できると思いませんか。

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社員が幸せになると、会社の利益が向上し、社会も成長する

つまり、会社が社員の幸福を追求することで、社員の創造性が3倍高められ、会社の利益を伸ばすイノベーションが生み出される可能性も3倍上がるということ。創造性以外でも、幸せな社員は、会社や組織の成長につながる強みをたくさん持っているのです。

ソーシャルネットワーク研究からも、「幸せは伝播する」ということがわかっています。

社員が幸せになれば、会社や顧客、さらには社会全体に幸せが波及していくことでしょう。 まずは、社員ひとりの幸福を実現すること。そこから、すべてが変わっていくといえそうです。

幸福学×経営学 次世代日本型組織が世界を変える

著者:前野隆司/小森谷浩志/天外伺朗
発行:内外出版社
定価:1,500円(税別)

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中島理恵
ライター。神戸大学国際文化学部卒業。イギリス留学中にアフリカの貧困問題についての報道記事に感銘を受け、ライターの道を目指す。出版社勤務を経て独立し、ライフスタイル、ビジネス、環境、国際問題など幅広いジャンルで執筆、編集を手がける。

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